世界的映画監督で、その正体は宇宙法を管理する宇宙人、という新キャラ・アブラハムが登場した話でした。
彼の動きで、香具矢冬貴をリーダーとする宇宙開発特別管理局問題が解決された話でした。
また、その映画監督という設定を活かした劇中劇で、星奈ひかると羽衣ララがお互いをどう思っているかが描かれた、という話でもありました。
映画撮影描写では、初めてだから当然とは言え、星奈ひかると羽衣ララの「棒読み描写」が描かれてます。
続いて香久矢まどかが登場するのですが、父親が見ているという事で上がってしまい、他人の台詞も含めて「台本を一字一句残さず」話すという、ボケをかましてしまいます。
短いギャグ描写ですが、彼女の頭の良さ・生真面目さ・そして父親に抑圧されている心理状況、という特性をまとめて描いており、感心させられました。
そういう失敗が続いたあと、天宮えれなの出番になるのですが、こちらは完璧にこなします。
他の三人を貶すことなく、彼女が「観星中の太陽」と呼ばれる所以を描いた、というのも上手いと思いました。
そして、この失敗を経て、クライマックスの撮影となるわけです。
予め、台本厳守を命じられたにも関わらず、「天女」との別れの場面で、ふたりとも、自分の胸のうちを語り合います。
出会った頃からのぎこちなさから、信頼を醸成するところまでを、これまで丹念に描いてきただけに、この場面は心に残りました。
様々な形で四人の良さが描かれた、楽しい劇中劇でした。
この話でもう一つ強く心に残ったのは、序盤の「一連の目撃は全部映画撮影だった」とまとめる場面でした。
予告を見た時は、「いくら実は宇宙人の世界的映画監督」という設定だからといって、ゴリゴリのエリート官僚である香具矢冬貴の矛を収めさせるのは無茶だろう、と思っていました。
ところが、この話は、極めてリアルな描き方で、この問題を100%解決していました。
当初は、香具矢冬貴も、「特撮」と言われても信じる様子はありません。まあ、宇宙人対策のプロなのだから当然ではあります。
ところが、アブラハムが高名なアメリカ人であると知った部下に「日米関係」を告げられると突然動揺し、外務省に確認します。
さらに、外務省からは、これが「首相案件」であること、さらには総理の伝言を告げられると、態度が一変しました。
そして、これまでの渾身の調査も、自らが失神するほどの攻撃を受けたことも全部「特撮」であると認め、これまで見せたことなかった笑顔で「映画撮影に全面協力します」と言い出します。
一見すると、荒唐無稽な設定に見えます。しかし、今の日本官僚のやっていることを、完璧にトレースした描写でした。
とにかく「日米関係」を最優先で、向こうの大統領の言うことには逆らえないところは何度も見られています。一方、国内レベルでは、「総理の一言」で、あらゆるものを180度変えてしまう、という事件が何度もありました。
その結果、これまでの積み重ねが全てボツになり、かつ「映画の撮影を本物の宇宙侵略と誤認して大立ち回りする恥ずかしいう役人」というみっともない役回りを笑顔で引き受けるわけです。
国会に出てくる「突然、記憶喪失になるエリート官僚」を地で行く描写でした。
自分も一応、仕事の関係もあって日頃から政治の情報を集めています。
その自分ですら、まさか、ここまで「リアルすぎる政治描写」で、あの「宇宙開発特別捜査局問題」を完璧に片付けるとは思わず、ちょっとした衝撃を受けました。
あと、この展開の冒頭で、アブラハムのちょっとした顔の気配に気づき、この作り話に加わるように三人に促した、天宮えれなの描き方も印象に残りました。
他にも、ダークネストがパワーアップアイテム与えるところで、微妙な表情を見せるバケニャーンなど、敵方についても面白い場面がありました。
まさかかつリアルな宇宙開発特別捜査局問題解決に始まり、アブラハムの設定とキャラクター、そしてメインの劇中劇描写と、最初から最後まで心に残ったすごい話でした。
次回は、羽衣ララ中学入学話でした。
「大人」としてのプライドや、不慣れな地球人相手にいろいろと失敗をするという展開が予想されます。それを、どのように星奈ひかるや先輩二人が助けるのか、これまた楽しみです。