ディスピアを倒した後から、クローズが現れました。
そのディスピアの力を託されたクローズとの最終決戦となります。
後半は後日談で、「最後のお茶会」の後に別れが描かれます。最後は、春野はるかとカナタの別れでした。
そして、EDの後に、「約10年後のプリキュアたち」が描かれる、というシリーズでも初の描写で、話が完結しました。
最後の闘いは、春野はるか対クローズの一対一という、第1話と全く同じ顔合わせになりました。
これはプリキュア史上初めてです。
さらに、クローズが「ラスボス」になったのは、前回敗れたディスピアが自らの意志でクローズに全てを託したからです。
最後の最後で敵が変わった、というのは何度かありました。しかし、それまでのボスから「禅譲」された、というのはこれまた初めてです。
それに対し、春野はるかが一人で受けて立ち、途中からは「話し合い」になります。
その会話の中で、春野はるかは、これまでの、辛かったこと・嬉しかった事を思い出します。
そして、夢と絶望は表裏一体であり、どちらも消し去ることはできない、という事を理解します。
それをクローズに伝えると、納得したような笑顔を見せ、矛を収めて去って行きました。
これで戦闘編は終了し、後日談に移ります。
まずはホープキングダム復活話でした。その途中、四人の変身は解け、「プリキュアお役御免」となりました。
そして、闘いが終わった事と同時に、人間界とホープキングダムの道が閉ざされ、二度と会えなくなる、という事実が伝えられました。
続いて、ノーブル学園修了式の日になります。
第二生徒会室では、五人と妖精による、「最後のお茶会」が行われていました。
しかし、天ノ川きららは、普段と変わらないかのように、「マーブルドーナッツ最高ー」と笑顔で言っていました。
そのまま、「普段通り」の会話が続きます。しかし、一段落し、春野はるかの「そろそろ飛行機の時間だよね」という台詞とともに、お別れの場面になりました。
最初は、笑顔で去ろうとした、紅城トワですが、途中で涙ぐみ、春野はるかと抱き合って別れを惜しみます。その紅城トワの頭を天ノ川きららはなでていました。
一方、パフは七瀬ゆいの胸に飛び込んで別れを寂しがり、海藤みなみは向こうを向いていたアロマに声をかけ、一緒に涙していました。
最後に、春野はるかが音頭を取って、五人と妖精が手を合わせます。
手をだす順番は、プリキュアになった順番でした。そして、紅城トワが手を出したあと、ちょっと間をあけて七瀬ゆいが手を合わせます。この間の描写は絶妙だと思いました。
そして、この状態から「強く」「優しく」「美しく」「Go!」と四人がそれぞれ定番の台詞を言い、最後に皆で「プリンセスプリキュア!」と言ってジャンプする、となりました。
この、最後の最後で、「五人のプリキュア」が同時にアクションする、という描写は、このシリーズの締めくくりらしいと思い、心底感心しました。
それから、皆の今後が描かれました。
海藤みなみは北風あすかと海辺で待ち合わせ、イルカのティナがそれを歓迎しています。
天ノ川きららは、パリの舞台に上がり、母親のステラとボアンヌがそれを見ています。
さらに、藍原ゆうきのテニス・生徒会・演劇部・路上ライブを行う一条らんこ・そのすぐ近くで犬をなでて喜んでいる如月れいこが描かれました。
一条らんこのライブの見物人に座間すみれ先生がいたり、如月れいこがなでている犬の飼い主が、アロマに教訓を与えた執事と奥様だったりなど、出番が少なかったキャラもきちんと描かれていました。
また、シャットがマフラーと化したロックとともにノーブル学園の中を歩き、そこで望月学園長と白金寮母に声をかけられる、という描写もありました。今後はノーブル学園で勤務するのでしょうか。
続いて、ホープキングダムが描かれます。自分の髪を踏んづけて転ぶ癖を克服したパフに、きっちり執事の仕事をこなせるようになったアロマ、さらには仲良くヴァイオリンを弾くカナタと紅城トワが描かれていました。
そして、最後には、回収されて飾られているドレスアップキーが描かれました。
続いて、草原のうえで春野はるかとカナタが会話をします。第1話の冒頭と全くおなじシチュエーションです。ドレスアップキーを持っているところを見ると、時系列的には先程の場面より前に行われた事なのかもしれません。
そこで、カナタは春野はるかの成長をほめ、さらに自分との出会いやプリキュアになった事は、そのきっかけでしかなく、彼女自身の実力だとほめます。
その後、第1話と同様、花吹雪とともに、カナタは去って行きました。去った後、春野はるかは泣きじゃくります。しかし、しばらく泣くと、涙を拭いて、走り出しました。
ここで話は終わり、EDが流れます。これで終わったと思いきや、続いて、「プリンセスプリキュア」の絵本を読み終える少女が出てきました。
その絵本の著者名は「ななせゆい」となっています。
その後ろ姿に、夏服のワンピースを着た春野はるかが話しかけます。手には、色を失ったドレスアップキーがあります。
同時に、海辺で白衣を着た海藤みなみ・夜のパリで佇む天ノ川きらら・ホープキングダムで虹を見ている紅城トワが描かれます。いずれも同じ色を失ったキーを持っています。
そして、春野はるかの「大丈夫、夢に向かって走り続ければ、その心の中にはまたキーが生まれる。そのキーがあればきっと…きっと…」という台詞で「Go!プリンセスプリキュア」は終わりました。
非常にしっかりと、かつ意欲的に作られていた最終回でした。
最後の闘いを春野はるかとクローズとの一対一にし、最後の場面が草原での春野はるかであるなど、第一話と同じにしていた、というのには感心させられました。
また、「プリキュア側=夢」「敵側=絶望」という概念もきちんと消化し、最後にその二つの関係性を春野はるかが語り、それにクローズが納得して矛を収める、という戦闘の締め方も素晴らしいと思いました。
また、海藤みなみと天ノ川きららは、ほとんど出番がありませんでした。これも二人の「最終回」は12月にそれぞれ二話かけて描いたから、という事で納得できました。
さらに、戦闘時に、天ノ川きららがいち早くクローズの復活に気づいて攻撃を防ぎ、海藤みなみは一人でクローズに対峙しようとする春野はるかを応援し、仲間にも理解を求める役回りにした、上手いと思いました。
さらに、「プリキュア解任の儀」の際に、天ノ川きららが「もう、闘いは終わったもんね」とサバサバとその事実を受け止め、海藤みなみは「ならばパフュームとキーをお返ししないと」と事務処理を考えます。この二人の「プリキュアとの別れ方」も印象に残りました。
短い出番なのに、しっかり彼女たちが描かれていることには本当に感心させられました。
そして、繰り返しになりますが、最後のお茶会から別れまでの一幕には心底感心させられました。あの、五人が手を合わせてジャンプする場面、並びにその直前のちょっとだけ躊躇したあと、七瀬ゆいが手を合わせたところは、「名場面」と言うのに相応しいと思いました。
あと、後日談で、相変わらずの一条らんこと、犬嫌いだったのが嘘だったような如月れいこが対照的に描かれたのも楽しめました。個性的な脇役が多かったシリーズですが、このふたりは、本当にいい味を出していました。
ただ、既にレギュラー番組を持っている一条らんこの路上ライブなのだから、もっと大量の観客がいてもいいのでは、とも思いましたが…。
そして、最後には、春野はるかがカナタと別れ、さらにEDを挟んで成長した彼女が描かれます。
七瀬ゆいが絵本作家デビューし、海藤みなみが白衣を着て仕事をしているところを見ると、約10年後くらいなのでしょうか。
この場面、えらく深いと思いました。
春野はるかには「プリンセスになりたい」という夢があり、それが話の軸でした。しかし、王子と別れ、プリンセスに変身する能力も失うなど、結局、最後で夢は具体的にはかなっていません。
さらに、約10年後、他の四人が夢を着実に実現しているのに対し、大人になった春野はるかは、プリンセスになる夢を追い続けているような台詞を言っています。
「いい年なのに痛い夢を追っている人」とも解釈できる描写です。
もしかして、「頑張れば夢はかなう。しかし、いくら頑張っても叶わない夢もある」が、この作品の主題だったのかも、などとまで思いました。
そういうわけで、色々と感心したり、考えさせられた最終回となりました。
その、謎めいた幕引きも含め、土台から細部まで、本当にしっかりと丁寧に作られたシリーズだったと思っています。
今週には、上北さんの単行本2巻も出ます。それも読んだ後、漫画・アニメを合わせたシリーズ全体の感想も、時間があれば書きたいものだと思っています。