Princess第14話

 春野はるかの家族話でした。
 全寮制のノーブル学園に家族を招待する参観日という設定で、春野はるかの両親と、妹の春野ももかが学校にやってきます。
 ところが、久しぶりに姉に会えた春野ももかは、非常に不機嫌でした。
 その彼女を中心に、家族の愛情と、それをサポートする海藤みなみ・天ノ川きららがバランス良く描かれていた話でした。

 結論から言えば、不機嫌な理由は、「自分は姉がいなくなって寂しい思いをしているのに、学校で、姉は楽しそうにしていた」だったからでした。
 そのあたりの心境は分からなくないのですが、ちょっとこの「不機嫌描写」は長すぎたのでは、とも思いました。
 春野はるかがノーブル学園に進学するまで仲が良かった、と言葉では説明されるのですが、具体的な描写はありません。
 そのへんを上手く織り交ぜれば、もっと雰囲気が良くなったのでは、と思いました。
 なお、冒頭で、春野はるかが、自分への懐きぶりを語り、その時、画面の隅にその会話をイメージした感じでカルガモの親子が歩いた、という描写は巧いと思いました。

 一方、その暗そうな雰囲気の展開で、話を明るくしてくれたのが、父親の春野いぶきでした。
 和菓子職人の腕を振るって、春野はるかのイラストと「はるかをよろしくネ」という文字が入ったどら焼きを配りまくります。ちょっと変わったノリの人ですが、娘への愛情はよく伝わってきました。
 また、それを見た春野はるかは、最初は照れと困惑が入り混じったような表情を見せます。
 ところが、七瀬ゆいが「美味しい」と大声で叫んだ事から雰囲気は一変し、皆も、その味に感心するようになりました。同時に、春野はるかの表情も笑顔になり、素直に父親自慢をしていました。
 この、雰囲気を変えた七瀬ゆいの絶叫並びに、その直後の大声を出した自分を取り繕うような行動も、楽しめました。

 一方、春野ももかの不機嫌は変わらず、ジュースを落として春野はるかに怒られ、走り去ります。その際、プレゼントも落としてしまいましt。
 ここで、海藤みなみは妹の不可解な言動に困惑する春野はるかに、原因を教えます。一方、天ノ川きららは、春野はるかを追いかけて、彼女の本音を聞き出していました。
 今回、メインが春野姉妹ですので、海藤みなみと天ノ川きららは必然的に脇に回る形になりました。
 その中で、メインを立てつつサポートし、しかも二人にそれぞれ役割を持たせ、しっかりとした存在感を描きます。
 今シリーズで感心させられるのは、このようなキャラの役割分担のバランスの良さです。今回もそれが存分に発揮されました。

 そして家族が合流し、春野ももかが謝って、一件落着となります。
 そこにトワイライトとシャットが現れ、春野一家の三人をまとめてゼツボーグにします。
 この時の春野一家の夢は、「春野はるかがプリンセスになる」でした。「祝」と描かれたどら焼きが出てくる、という力の入った「夢の描写」でした。
 それを見たシャットは「こんなバカバカしい夢ははじめてだ」と言います。それに対し、天ノ川きららが反論し、口論になりかけますが、それを遮って春野はるかが「みんな、行きます!」と変身を促しました。
 春野はるかの家族への愛情と、早く助けたい、という気持ちを上手く描いていると思いました。
 あと、シャットは、今回も、トワイライト並びにその美しさに対する全面的な忠誠を表明していました。今の彼に「夢」があるなら、それこそ「トワイライトがプリキュアを倒して唯一のプリンセスになる」でしょう。
 そのあたりも含め、このシャットの「娘の幸せを願うなんてバカバカしい夢だ」という認識は、興味深いと思いました。
 戦闘のほうも、春野はるか中心でしたが、そのなかで、海藤みなみと天ノ川きららによる連携攻撃もありました。大技だけでなく、このような連携を毎回きちんと入れる事にも感心させられました。

 そして、勝利の後、春野はるかが、プレゼントのティアラをつけて舞台でバレエを披露し、それを見て家族が喜ぶ、というところで話は終わりました。

 春野家においては、父親の春野いぶきの存在感が光りました。その優れた和菓子職人の技術で、無償配布のイラスト入りどら焼きを造る、という「娘への愛情表現」は強く印象に残りました。
 また、その話し方なども、非常に楽しめました。「フレッシュ」で異色の敵幹部・ウエスターを演じた、松本さんの本領発揮、と言えると思いました。
 春野ももかについては、ちょっと「不機嫌描写」が長すぎたとは思いました。ただ、その不機嫌をなだめる形で、プリキュア三人の良さが描かれていたので、仕方ないのかもしれません。
 他にも、どら焼きの美味しさを表現した七瀬ゆいなど、今回も、各キャラを上手くかつバランス良く描いており、楽しめました。
 次回は、妖精二人が人間の姿になる話です。二人をどう描くのか、楽しみです。