なかよし2014年11月号

 「ハピネスチャージプリキュア」は文化祭がきっかけで、白雪ひめがイノセントフォームになる、という話でした。
 こう書くと、この前放映されたアニメと同じように見えますが、設定などは大きく異なっていました。
 話が始まった時点で、すでに大森ゆうこだけがイノセントフォームに目覚めています。
 特に彼女がイノセントフォームを得るために何かあった、というわけではなく、ごく当然の事、みたいな形で描かれていました。
 そして、イノセントを得る方法についても、ブルーが抽象的に説明する中、かなり明確に「自分を受け入れる・愛する」とまとめていました。

 続いて文化祭が始まります。大森ゆうこが監督・脚本・演出を担当するミュージカルで、他の三人が「リスの三姉妹」というメインキャラ、その中で主役は白雪ひめという位置づけです。
 白雪ひめはファッション、愛乃めぐみは人助け、氷川いおなは自分を高める、という事にそれぞれこだわりがある、という彼女たちのキャラクターを、そのまま劇中に持ち込んでいます。
 そしてお互い、その「こだわり」が段々大きくなっていき、身動きが取りづらくなってしまいます。
 そこに「ハチの女神」という位置づけで大森ゆうこが登場し、その「こだわり」を捨てるように言います。
 白雪ひめだけちょっと抵抗しますが、そのお洒落な服を脱ぎ捨てて「そのままの自分」を楽しんだら、身軽で気楽になります。そして、「こんなの、はじめて!」と感心します。

 そこで戦闘になります。
 オレスキーが白雪ひめに「小さくて非力で臆病なオマエに何ができる」と挑発します。
 それに対し、「みんなが自分をそう思っているだろうって、それがコワくて、そんな自分がイヤで…自分を大きく見せようと必死だった。なんてくだらない事やっていたんだろう…」といいます。
 そして「わたしはもうーありのままで頑張りたい!」と言ってイノセントフォームになり、勝利しました。
 闘いが終わった後、大使館で祝勝会が行われました。白雪ひめは大森ゆうこに感謝し、喜びます。
 一緒に喜んだ大森ゆうこですが、皆に聞こえないように「ひめちゃんてば、素直と言うか、すぐにソノ気になるからいいんだけどね…むしろ心配なのは…」とつぶやきます。
 その視線の先には、笑顔でジュースを飲んでいる愛乃めぐみがいる、というかなり意味深な終わり方をしていました。

 アニメでも、海外遠征などで、大森ゆうこを一段高く位置づける、という描写はありました。今回の話は、それを非常に明確に描いていました。
 あたかも、昨年の円亜久里のような立ち位置で、三人を「さらなる高み」に導こうとしています。
 ミュージカルを通じて、三人の「こだわり」が「重荷」になっていると伝え、それを捨てる事を進めていました。
 このあたりの諭し方は、なんか仏教の高僧みたいな印象をもちました。
 そして最後には、愛乃めぐみの事を不思議な表現で心配します。漫画版でこのような含みを持たせた終わらせ方をするのはかなり珍しいと思いました。
 毎度の事ながら、短いページ数のなか、イノセントフォームの発動条件や、大森ゆうこや愛乃めぐみに関する含みを、分かりやすくかつ興味深く描いているものだと感心させられました。

 ところで、プリキュア10周年にあわせ、この漫画版の全話が単行本になるとの告知がありました。
 今年出た「ドキドキ」の単行本のような感じで、シリーズごとにまとまるのでしょうか。
 それが一番自然でしょうが、「S☆S」だけは、既刊の1巻を復刻し、未収録分を「2巻」として出してほしいものだと思いました。
 いずれにせよ、この10年間で描かれ続けた優れた作品が、より多くの人に読んでもらえる、という事は一ファンとして本当に嬉しい事です。

 「さばげぶっ!」は豪徳寺かよの恋愛話(?)でした。
 家が隣の幼なじみで学年を代表するイケメンの北見は、幼いころからずっと豪徳寺かよの事に想いを寄せていました。
 しかし、三次元相手の恋愛に全く興味がない豪徳寺かよは全く感心を持ちません。
 北見はずっと、豪徳寺かよが欲しがるものを頑張って入手し、照れ隠しに「いらねーからやるよ」と言って渡し続けていたのですが、それは豪徳寺かよにとっては「わたしのことなんてゴミ箱ぐらいにしか思っていない」となるわけです。
 代わりに豪徳寺かよが恋をしているのは、恋愛ゲーム「初恋☆はじめましたっ2」に出てくるキャラでした。その話を遠くで聞いていた北見は、本当の恋人がいると勘違いし、落ち込みます。
 ところがその後、中庭で北見が太宰治を読んでいると、豪徳寺かよが話しかけます。それがきっかけで会話がはずみ、さらに北見ファンの女の子たちが豪徳寺かよを敵視した発言をします。
 すると、北見はそれに刺激されて、これまでの想いを、熱く告白します。
 それを聞いた豪徳寺かよは嬉しそうな笑顔を見せます。
 一見、告白が成功したかに思えました。しかし、豪徳寺かよが喜んだ理由は、その「告白セリフ」が「初恋☆はじめましたっ2」で、出現難易度が高い台詞と全く同じだったからでした。
 そして、先ほどの太宰治と同じノリで、「初恋☆はじめましたっ2」仲間として、北見に熱く語りかけます。
 「告白」あたりを読んでいた時は、「まあ、二次元に負ける」というオチなのだろうな、みたいに思っていました。
 それだけに、この展開には衝撃を受けました。
 改めて、この作者のスケールの大きさに感心させられました。
 なお、「さばよんっ」のほうでは、久々にサバゲをやっていました。

 「Stella 〜ナナと魔法の英単語〜」の今月のお題は、「Have」でした。
 そのお題を出した時に、「あ、知ってる アイ ハブ ア ペン、ていうやつね」とナナが言うと、ステラが「ペン持つだけで、誰が友達になってくれるの」と突っ込みます。
 短いページ数で、設定や英語学習など様々な制約があるなか、このようなギャグを自然な形で入れてくる、ハタノさんのセンスに感心させられた話でした。

 特別読み切りで、10月からアニメ化される、少年マガジンの「七つの大罪」が掲載されていました。
 内容は、よくあるバイオレンス系の少年漫画で、なかよしという雑誌の中では、かなり浮いていると思いました。
 この前、「さばげぶっ!」が少年マガジンに出張掲載された事のバーターなのでしょうか。
 となると、同じく出張があったモーニングからもゲスト読み切りがあるのだろうか、などと思いました。
 「OL進化論」や「クッキングパパ」なら、題材によっては、なかよしに載ってもある程度、読者に受け入れられるかも、などと思いました。また、「島耕作」だけは絶対ないだろうな、などとも思いました。

 読み切り「寂しがり屋のご先祖さま」は、主人公がお盆に、早逝した曾祖母の姉の霊に会う、という話でした。
 だいたいこういう話だと、「実は彼女はご先祖様だった」というのが最後にわかる、というのが定番です。
 それに対し、この話では主人公が一緒にいるうちに自然と気づき、「ご先祖様」と呼びかけて会話する、という流れになっています。これは斬新で面白いと思いました。
 話のほうも、各キャラが温かく描かれていて、自然に楽しむことができました。

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