第38話・ずっと気づいていた青山

 さて、久々に本物のミュウアクアを巡った総力戦が始まりました。「エイリアン」の三人はミュウアクアにエネルギー波を注入します。それを見た白金は、ミュウアクアの暴発を防ぐために歩鈴にプリングリングインフェルノでミュウアクアの保護を命じますが、これは「エイリアン」の罠でした。プリングリングの中でエネルギーが逃げ場を失い、全てミュウアクアにぶつかります。その結果、半径160kmが消滅、という赤坂の試算が出てしまいました。ここのところ、ミュウアクア探索でも失敗続きだった白金の判断ミスが、またまた出てしまったようです。
 まんまと作戦に成功したキッシュは、改めて「地球の本来の住人は自分たちで、人間たちはその地球を汚しまくった」と一連の「人類排除作戦」の正当性を主張します。それに対し、白金は「自分は両親を殺された」に始まって、「『エイリアン』の事情がなんであろうと、愛するものを失っていいわけがない」などと主張します。しかし、それを聞いた『エイリアン』たちは反応すらしません。彼らにとっては何の意味もない発言だからです。それどころか、ざくろさんにも「くさい演説」と罵倒されます。とにもかくにもこの戦いでの白金は悲惨すぎます。

 そして、ざくろさんの指示により、五人が力をあわせてミュウアクアの爆発を防ごうとします。あらためて、「ミュウミュウの真のリーダーは誰か」が分かる言動でした。そして、いきなり現れた蒼の騎士が「エイリアン」の反撃を食い止めた事もあり、見事爆発阻止に成功。蒼の騎士との戦いでキッシュが重傷を負った事もあり、「エイリアン」も引き上げました。ところが、その際、ミュウアクアの欠片が戦いのさなかに現れた青山にぶつかります。錯乱してかけより、変身を解いたいちご。その時、青山の目が一瞬開きました。
 一方、重傷を負ったキッシュを異空間で介抱しようとしたパイとタルトですが、ディープブルーはキッシュは放置して作戦に従事しろ、との冷徹な命令を下します。タルトは怒りますが、パイはあくまでも命令最優先主義で従いました。それにしても、もう一つの人格でキッシュに重傷を負わせておいて、主人格で見殺しを命じるのですから、「ディープブルー=蒼の騎士=青山」のキッシュ嫌いは徹底しています。

 一方、いちごは青山に付き添って病院へ。先ほどのでついに正体がばれたと観念はします。そして、気を失っている青山にこれまでのお礼とお詫びを述べ、意識が戻りかけたところで退室しようとしますが、意識を取り戻した青山はいちごを外に誘います。
 そして、自分がミュウミュウである事を告白しようとしたいちごをさえぎり、「前から気づいていた」と自ら言います。桜の話でおそらくはと思い、東京タワーの話で確信したとのこと。にもかかわらず気づかないふりをしていた理由を「自分にも『実は孤児』などと言う、人に言いづらい秘密があり、同様にいちごの秘密も分かっていたけれど言うと何かが壊れる」などと説明します。そして、過去の話をして「自分は常に他人の期待に応える『優等生』を演じていたけれど、いちごの前では心から笑えた」などと言います。
 本当に「何かが壊れる」と思ったのなら、この「秘密」は隠しとおすべきでしょう。別に今回だって「何かがぶつかって、一瞬気づいたらいちごがいたけれど、またすぐ気を失ったので後は何も覚えていない」などと嘘をつけばいいわけです。その一方、「いちごの前で素直になれる」などと言いながら、実際は「秘密に気づかないふりをし続けていた」わけです。「雪のクリスマスイブ」というロマンチックな場所な上、機先を制されたいちごは、青山の言を全て信じますが、実際にはあまりにも無理のある説明です。
 さらに言えば、青山ほどの洞察力の持ち主ならば、いちごが自分の正体がバレないかといつも心配している事くらい気づいていたはず。ならば、もっと早く自分が知っている事を明かして、いちごの精神的負担を減らそうとするのが自然だと思うのですが。

 結局のところは、「正体がバレないかと悩むいちご」を高い視点から見下ろし、その慌てぶりや悩みぶりを観察していただけ、としか思えません。結局のところ、青山にとってのいちごは、自分の支配下に完全に置く事ができる「僕のネコ」でしかないのだな、という事がよく分かった話でした。

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