Hapiness第19話

 ラストで、氷川いおなが、皆にキュアフォーチュンであることを明かした話でした。
 その過程として、ハピネスチャージの三人と氷川いおなが同じチームでサッカーをやる、という筋立てがあり、それが話の軸となっていました。
 話全体としては、ゲスト出演者の扱いなどもふくめ、上手く作っていた部分が色々あったとは思いました。
 しかしながら、ラストで氷川いおなが正体を明かした際、白雪ひめを「シカト」するような形で「愛乃さん、大森さん」と言っていた描写は、見ていて辛いものがありました。

 冒頭、大使館で、カードが揃った際の願いを、三人が話していました。話題は、カードが揃った時にかなえる「願い」についてです。
 白雪ひめは、両親をはじめとする故国の解放、愛乃めぐみは母親の健康回復、大森ゆうこは「みんなが美味しくご飯を食べること」というものでした。
 大森ゆうこの願いの解釈は難しいところです。狭く考えれば、自分達三人とも取れますし、広く考えれば、全地球上から飢餓を一掃するとも取れます。
 もっとも、願いを叶える「神さま」がブルーであることを考えると、全人類の救済はちょっと難しそうです。
 また、白雪ひめの願いは、カードが揃うほど幻影帝国を倒せば実現する「願い」ではあります。
 それを考えると、実現する願いは、愛乃めぐみのものになるのでしょうか。
 その頃、キュアフォーチュンはサイアークを倒していました。そして、同じ問いを妖精・ぐらさんにされると、「もっと強くなること」と言っていました。
 同時に、ハピネスの三人との共闘を勧められましたが、白雪ひめとは組みたくない、という理由で頑なに拒絶していました。

 その晩、二人が帰った後、白雪ひめは、ブルーとリボンに、愛乃めぐみがババぬきでジョーカーばかり引いていた事を笑っていました。
 これも、「愛乃めぐみの頭があまり賢くない」事を伝えているのでしょうか。
 それに対し、ブルーとリボンは、そろそろ、白雪ひめが二人に秘密にしている、「アクシアの箱」がらみの「やらかし」について、そろそろ話すべきだ、と勧めます。
 しかしながら、白雪ひめは、「万が一にも億が一にもそのせいで二人に嫌われたらいやだから」と言って拒否していました。

 翌朝、愛乃めぐみのもとに、相良誠司より商店街のサッカー試合の助っ人依頼が入りました。選手のうち四人が前の晩飲み過ぎて二日酔いになってしまったとのことでした。
 その補充がなぜか相良誠司に一任され、氷川いおなを含めた女子中学生たちが選ばれた、という事でした。
 それにしても、なぜ親が店をやっているわけでもない、一介の中学生である相良誠司が、商店街サッカーチームで欠員補充をするほどの重要な役割を担っているのか、かなり謎でした。
 それはともかく、「休日にすまなかったな」と言われ、「本当だよ。今日は一日家でゴロゴロする予定だったのに」と返した白雪ひめは、毎度の事ながら、面白いキャラだと思いました。
 そして、今回のゲスト・中山雅史さんが演じる、監督の「ゴン隊長」が現れます。
 過去シリーズの「有名人登場回」のように、過剰に目立たせるような演出はありません。その一方で、中山さんの有名な台詞を言う場面を作るなど、好感の持てる描写でした。
 監督の紹介のあと、四人目の助っ人である氷川いおながやってきます。笑顔で現れましたが、白雪ひめを見ると、「あの子も一緒なの?」と表情を曇らせていました。しかしながら、理由については特に言いませんでした。
 試合のほうは、氷川いおなのシュートがまず決まります。それを見た、愛乃めぐみと大森ゆうこが駆け寄り、「氷川さんかっこいい!」と褒めると、氷川いおなは、これまで見せたことがなかった、素直に喜ぶような笑顔を見せました。
 その一方で、白雪ひめは離れた所で対抗心を燃やしています。そして、自分にパスがくると、そのままシュートにいきますが、全く球威のない球で、あっさり取られました。
 それに対し、氷川いおなは、「また自分だけのプレイに走ろうとしているでしょう!」と怒りました。この「また」は含みのある言葉ですが、白雪ひめは気づきませんでした。
 そして、味方同士であるにも関わらず、ボールを取り合い、口喧嘩まで始めます。白雪ひめは率直に「氷川さんて上から目線なんだもん」と言いました。
 その言葉に怒った隙(?)に白雪ひめがボールを奪いますが、あっさり相手に取られ、そのままシュートを決められます。

 そのまま前半が終了し、白雪ひめと氷川いおなは並んで「ゴン隊長」の話を聞きます。
 「勝つためにはチームの団結、それが大切だ」と二人を意識した訓示が出ましたが、それを聞いた二人は、「ふん!」と言って横を向き合い、「ゴン隊長」は弱った顔をしていました。

 その直後、オレスキーが現れ、「ゴン隊長」をサイアーク化しました。そして闘いになりますが、「ゴン隊長」のキック力を持つサイアークに、三人はサッカーゴールまで吹っ飛ばされ、網がからんで動きを封じられます。
 しかしそこにキュアフォーチュンが助けに現れました。愛乃めぐみが礼を言いますが、キュアフォーチュンは「三人もいて、全然連携がなってないわ」と相変わらずきつい口調で言います。
 普通なら反発するところですが、愛乃めぐみは、笑顔のまま、「だったらキュアフォーチュンも一緒になって、四人で連携プレイをすればいいじゃない!」と言います。
 キュアフォーチュンは断りますが、愛乃めぐみが「ピンチの時に仲間がいると心強いよ」と言うと、ちょっと複雑な表情を見せました。
 それから、チョイアークとの闘いになります。愛乃めぐみは、キュアフォーチュンを後ろから襲おうとしているチョイアークを倒し、さらにロリポップヒップポップにフォームチェンジして残りをなぎ倒し、キュアフォーチュンに笑いかけます。
 それを見たキュアフォーチュンは表情を変えることはありませんでした。そして、サイアークを圧倒し、スターダストシュートで勝利しました。
 まったくもってどうでもいい事ですが、この「スターダストシュート」発動時に放たれる大きな星は、無印の「ゴメンナー」と形が似ている、などという事に今回気づきました。
 勝利したキュアフォーチュンを、愛乃めぐみと大森ゆうこは褒めますが、白雪ひめは不機嫌そうな顔でそっぽを向いています。
 それに対し、キュアフォーチュンは、怒ったような表情のまま、「後ろを気にせず闘えたからよ。一人だったらそうはいかないわ」と、さりげなく、二人に感謝する発言をしていました。

 そして、試合が再開します。大森ゆうこが止めたボールを、愛乃めぐみにパスします。それを氷川いおなにパスするとシュートが決まり、これが決勝点となりました。
 その間、白雪ひめは、何ともいえない表情で突っ立ったままでした。
 一方、氷川いおなは、愛乃めぐみ・大森ゆうこ・相良誠司とハイタッチし、さらに、愛乃めぐみと笑い合います。
 そして、試合が終了し、「ゴン隊長」に功労者として褒められます。しかし、「チームのみんなで心を一つにしたからです」と笑顔で謙遜していました。
 一瞬、この「チームのみんなで」を聞いた時は、白雪ひめの事は?と違和感があったのですが、これが実は伏線でした。
 相良誠司を含めた四人で帰途についています。皆で「勝利の歌」を唄っていますが、白雪ひめは黙っていました。
 その様子を愛乃めぐみが心配し、足が止まると、後ろから氷川いおなが「愛乃さーん、大森さーん」と言って追いかけてきました。
 そして、「今日は楽しかった」と言い、さらに自分がチームワークの重要さに気づいたと続けます。
 サッカーの話かと思って四人は聞いていました。ところが、話の流れでいきなり「そんなチームワークがきっとプリキュアハンターに打ち勝つ突破口になるはず」と言い、皆を驚かせました。
 そして、プリチェンミラーを見せると、白雪ひめは「まさか、あなたが!」と口にします。それに対し、珍しく白雪ひめの発言であるにも関わらず、怒った顔をせず、笑顔のまま、自分がキュアフォーチュンであることを明かしました。
 続けて、「キュアラブリー、キュアハニー、私と一緒にチームを組まない?」と手をさしのべ、四人はあんぐりと口を明けます。
 そして、名前を呼ばれなかった、白雪ひめのアップが描かれて、話は終わりました。

 三人の願いと白雪ひめの秘密を頭で紹介していました。
 そして、サッカーの試合となり、白雪ひめと氷川いおなの対抗意識を上手く描いていました。
 さらに、戦闘においても、氷川いおなのピリピリした感情は続きます。
 それを上手くおさめ、好感をもたせたのは、愛乃めぐみの言動でした。
 ババ抜きをやれば、相手の意図のとおりにジョーカーを引いてしまう彼女ですが、その純粋さのまま、氷川いおなに、仲間になって一緒にやろうと声をかけます。
 前回、共闘した際、闘った後は冷たくあしらわれたにも関わらず、その事も忘れてしまったかのようです。
 このあたりでは、愛乃めぐみの良さと特徴が存分に描かれていたと思いました。
 一方、大森ゆうこも、細かく愛乃めぐみや白雪ひめのフォローをしたり、得意の「食」ネタをうまく話にからめていました。
 さらに、「ゴン隊長」についても、過去シリーズのお笑い芸人さんのように、戦闘にまで出張ってきて、話のバランスを崩すという事をさせず、一方で、目立つ所はきちんと作る、というバランスの取れた作りになっていました。

 そのようないい話だったのですが、それだけに、最後の場面は仰天させられました。
 白雪ひめへの敵意は変わらないものの、愛乃めぐみと大森ゆうこは認めた氷川いおなは、二人だけと仲間になる事を決意します。
 そして、本人がいる所で、さわやかな笑顔で、「引き抜き」をするのです。しかも、そこでは、白雪ひめの存在を完全に「シカト」しています。
 試合終了後の「チームみんな」という優等生発言も、正確には「白雪ひめを除くチームみんな」という意味だったわけです。
 こういう描写を見て、小さい子が気に食わない子に対し、「キュアフォーチュンのまね」をしたりしないのか、と少なからぬ不安を覚えました。
 次回、白雪ひめが秘密にしていた「やらかし」を暴く伏線、というのもあるのでしょう。また、氷川いおなが白雪ひめ持つ敵意をどうやって解消していくかが、当面の主題になっていく、というのもあるとは思います。
 とはいえ、もっと違う描き方があったのではないか、とかなり強く思いました。

 次回は、その秘密を暴かれた白雪ひめと、姉の因縁を明かす氷川いおなが軸で、それを愛乃めぐみと大森ゆうこが間に入るような話になりそうです。
 作画が今ひとつ不安ですが、今回のラストのキツい描写を和らげるような話になることを願っています。