Hapiness第15話

 母の日話でした。
 もっとも、「母の日」が描かれるのは、冒頭部分と、途中、白雪ひめが鏡に閉じ込められた両親と「再会」した時だけでした。
 あと、前回に続き、「オレスキートリオ」の掛け合いが面白かった話でもありました。
 ただ、それ以外は、ひたすら、サイアークやチョイアークとプリキュア三人の「追いかけっこと爽快感のない闘い」が描かれ続けていた話でした。

 冒頭、愛乃家および、相良家の母の日イベントから始まります。なぜか、相良一家も愛乃家に全員出向いており、そこでのプレゼント授受となりました。
 愛乃めぐみは母親にケーキを渡します。そのデザインですが、「ホッシーワに襲撃された街」に似ていると思いました。
 一方、相良真央は、母親の相良寛子に、「バナナケーキ」を渡していました。朝、早起きしてバナナを朝食にして仕事に行く母親を気遣って、という事のようです。
 母親への想いを感じると同時に、相良寛子の激務ぶりが心配にもなりました。
 それはともかく、子どもたちからプレゼントを貰い、全身で喜びを表現した描き方も上手いと思いました。
 あと、貰ってケーキに対して話す時、愛乃かおりが何とも言えない表情で「寛子」と呼んでいた、という描写も面白いと思いました。

 続いて、場面は大使館に移ります。普段とは反対に、白雪ひめが大森ゆうこにケーキを食べさせていました。
 大森ゆうこは、喜ぶと同時に、せっかく作った母の日のケーキを、なぜ自分に食べさせたか、という疑問を口にします。
 当然の疑問ですが、普通は、「あーん」と言われる前にそれを言うのが普通です。このあたりも、大森ゆうこの「食へのこだわり」が徹底して描かれていると思い、感心しました。
 さらに、ここから、愛乃めぐみと大森ゆうこがアイコンタクトでケーキのラッピングを始め、白雪ひめの母に届けるように言う、という一連の描写も、二人の息の合いっぷりを巧く描いていると思いました。

 で、リボンの反対を押し切って、ブルースカイ王国に行きます。
 しかし、到着してからは、サイアーク並びにチョイアークとの「追いかけっこ」に終始する形になってしまいました。
 ただ、そんななか、隠し通路を通って辿り着いた母親の前で、涙ぐむ白雪ひめに、愛乃めぐみが「ひめってお母さんそっくりなんだね」と元気づける場面は、彼女の自然な優しさが上手く描けていると思いました。
 また、それを聞いて、涙をぬぐって笑顔を見せた白雪ひめの描写も印象に残りました。
 さらに続いて、白雪ひめが「卵も割れなかった私がケーキを作るなんてびっくりでしょ。お母様が大好きなレーズンもたっぷりいれたんだよ」と、鏡に閉じ込められた母親に語るかける場面も、彼女の想いがよく描かれていると思いました。

 ここで再び「追いかけっこと闘い」に戻ってしまいます。
 ただ、三幹部が出てきてからのやりとりは楽しめました。
 自分の手柄と思って勝ち誇っていたホッシーワの横にナマケルダとオレスキーが現れます。その時の、焦った彼女の表情は上手いと思いました。
 さらに、その後の、「オレ様の地位を狙っているのか!」「オレ様のチーズなんか狙ってないわよ」「どうでもいいですが、逃げましたぞ。プリキュア」という掛け合いも、三人の面白さが存分に活きている会話で、楽しめました。

 そこからまた闘いとなります。この幻影帝国ではプリキュアの力はほとんど発揮できない、という設定があるため、サイアークはもちろん、チョイアークに対しても三人は苦戦を強いられます。
 フォームチェンジや、大森ゆうこの必殺技が炸裂しても、相手は平然と立ち上がってくるのです。
 結局、そのまま何とか逃げて闘いは終わり、となりました。
 「幻影帝国でのパワーダウン」という設定を強調したいゆえだと思いますが、これには見ていて強い消化不良感がありました。
 そして、大使館に戻り、幻影帝国でのパワーダウンにも耐えうるくらい強くなると三人が決意し、話が終わりました。

 主題である「母の日」については、冒頭の愛乃家・相良家から楽しめました。また、続いて描かれた白雪ひめの葛藤並びにそれに気遣う愛乃めぐみ・大森ゆうこの息のあったフォローもうまいと思いました。
 しかしながら、まさかそこからほぼずっと戦闘(しかもプリキュアが負けたり逃げたりが中心)になってしまうとは夢にも思いませんでした。
 その代わりに、白雪ひめと母親の想い出を回想で入れたり、大森家の母の日描写を描いたりしていたら、非常に面白い話になっていたのでは、と思いました。それゆえの残念感が少なからずあった話でした。
 途中で描かれた白雪ひめが母親に語りかける描写も良かっただけに、よりそのような残念感が強く残る話となってしまいました。

 次回は、増子美代がメインの話になるようです。
 「5」シリーズで、増子美香に突撃された五人の話がありましたが、それのオマージュになるのでしょうか。
 また、予告では、キュアフォーチュンの笑顔も描かれていました。あれは「以外な一面」なのでしょうかか「TV向け営業スマイル」なのでしょうか。
 そのあたりも含め、どのような話になるか楽しみです。