愛乃めぐみの率直な優しさが主題になっていた話でした。また、脇を固める役回りとなった、白雪ひめの気遣い並びに、奇妙な言動が、いい形で噛み合っていました。
これまで、白雪ひめの強烈な個性と対照的に、愛乃めぐみというキャラが今ひとつ伝わってこない部分がありました。それがよく伝わると同時に、その描き方に感心させられた話でもありました。
冒頭、まだ大森ゆうこと話す際に緊張する、白雪ひめが描かれます。しかしながら、ハニーキャンディーを出されると、猫みたいな表情になって食べ、それを機に、完全に打ち解けた感じでした。
前回の相良誠司との打ち解けぶりや、この後出てくる、プロポーズ青年や愛乃かおりとの初対面の描写を見ると、もしかして、実は一番緊張するのは同世代の女の子なのかも、と思いました。
その日の放課後、愛乃めぐみは白雪ひめを自宅に招待します。すると、白雪ひめは「友達の家に呼ばれるの初めて」と喜び、改めて、これまで友達が一人もいなかった事が解りました。
王女という宿命もあるのでしょうが、改めて、彼女が過ごしたこれまでの14年間はどのようなものだったのだろうか、と考えさせられました。
で、マンションに向かうわけですが、土手を歩いていると、愛乃めぐみはいきなり空き缶を見つけ、拾います。ここでは、拾う仕草を見た時、当然のように「お金?」と尋ねた、白雪ひめの絶妙なボケが強く印象に残りました。
さらに、ポイ捨てをした少年を見つけ、注意しますが、無視されます。
すると、それを見て白雪ひめが怒り、婦警に変装してこらしめます。
それをきっかけに、二人は変装能力をフル稼働させて社会貢献活動を始めました。怪我した犬を見つけたら看護師に変身して治療し、迷子の子どもを見つけたら、前々回使ったローラースケートで親を探す、といった具合です。
このへんで、白雪ひめは露骨に疲れたと言いますが、愛乃めぐみはそれに気づかず、物陰で女性を覗き見している男性を見ていました。
一瞬、ストーカーかと思われましたが、実は、プロポーズを切り出せなくて悩んでいる青年でした。
すると、ここでも愛乃めぐみは人助けを発動し、花売りに変装します。そして、白雪ひめの「女子って花を貰うと嬉しいんだよ」というアドバイスを受け、青年はそこで買った花束で、見事プロポーズに成功しました。
この青年に対し、白雪ひめは人見知りすることは一切ありませんでした。前回の話もあわせると、どうやら、成人男性相手には人見知りすることがないようです。
ここで余談を二つほど。このプロポーズに使われた花束が黄色いバラだったのを見た時は、「銀英伝」のミッターマイヤーを思い出したりしました。
あと、見ていた時には、「中学生の助けを借りなければプロポーズできないなんて情けない男だ」と思っていたのですが、冷静に思い出してみたら、自分も似たような状況の時、当時高校生だった妹に、同じようなアドバイスを受けた事を思い出し、人の事を言えた立場ではないな、と思い直しました。
閑話休題、マンションに向かう道すがら、白雪ひめは「人助けって、面倒くさくない?」と尋ねます。すると、愛乃めぐみは、驚いたように「え、面倒くさくないよ。みんなの笑顔が見られるから」と答えます。
それに対し、白雪ひめが「私はお腹すきすぎて不幸な感じ」とすねます。すると、愛乃めぐみは即座に肩を掴み、「ハピネス注入」をやりました。
すると、白雪ひめは目を閉じて「幸せ34%ぐらいアップしたかも」と嬉しそうな笑顔を浮かべました。
そこに大森ゆうこが現れます。弁当の宅配中という話を聞くと、白雪ひめは抱きついてねだりました。人見知りはするもの、一旦それがなくなったら、一気に距離を近づける、という性格なのでしょう。
家に着き、白雪ひめは愛乃かおりに緊張して挨拶します。すると、愛乃かおりは、その容姿をべた褒めします。これで一気に白雪ひめの緊張は解けました。
そして、ついに念願のパンケーキが食卓に上がりました。ところが、食べる直前に愛乃かおりは、「何か忘れているものがない?」と尋ねます。
愛乃めぐみが気づくと、自家製ジャムを取り出しました。瓶に貼ってあるラベルには、自画像が入っています。前々回でもありましたが、独特の子供っぽさを持っているようです。
その帰り道、白雪ひめは、自分の両親並びにブルースカイ王国民が閉じ込められている話をしました。それを聞いた愛乃めぐみが心配そうに駆け寄ると、やや寂しそうな笑顔を見せ、「わたしも食べたくなっちゃったな。お母さんの手料理」と言いました。この、寂しいながらも、愛乃めぐみにつらい思いをさせたくない、という気遣いがこもった笑顔は印象に残りました。
すると、愛乃めぐみは、両手で白雪ひめの手を掴み、「カードを集めて願いを叶えよう!」と言います。
それを聞いて、嬉しい笑顔に変わった白雪ひめが、「めぐみは?」と尋ねます。すると、愛乃めぐみは、母親が実は病弱であることを明かし、彼女を治す事が願いだと明かしました。
第1話などで、明示はされていませんでしたが、それを匂わせる描写がありました。この設定の仕方も、上手いと思いました。
お互いの家族に関する事を知った二人は、改めて、カードを集めることを誓い、互いに元気づけ合っていました。
一方、幻影帝国では、ナマケルダとホッシーワがクイーンミラージュの前で報告をさせられていました。そして、ディープミラーの進言で、愛乃めぐみの人助け性格を利用する作戦が採用されます。
しかし、ナマケルダは面倒くさがり、それを聞いたホッシーワは自分が実行することを宣言していました。
一方、改めて白雪ひめは「めぐみはさ、何で人助けするの?」と尋ねます。すると、「お母さんが、みんなの笑顔が一番だから」と言ったから、と答えました。
それに対し、白雪ひめは「笑顔では、お腹いっぱいにならないし」と、王女らしからぬ、シビアなツッコミを入れていました。愛乃めぐみは、特に反論もせず、笑顔で「そうだよね」と答えていました。
そこに、変装したホッシーワがチョイアークに襲われながら現れます。ただ、その表情は全然恐れているように見えず、怪しさ大爆発でした。
しかし、愛乃めぐみは「ひめ、行くよ」と言います。白雪ひめとリボンはその怪しさに躊躇しますが、「とにかく、あの人を助けなきゃ」と言われ、微妙な表情ながら変身につきあいました。
そして、チョイアークを倒しますが、その時、ホッシーワが正体を現しました。さらに、愛乃めぐみの親切を、自己満足だとけなしました。
それを聞いた愛乃めぐみは、ちょっと寂しそうな表情を見せます。すると、白雪ひめが、「騙されるより騙す方が悪いに決まっているでしょ。それに、ラブリーは素直だからあっさりと騙されるだけだよ。お人好しで、ちょっとオカズで…」と言います。さらに、そこで言葉に詰まり、愛乃めぐみのほうを見ました。
この「ちょっとオカズ」の意味が分かりませんでした。自分が強烈な個性を持つメインキャラ=主食であるのに対し、愛乃めぐみはそれに比べると目立つ所が少ない副菜キャラだとでも言いたかったのでしょうか。
この褒めているのかけなしているのか分からないう「擁護」でしたが、愛乃めぐみは、白雪ひめに礼を言います。
さらに、ホッシーワに向き直り、「私はなぜ人助けをしたいか分からない。ただ、困っている人がいたら手を差し伸べたいだけなの」と言います。同時に、手を差し伸べ、「はー?」と呆れたような反応をしたホッシーワに笑顔を見せました。この描写は、強く印象に残りました。
その直後、ホッシーワはサイアークを地中から呼び出して、二人を捕まえます。ここで、逃れようとサイアークをポコポコと叩く、白雪ひめの描写は笑えました。細かい所でも色々と個性を描いています。
一方、ホッシーワは勝ち誇りながらも、「親切=自己満足」論を続けます。それに対し、愛乃めぐみは「そうかもしれない」と否定しませんでした。そして続けて「でも私は、助けてもらったり笑顔をもらったりした嬉しい気持ちをみんなにあげたい。それで損したり大変な目にあっても、みんなが幸せならそれでいいの」と言い放ちました。
それに対し、ホッシーワはサイアークの握る手を強めさせ、愛乃めぐみに「自己満足のために仲間まで巻き込んで…。あんたこそ自分勝手な人じゃない」と言いました。
それを聞いた愛乃めぐみは辛そうな顔をします。しかし、白雪ひめは「ラブリーは自分勝手なんかじゃない。わたしも、人助けなんかめんどくさいと思うけど。ラブリーと一緒にいると次から次へと大変だけど。何だかあったかい気持ちになるの。だから友達のこと悪く言わないでー!」と叫び、サイアークを振り払います。
すると、愛乃めぐみは「わたしも、プリンセスと一緒にいると、ほわっとした気持ちになるよ」と言いました。
ここから反撃開始となりますが、愛乃めぐみはは、ここで両手をメガネの形にし、「ラブリービーム!」と叫んで目から光線を出しました。それに続き、白雪ひめも「プリンセス爆弾ボンバー」を放ちました。和訳すると「爆弾爆撃手」です。
この奇妙な光線と、奇妙な名前の技も、心に残りました。
そして、愛乃めぐみのピンキーラブシュートでトドメを刺しました。
敗れたホッシーワは「人の笑顔なんかお腹の足しにならないのよ」と先ほどの白雪ひめと同じ趣旨の言葉を捨て台詞として去って行きました。
闘いが終わり、愛乃めぐみは改めてお礼を言い、二人の友情は更に深まります。
そして、リボンがカードを出すのですが、今回は、人助けのおかげで、より多くのカードが出ました。
それを伝えられた愛乃めぐみは「情けは人のためならず、だね」と言います。
それを聞いた白雪ひめが「情けって人のためにならないの?」とよくされる誤解をします。
しかし正しい意味をリボンに説明されると、笑顔でその言葉を繰り返し、「めぐみ、人の笑顔っていいね」と言います。
遠くでそれをキュアフォーチュンが怒ったような表情で見ていますが、二人共それに気づかず、笑顔で夕暮れの橋の上を走る、というところで話は終わりました。
愛乃めぐみの台詞と表情から、深い想いがと純粋な心が非常によく伝わってきた話でした。そのため、彼女が繰り広げる「人助け」に感心させられました。
特に凄いと思ったのは、ホッシーワの批判に対する反応でした。普通、こういう時にプリキュアは、相手の言うことを全否定します。
ところが、愛乃めぐみは、彼女の言うことに正面から向き合っていました。途中、微笑みかける事すらありました。
つまり、前半で困っている人達に見せたのと、同じ心でホッシーワに接しているわけです。自分の生き方を否定されているにも関わらず、彼女にも笑顔になってほしいという意思が伝わってきました。
それには、病に苦しみながら、娘に気遣わせないよう元気づける、母親の影響もあるのでしょう。そのあたりも合わせ、非常に印象に残った描き方でした。
一方で、白雪ひめも独特の個性を出していました。謎の「オカズ」発言をはじめ、本当に奇妙かつ不思議なキャラです。
そうやって自己主張しながらも、うまく脇にまわって愛乃めぐみを引き立てていた、という位置づけも上手いと思いました。
次回はリボンがメインの話のようです、彼女がどのように描かれるか、楽しみです。
また、サイトによると、次回OPに出てくる歴代プリキュアは舞とのことでした。したがって、正座して待機する予定です。