衝撃的なオチが早くも色々なところで話題になっています。
ただ、自分的には、「ほむらの願いを叶えるために『神』をこの世に戻すには、確かに、これしかないな」と思いました。
事前には想像もつきませんでしたが、いざ描かれてみると、「これしかない絶対の設定に見える」といった感じです。
他にも、色々な「ぜひ見たかった場面」を見たり、「ぜひ聞きたかった会話」を楽しむこともできました。
ただ一方、一部描写の冗長さが気になり、TV版の濃密すぎる描き方との違いを感じた所もあった映画でした。
当初から、この映画は最低二回は見る予定でいました。
TVアニメでは第10話を見た後に第1話を見ると、最初に見た時と全然違う印象を持つ仕掛けになっていました。
同様の事が、この映画でもあると思っていたからです。
まずオープニングですが、TV版同様、ドロドロとした描写は基本的にはなく、楽しく笑い合ったりしていました。
ただ、二回目によく見たところ、ほむらだけが違う描かれ方をしていた事に気づきました。
話をおおまかに分けると、五人の魔法少女が日常のみならず、戦闘においても明るく楽しくほのぼのと暮らしている序盤部分、その世界の異常さに「気づいた」ほむらが謎解きを始め、色々あってマミさんと闘ったりする中盤部分、そして「真実」を自覚した、ほむらが目的を達成する終盤部分、となります。
まず序盤ですが、いきなり魔法少女姿のまどかから始まります。TV最終話との整合性が取れないため、いきなり驚いてしまいました。
さらに、さやかまで復活し、杏子・マミさんと四人で協力して闘います。
そして翌日、TV第1話で描かれた、「鹿目家の朝」がTVと同じように描かれます。違いといえば、仁美と早乙女先生の近況だけです。
続いて、朝の登校シーンとなります。まどかは、さやか、さらには見滝原中の制服を来ている杏子と会い、三人で登校します。さやかと杏子は終始じゃれあっていました。
学校につくと、早乙女先生がアレな内容の話を、かなりイッた表情で語っています。かなり奇妙な描写ですが、一回目に見た時は、この世界設定に対する違和感に毒気を抜かれてしまい、あまり奇妙に感じませんでした。
そして、中澤くんを指名して困らせたあと、転校生の紹介をします。
そこに入ってきたのは、眼鏡をかけた、ほむらでした。緊張せずに自己紹介をした後、まどか達に分かるように、ソウルジェムを見せます。
結果から言えば、この序盤部分は、ほむらが作り上げた世界です。その中に、杏子やマミさん、さらには仁美・早乙女先生・鹿目一家を引き込まれた、という形になっています。
さらには、神になった、まどか、及びその「使い魔?」となった、さやかとべべ(TVでのシャルロッテ)が加わり、この世界を構成している、という設定でした。
その「造物主」である、ほむらが、この世界における自分の設定をこの「魔法少女になりたての時」としたのは、この時の世界が一番幸せな想い出だったからなのだろうか、と思いました。
また、見滝原に転校したことを、マミさんにだけ伝えていた、というのも、その時の世界における二人の関係を思い出させるものがありました。
その世界ですが、魔法少女たちは五人とも仲良く暮らしています。特に杏子は、さやかの家に居候しているという設定があるので、たいてい、二人一緒に行動していました。
そして、ナイトメアを確認すると、五人がそれぞれ変身します。この変身シーンは異空間的な描かれ方をしていました。「本来の世界と違う」という事を示すためなのでしょうか。
ただ、どうせここまで「幸せな魔法少女たち」をやるなら、変身シーンも明るく可愛いものにすればいいのに、とも思いました。さやかと杏子が「ハトプリ」の、つぼみとえりかみたいな変身をやるところなど、見てみたかったものです。
それはともかく、変身後も、五人揃ってポーズを取り、チーム名を唱和する、という「魔法少女まどか☆マギカ」らしからぬ行為をしていました。
さらに、魔法少女としての戦闘もほのぼのしています。この世界での闘う相手は「ナイトメア」といい、個人の負の感情が怪物化したものとなっています。
ここでは、恭介に構ってもらえない仁美がナイトメア化して街を襲います。
その、ナイトメア化した仁美を見た、さやかが、「恭介とつきあっていると…」などと仁美の怒りも無理もない、という発言をし、杏子に「お前が言うと説得力があるな」と返されます。
これを聞いた時は、TVの最後で言った「もう一度、あいつのバイオリンが聞きたかっただけだし」というのが、自分を納得させるための強がりでなく、本心であった事がわかりました。この時は、心が安らぎました。
闘いのほうですが、最初は、TV同様、通常の武器を使います。そこにおいても、TVの第3話でマミさんが夢見ていた、まどかとの「魔法少女コンビ」で攻撃したり、さやかと杏子が絶妙な連携を見せたりしていました。
それらの攻撃で、ナイトメアをテーブルの上に追い込みます。そこからの「トドメ」がこれまた、ほのぼのしていました。五人がテーブルの片隅に座って、フルーツバスケットみたいな事を始めます。
そして、最後の食べ物を言い終わると、べべが、TVで「マミった」時の二段変身を見せ、ナイトメアを食べ(?)ます。それにより、救済が完了し、さやかに抱かれたナイトメアは、仁美に戻りました。
闘いが終わると、変身を解いた五人は雑談を始めます。そして、最後はマミさんの家でケーキを食べながら反省会、という流れになっていました。
他にも、夜の公園で、ほむらとまどかが幸せな会話をする、などという描写もありました。
ここまでは、「魔法少女まどか☆マギカ」キャラで、プリキュアみたいな戦闘をやっている、という感じでした。
ただ、一回目に見た時は、「この描写は幸せそうだが、絶対に裏には何かある」という思いが強く、ほのぼのした場面も、不安をおぼえながら見ていました。
逆に、全ての設定がわかっている状態で見た二回目は、「後の事はともかく、この場面が幸せならそれでいいや」と割りきって見ることができました。
あとついでに、この設定を使って、プリキュアみたいな話を一年間やってみてほしいものだ、と強く思ったりもしました。
しかし、そのような幸せな時間は、ほむらに記憶が戻ってしまうことによって終わりを告げます。
ここが自分が本来いる世界と違うことに気づいた、ほむらは、まず杏子を呼び出します。そして、杏子の故郷である隣町の風見野市に二人でバスで行こうとします。
しかし、バスは市境越えることができません。これにより、今、ほむら達がいる世界が、見滝原で閉じられた空間である事が判明します。
このあたりから、異空間的でシュールっぽい描写が増え、同時に、流れが冗長になってきました。
異常であることを確信した、ほむらは、眼鏡を外して三つ編みも解きます。その足で、マミさんの家に行きます。まどかも来ていますが、二人とも、ほむらの変貌の事は何も言いません。
そこで、マミさんは、べべとの絆について話します。それにより、ほむらは自分の立てた仮説を確信します。
それを証明するため、新しいお茶を持ってきてくれるよう頼まれたマミさんが部屋から出て行った直後に時間を止めます。そして「犯人」だと思い込んだべべを拉致し、自白を強要します。しかしながら、べべは、戸惑っています。
なんか、冤罪事件の取り調べを見ているような感じでした。
そこに、マミさんがべべを救いに現れます。どうやら、ほむらにお茶を頼まれた時に何か裏があることに気づき、見えないようにほむらの足にリボンを巻き付け、自分の時間を止めるのを防いでいたようでした。
そして、べべを巡っての二人の闘いが始まりました。その中の会話で、マミさんも自分が闘っていたのは「ナイトメア」ではなく、「魔獣」である事を思い出しました。
この闘いにおける、ほむらの心境は今ひとつよく分かりませんでした。一度は、マミさんの頭を撃とうとし、逡巡したあと、狙いを足に切り替える、という描写がありました。それを見る限りだと、殺意があったが思いとどまった、という事なのでしょう。
ほむらはマミさんの姿を見失います。そこに現れたのは、さやかでした。
その、さやかの言動ですが、これまた、ほむらの記憶にある、さやかとは全然違います。というよりも、映画を見ていた人の記憶にある、さやかとも全然違いました。
そして、ほむらの疑念を全て悟っているような事を言います。さらに、絶望しかけたほむらが、時間移動で逃げようとすると、それを察して、剣で時間移動の盾を止めたりもしていました。
そのような「超さやか」である一方、攻撃の時に消火器を使うという、TV第1話を思い出させるような描写があった事も、印象に残りました。
この、中盤部分における、ほむらと、杏子・マミさん・さやかのからみは、三人の良さをそれぞれ描いていたと思いました。
ただ、その一方で、このあたりから、異空間的な描写が増えすぎて、話全体の濃度は、TVに比べると薄くなっているな、とも思いながら見ていました。
※終盤ならびに全体的な感想は、水曜日に書きます。土曜の夜にアップする予定です。