お笑い芸人さんとのタイアップ話でした。そのため、「芸人さん>プリキュア」という位置づけになっていました。率直に言って、プリキュアの枠でなく、芸人さんの番組枠でやってほしかった、と思った話でした。
というわけで、本シリーズでは初めて(そしておそらく最後)の、番組を楽しめた人には読まない事をお勧めする感想を書く事になりました。
一応、プリキュア側では、あかねがメインでした。そして、戦闘において、前々回で見せた、「炎のキック」をさらに進化した技を披露していました。そこからサニーファイヤーへのつなげ方も含め、その描き方には感心させられました。
あと、れいかが、芸人さんの持ちネタ披露を聞いて、何が面白いのかわからない、という反応を見せた事は、自分も同じ感想だったので、印象に残りました。
また、「出番」が終わった後、「お笑いの道は奥が深いですね」と、いつもの人生観に基づいた一言をつぶやいた描写も、彼女らしさを巧く描いていると思いました。あと、それに対して、律儀に反応する、なおも面白く、この会話は楽しむことができました。
ただ、それ以外の描写については、かなり違和感がありました。まず、漫才のネタに、修学旅行においての夜の会話を使った、というのは非常にひっかかりました。
あの時の会話が、みゆきが笑いを取ろうとしてのものだった、というのなら分かります。しかしながら、あの「告白」は彼女にとっての、偽りない「想い」でしょう。
それを茶化すようなネタ作りをする、というのは、これまで、みゆきの事を色々な形で気遣ってきた、あかねがする事とは思えませんでした。
同様に、舞台の上で、その時の話の内容を皆の前で話した、れいかの描写にも違和感がありました。確かに、やや天然な所がある人ですが、そういう秘密の話を他人にしていいかどうか、という分別がないとは思えません。
もう一つ強くひっかかったのは、五人で舞台に上がった時のユニット名「ゴプリキュア」でした。確かに、日頃から彼女たちの秘密保持能力には「?」がつく場面は多々あります。とはいえ、何も人前で「プリキュア」とわざわざ名乗る事はないでしょう。
修学旅行の「夜の秘密話」も、決めポーズ模索の際の「ゴプリキュア」も、非常に面白い描写でした。それをこのような形で使うのは、ある意味「蛇足」の典型例みたいなものだ、と思いました。
あと、これは、前回のタイアップ話の時にも書きましたが、「笑わせる」と「笑われる」は違います。当然、今回も、「ゴプリキュア」のギャグは「笑われる」でした。にも関わらず、観客が笑ったからめでたしめでたし、というのも、何か違うのでは、と思いました。
そういう事もあり、残念ながら本シリーズの中で一番楽しめなかった話になってしまいました。
もっとも、冒頭に書いたように、この話の「主題」は芸人さんを目立たせる事で、みゆき達の描写は二の次三の次です。その「主題」においては、スタッフの方々はきっちり仕事をされていたと思いました。商業作品である以上、このような話ができてしまうのも仕方ないでしょう。
あと、その「主題」のほうで、一つ印象に残った事がありました。芸人さんが持ちネタを披露するのですが、その中に、「ふんぞり返って謝る」というのがありました。これは、30年ほど前に描かれた、「うる星やつら」で、面堂終太郎がやったものと同じです。
このネタは一回きりの「軽いギャグ」でした。それが30年後に、人気お笑い芸人さんが代表的な持ちネタとして使っているわけです。そのため、改めて高橋留美子先生の凄さ、というものを再認識させられました。
さて次回は、運動会に五人でリレーに出る、という話です。予告を見る限り、なおが主役で、やよいが準主役、という位置づけのようです。運動能力に自信のない、やよいを、なおが勇気づける、という展開になるのでしょうか。
本シリーズの特徴として、元々の運動能力の違いが、変身後の戦闘能力に反映する、というものがあります。そのあたりとも、うまくリンクするのかもしれません。
「プリキュア」シリーズにおける芸能人タイアップ話には、一つだけいい事があります。それは、その次の話が非常に面白くなる、という事です。
その「前例」に加え、色々な意味で興味深い題材を主題としています。というわけで、今から大いに楽しみにしています。