れいかが「プチ自分探し」をした話でした。みゆきの何気ない一言がきっかけで、日常生活・学校生活・プリキュアとも、自分の意志で初めていないと、れいかは思い悩みます。そして、祖父・曾太郎の助言などを受け、「完全休養」に入り、プリキュア達四人の部活・趣味・生活を見ます。その結果、自分の「道」を再認識する、という話でした。
冒頭、中間試験の成績が悪かった、みゆき・あかね・やよい・なおが、屋上で溜息をつくところから始まります。。あかねは英語が、やよいは数学が、なおは歴史が、そして、みゆきは全教科苦手、という事でした。
そこに、今回も学年一位だった、れいかが現れ、「みなさんも、ちゃんと勉強すれば次回は大丈夫ですよ」と言います。
しかし、皆には、れいかは頭がいいから、としか思えません。そして、みゆきが何気なく言った「どうして勉強しなくちゃいけないの?」と尋ねます。れいかは即座に、「将来困るからです」と答えますが、あかね・やよいは事例を挙げて反論しました。さらに、みゆきは「何で、れいかちゃんはそんなに勉強するの?」と尋ねます。
その問いに、れいかは、一瞬驚き、続いて困った表情になりました。
翌朝、れいかは鶏の声にあわせて起床します。部屋は、純和風といった趣でです。そして、庭には池がありました。かなりの豪邸のようです。
そして、白いジャージに着替えて兄・淳之介とランニングします。そして、戻ると制服に着替え、エプロンを羽織って、母・静子の朝食作りを手伝いました。
それが終わると、今日の授業の予習を始めました。筆記用具はカッターで手削りした鉛筆です。完璧すぎる朝の過ごし方と言えるでしょう。
しかしながら、れいかは昨日の事が頭から離れません。そこで、朝の書道を終えたばかりの、祖父・會太郎に、相談に行きました。れいかにとって、勉強はもちろんですが、生徒会副会長も、弓道部も、プリキュアも全て他人に言われたり誘われたりして始めたものです。
そのため、いったい、自分のやりたいことは何なのか、という悩みが生じたとのことでした。それを、「自分の『道』はどこにあるのか、分からなくなって」というのが、れいからしいと言えるでしょう。
それに対する、會太郎の答えは、「ならば全てやめてみればよい。やめて見える事もある」というものでした。
それを受けた、れいかは、生徒会・弓道部・プリキュアの面々を集め、「生徒会も弓道部も勉強もプリキュアも辞める」と宣言します。「プリキュア」と言った時に、慌てて四人がごまかす、という一幕もありました。
皆は驚き、止めようとしますが、れいかの意志は変わりません。するとそこに、なおがれいかの隣に立ち、「みんな、れいかは頑張り屋で責任感が強い、という事はよく知ってるよね。ちょっと頑張りすぎたのかも。どうかな、れいかにちょっと休んでもらわない?」と言います。
そして、皆が同意すると、れいかに「ちょっと休んで、自分のやりたい事をゆっくり考えなよ」と言います。それを聞いた、れいかは嬉しそうに「はい」と言っていました。
このタイミング・「引退」を「休養」にうまく収めるまとめ方・れいかが何に悩んでこんな事をしたのかにすぐ気づいた、というのはいずれも絶妙でした。長年の付き合いによって、なおが、れいかの為人をよく理解している、という事が上手く描かれていると思いました。
翌朝、いつものように、れいかがランニングや家事をしようとします。しかし、淳之介も、静子も、「自分のやりたい事をやりなさい」と言いました。
それが見つからない、れいかは考え込みます。そして、その日の昼休み、五人で弁当を食べていると、れいかは皆に、放課後を一緒に過ごさせてほしい、と頼みました。
そしてまず、みゆきと一緒に図書館に行きます。童話を読む、みゆきは、話に合わせて嬉しそうになったり、泣いたり、笑ったりと表情豊かです。それを見た、れいかは、これを初めて読んだのですか?と尋ねます。
そして、みゆきが何度も読んでいる、と答えると、「知っている話を何故読み返すのですか?」と不思議そうに言いました。
それに対する、みゆきの答えは、「何回読んでも面白んもん」というものでした。
次に、あかねの部活を見学します。あかねはコートの外にいますが、他の部員同様、コートで練習中の部員に声援を送っていました。れいかは、それを見て、「なぜ、自分の出番でなくても応援するのですか?」と尋ねました。
それに対する、あかねの答えは、「バレーで一番大切なのはチームワークや。だから、お互い応援しあって、気持ちを一つにするんや」というものでした。
続いて、教室に戻り、やよいと一緒に絵を描きます。やよいは、れいかには気にならないような、細かい表情描写について、真剣に考えていました。
最後に、河原に行き、走り回る弟妹を見守っている、なおの隣に座ります。すると、小さい弟の、ゆうたが転んで、泣き出します。それを見た、れいかは駆け寄って助けようとしますが、なおはそれを止めました。
そして、ゆうたに、「自分で立てるでしょ」と言います。それを聞いた、ゆうたが立ち上がると、褒めました。
ひと通り見たあと、れいかはキャンディと湖畔で二人で話しました。れいかは、「皆、やりたい事を一生懸命にやってすごいです。それに比べて私は・・・」と言います。それに対し、キャンディは、「れいかもすごいクル」と言い、教室や弓道で頑張っている、れいかは楽しそうだ、と言います。
それを聞いた、れいかは、ハッとしたような表情になりました。
その頃、バッドエンド王国では、ジョーカーがアカオーニに大量の資料を渡していました。これを読んで、プリキュアの弱点を研究しろ、という指令です。
しかし、アカオーニは、ちょっと読んだだけで理解不能に陥りました。そして、「プリキュアを倒せばいいんだオニ」と言って出撃します。
そして、勉強を楽しんでいる子供を見て腹を立て、バッドエンドを発動します。
れいかの異変が、先日の会話にあるのでは、と気づいた四人は悩みます。
一方、湖畔にいた、れいか達もその気配に気づき、キャンディは現場に向かいます。れいかも後を追おうとしますが、昨日、なおが言った「ちょっと休んだら」という言葉を思い出し、悩みつつもその場にとどまりました。
そして、アカオーニは子供が持っていた問題集を赤っ鼻でアカンベーにします。このアカンベーの能力は、問題を出し、答えられないと、巨大な「×」に封じ込める、というものでした。
あかね・やよい・なおは、いずれも苦手な科目の問題を出され、封じ込められます。続いて、みゆきには得意なはずの国語系が問題となりますが、これも思い切り間違え、封じ込められてしまいました。
するとそこに、れいかが現れます。アカオーニが「何で今頃、道にでも迷ったのかオニ?」と言うと、れいかは「ええ。確かに私は迷いました。私の本当の道は何なのかと。しかし、ここには私の意志で来ました」と言い、変身しました。
そして、アカンベーが出した問題を次々と答えていきます。
その答えっぷりに驚いたアカオーニが「なぜ全部わかるオニ?」と尋ねます。すると、れいかは「私にもわからない事がいっぱいあります」と言います。続いて、昨日、四人と過ごした経験から自分が学んだ事を語りました。
続けて、「自分のやりたいことはまだ分かりません。でも、みなさんと一緒にいて分かったのです。もっといろいろなことを見たい・聞きたい・知りたい。そして、いつか自分のやりたい事を見つけたい」と言いました。
訳が分からなくなっているアカオーニは、最強技での攻撃を命じます。すると、アカンベーは、高村光太郎の詩「道程」の冒頭部分を述べよ、という問題を出しました。
それに対し、れいかは気持ちを込めて、「僕の前には道はない。僕の後には道が出来る」と答えました。そして、「やりたい事を見つけるために、これからも色々な事を学び続けます。それが私の『道』なんです」と言い、ビューティーブリザードでアカンベーを撃退しました。
闘いが終わると、れいかは、四人に対し、「勉強をする事により、今やっている好きな事がより楽しくなる」と、それぞれの好きなことと苦手科目を絡めて話します。それに
よって、冒頭の問である、「なんで勉強をしなければならないのか」について、皆は納得しました。
そして、皆で笑い合い、話は終わりました。
今回、戦闘においては久々の「メインキャラを目立たせるために、他のキャラはあっさり動きを封じられる」というパターンでした。前回は、みゆき話でしたが、戦闘シーンにおいて、五人の良さが存分に描かれていました。それだけに、この描き方は少々残念でした。
しかしながら、主題であった、れいかについては、非常に精緻にできていたと思いました。それこそ、鉛筆一本までにも、「れいからしさ」が描かれていたと思いました。
また、話のきっかけである「なぜ勉強するのか?」という問いへの対処も面白いと思いました。
その問いを発した、みゆき達四人に対しては、れいかはきちんと回答し、納得させます。しかしながら、その問いがきっかけで、れいかが持った「これまで、自らの意志で何もしていなかったのでは?」については、明確な答えが出ていません。ついでに言えば、「全てを辞めた」という今回の騒動自体も、會太郎の命令であり、れいかの意思によるものではありません。
結局、「やりたい事」も見つからず、「どうして勉強するか」の問いについても、四人に対しては答えられたものの、自分に対しての明確な答えは出ませんでした。
しかしながら、その事実に対し、「これからも色々と学び続ける。それが私の『道』なんです」と、真正面から向きあっています。
この真摯さに、れいかの為人が伝わってきました。この真っ直ぐさが、「プリキュアになったら、『道』の掛け軸を用意し、富士山の頂上を秘密基地にしようと提案する」や「母の日の陶芸をつくるために、ふしぎ図書館に畳を持ち込む」などという、一見奇妙とも思える言動とつながっているのでしょう。
また、ちょっと違う考え方なのですが、れいかが気づいてないだけで、既にやりたい事を見つけ、それを実践しているのでは、とも思いました。それとは、「自分の道を進むこと」なわけです。このあたり、自分でもうまく解釈がまとまりません。
その複雑さ・深さも含め、れいかというキャラの真摯さ・一途さを興味深く描いた話だと思いました。
他の四人は、脇に回った感じでした。ただ、れいかが引退宣言をした際に、なおが見せたフォローおよび洞察は、長年培われてきたこの二人ならではの友情を巧く描いていたと思いました。
ところで、話は変わりますが、EDを見た時、原画担当が一人しかいなかった事に驚きました。前回もかなり少なかったのですが、一人というのは初めて見ました。東映アニメーションの中で何か問題でも発生しているのでは、としょう少心配になりました。
次回は、お笑いタレントとのタイアップ話です。過去のシリーズで同じようなタイアップが何度かありました。そのたびに、以降、タイアップで出てきたタレントの名前や顔をTVなどで見ると、不愉快な気分になるようになってしまいました。
できることならば、次回はそのような話にならないでほしいものだ、と思ってはいますが・・・。