Suite第48話

 「宇宙戦艦・調べの館」でギターを爪弾くエレンの描写から始まりました。続いて、響がカップケーキを持ってきて皆に配りますが、三人は、お礼は言うものの、うかない顔で食べています。
 ちなみに、カップケーキやエレンのギターが石化していないのは、クリスマスの襲撃に於いて、音吉パイプオルガンのバリアの圏内に入っていたから、という説明台詞がありました。
 他に山ほど、不可解な設定・筋立てがあるわけです。にも関わらず、こんな些事の設定を回想までつけて説明する、というのは何かのギャグなのだろうか、と思いました。
 一方、ハミィはピアノの上で眠っていました。ノイズ消滅後、同じく体内にいたトリオ・ザ・マイナーは石になって落ちてきましたが、ハミィは音符の力により石化は免れたようでした。しかし、途中で意識を失い、そのまま寝ているとのことです。

 そのハミィを皆が心配する中、フェアリートーンはエレンに幸せの歌を唄わないかと促します。しかし、エレンは唄うのはハミィと拒否しました。
 しかし、響に促され、ハミィの目を覚まさせるために、という事で響の提案により、エレンが弾き語りを始めます。
 そしてエレンが歌い出しますが、ハミィは眠ったままでした。それを聞きながら、響は、目を閉じて前話でのノイズの正体告白を思い出し、それを聞いたハミィが自分と同じ気持ちになったんだね、と心の中で呼びかけていました。
 そして目を開けると、なぜかそこはお花畑で、ハミィが走り回っていました。そこには、奏・エレン・アコもいます。なぜだか知りませんが、エレンの歌がきっかけで、ハミィが見ている夢の世界に入ったとのことでした。
 エレンは歌い続けますが、ハミィは気づかず、四人を探しています。しかし、それにあわせて、響・奏・アコが歌いだすと、ハミィは四人に気づき、意識が戻りました。
 そして、石になっているアフロディーテ達の前で、ハミィは幸せのメロディを唄う準備を始めました。すると、エレンが明るいノリで「頑張ってー」と声をかけました。三人はそれを驚いたように見て、響は「そんな明るいノリなの?」と尋ねます。しかし、続いてみせたエレンの真剣な表情を見て、黙ってしまいました。
 続いて、いよいよ幸せのメロディをハミィが唄いました。すると、アフロディーテを始め、皆が元の姿に戻りました。
 トリオ・ザ・マイナーも、かつての「三銃士」の姿に戻っています。それに喜ぶと同時に、エレンの姿を見ると、「セイレーン!」と三人揃って飛びついてきました。下敷きにされたエレンは口の中にセイレーンを出して、「重いわ!」と言い、さらに三人が声をかけると、懐かしの「やっかましいわ!」を披露しました。
 そして、王宮での「プリキュア感謝祭+送別会」が始まりました。ハッピーエンドに沸き返る中、婿イビリをしていた音吉が印象に残りました。
 「宇宙戦艦・調べの館」が加音町に戻り、四人が外に出ると、そこには元に戻った町民たちがいました。皆、ファルセットの襲撃までは記憶が残っています。しかし、「怖い思いをしたはずなのに、なぜか清々しい気持ち」と言っていました。石になった状態で幸せのメロディを聞き、その印象が心に残っているようです。
 そんな中、団とマリアだけは、幸せのメロディを記憶していました。どうやら、音楽の能力が一定以上ある人に限り、石になっていても記憶力が働く、という設定のようです。
 そして、皆を送り出した後、四人は調べの館に残りました。不思議に思う音吉の問いに答えないまま、ハミィにお礼を言ったりしています。
 しばらくすると、ノイズの鳴き声が聞こえます。音吉は険しい顔をしましたが、四人は嬉しそうに駆け寄ります。
 そこには「白いピーちゃん」がいました。音吉は「あれはノイズじゃぞ」と言いますが、無視されます。そして、クレッシェンドトーンに、「プリキュアは私たちの想像以上の成長を遂げたようですね」などと言われていました。
 そして、響が「私たちはまだまだ変われる。新しい明日に向かって変身するのよ」と言い、変身シーンの冒頭が描かれました。
 そこから、変身テーマをBGMにした後日談となりました。スイーツ部でお菓子を作る奏・弾き語りをするエレンと脇にいるハミィ・奏太および他の友達と一緒に下校するアコの笑顔が描かれます。
 最後に、団にピアノの指導を受け、その後、皆が聞いている中で、ピアノを演奏する響が描かれました。
 その後、変身し終わった四人の決めポーズと決め台詞で、終了となりました。

 ラス前で敵を撃破、という前回の流れから、ほぼ一話使っての後日談、というのを期待していました。しかし、結局ののところ、例年前半部にやっていた最終決戦が、丸々ハミィ復活の儀式に置き換わっただけでした。
 さらにその後に「メイジャーランドお別れ会」をやったため、むしろ後日談に当たる部分は、過去シリーズより短くなってしまいました。
 この最終回において、響は主役としての言動、エレンはハミィの親友かつトリオ・ザ・マイナーの元上司描写、アコは家族描写に加え、友達を増やせられるように成長した姿がそれぞれ描かれています。
 その一方で、奏はほとんどモブキャラみたいな扱いでした。後日談も、回想を流用したような部活の一こまだけです。
 せっかく、冒頭でカップケーキを出したわけです。ならば、「ハミィを戻す」儀式に、好物であるカップケーキを使うような描写を入れる事もできなかったのでしょうか。また、戻ってきた場面でも、皆と一緒に喜びながらも、本能的に肉球を触る、くらいの描写もできたはずです。そのような奏のキャラクターを一切描けない最終回となってしまったわけです。
 この類の事は、このシリーズでは何度もありました。色々なキャラの設定を作りながら、それが中途半端かつ、しばしば忘れ去られるのです。
 特に奏は、一見理知的な優等生キャラであるにも関わらず、肉球好きや、王子の事を考えだすとあっちの世界に行ってしまう、みたいなユニークな設定がありました。しかしながら、それを活かし続ける事はできませんでした。
 敵キャラのほうも、最初の頃は面白く作られていました。怒るセイレーンがファルセットの頭髪をむしる場面や、勝ち誇りながら学校の体育館でスキヤキパーティーをやり、さらにそこで肉を取り合った描写などは、かなり印象に残っています。
 ところが、途中から出てきた洗脳設定により、敵キャラはコロコロと人格が変わるようになってしまいました。肝心な所で「洗脳された」「洗脳が解けた」で動くわけですから、キャラの特性などどうでも良くなってしまいます。
 その象徴が序盤でのセイレーンでしょう。最初は、色々と彼女のキャラを色々作っていました。「北条サクラ」に化けた話などでは、彼女の複雑な内面を上手く描いていたと思います。その一方で、ハミィとの思い出や、王子への想いなどで、「キュアビートフラグ」を作っており、興味深く見ていました。ところが、これらは全て洗脳一発で全てご破算になってしまいました。
 初期設定は、響と奏の喧嘩および、何かの度にセイレーンの変身能力で話を作ってしまう事などは、見ていて疲れましたが、代わりに色々といい所もありました。そのため、喧嘩パターンが収まったあたりでは、これから段々と面白くなっていくような雰囲気もありました。
 しかし、キュアビート誕生以降あたりからは、キャラクター・設定・話の流れのいずれも、いきあたりばったりになってしまったように思えます。特に、一部の製作者における、キャラクターへの愛情の薄さを何度も感じさせられました。
 その象徴は、何の伏線もなくファルセットが変貌した後の敵側でした。バスドラ・バリトンはもちろん、ファルセットに関しても、見ていて痛々しくなるような場面が日常化していました。
 シリーズ構成をはじめ、もっときちんとした人選をしていれば、このキャラおよび世界設定で十分に面白い話が作れていたのでは、と思います。そのような勿体なさを最後まで感じてしまったシリーズとなってしまったのは、本当に残念なことでした。

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