いきなり、セイレーンが奏に化けて、響に喧嘩を売る、という場面から始まります。まったくもって意味不明の事を言うニセ奏に怒った響は、その後、教室で本物の奏に対し、怒りをぶつけ、喧嘩になります。
そこに担任教師が現れ、二人が校内の「ベストフレンド大賞」に選ばれた事を告げました。この学校の伝統行事みたいなものらしく、選ばれた二人は数日後に行われる表彰式でピアノの連弾をする事になりました。
しかしながら、喧嘩状態の二人はそれどころではありません。それの様子を見ていたハミィは、二人に交換ステイを提案しました。唐突な提案に二人は呆れますが、ハミィの巧妙な口車に乗ってしまい、同意しました。
というわけで、響が南野家に、奏が北条家でそれぞれ一泊することになりました。南野夫妻は普通に響を歓迎し、「家が明るくなった」などと気遣います。そして、奏の作ったスケジュール表にあわせて響は生活するのですが、奏太の勉強を見たり、店の手伝いをしたり、とその忙しさに驚き、それをこなす奏の苦労を知りました。
一方、奏を迎えた団ですが、こちらは一切気遣いなどしません。いつも通り大音響で曲を流し、ドイツ語で話しかけていました。さらに、コンサートなどで忙しいという事で、せっかく奏が作った夕食も立ち食いで済ませてしまいます。さらに、ベストフレンド賞および記念の連弾も見れない、とのことでした。
そのようなこともあり、奏は部屋でハミィと遊びながら、響の孤独さを知りました。その後、ハミィの勧めもあり、響の母・まりあとテレビ電話で話し、表彰式の事を伝えます。
それらの、二人の一連の行動を、セイレーンとトリオ・ザ・マイナーは監視していました。そして、まりあの事を知ったセイレーンは、さらなる陰謀を計画します。
翌日、お互いの大変さを知った二人は、自然に仲直りします。そして、連弾をするために舞台にあがるのですが、その時、セイレーンがまりあに化け、響を傷つける事を言います。
すっかり動揺した響ですが、その時、客席から本物のまりあが声をかけます。響は元気を取り戻すとともに、昨日の「奏」もさきほどの「まりあ」もセイレーンのペンダントをつけていた事を思い出し、今更ながら、自分がセイレーンに騙され続けていた事に気づきました。
その直後、音符が現れて戦闘となります。二人は瞬殺とばかりに、いきなりアルペジオとピアチューレを放ちますが、あっさり防がれました。その強さを見て、奏は「ミューズが助けてくれれば」と弱音を言います。それに対し、響は「私たち、ベストフレンドだよ。交換ステイしてお互いの事、さらに分かり合えたんだよ」と元気づけます。そして、実は来ていたミューズも、ドドリーの口を塞ぎ、それを見ていました。
そして交換ステイの感想をいいあった二人は、「交換すればもっと強くなる」と言って、ベルティエを二つに分け、下半分を交換して「クロスロッド」にします。続いて新合体技の「ミュージックロンド・スーパーカルテット」を放ち、ネガトーンを撃退しました。
闘いが終わると、響はまりあの駆け寄り、抱きつきます。そして、急に来たことを驚く響に対し、昨日のテレビ電話で奏が伝えてくれた、と答えます。それを聞いた、響が、奏に感謝し、話は終わりました。
ベルティエの半分を交換して新技を出す、という発想は斬新だと思いました。また、その「交換」を響に思いつかせるために、交換ステイを行った事および、そこからふだん描かれない、それぞれの家族との関わりや対比を描いたのも面白いとは思いました。
ただ、率直に言って、今回は見ていて楽しい話ではありませんでした。それは、話の起点が「セイレーンの化けたニセ奏に、響があっさり騙される」という話の起点にあります。
セイレーンに騙されたのは今に始まった事ではありません。唐突に現れた「奏」に意味不明な事を言われて喧嘩を売られ、教室で声をかけた本物の奏が全然違う態度で声をかける、というのは、電話と直接の違いはあれ、一度やっています。したがって、教室で奏が声をかけた時点で、「先程のはセイレーンの変装だ」と気づかないとおかしいでしょう。
さらにセイレーンは、まりあに化け、普段のTV電話とは全く違う事を延々と言います。しかし、響はそれがまりあだと信じています。いくらなんでも、実の母親との区別がつかない、というのはありえないでしょう。また、「ニセまりあ」の口から出てくる言葉は、聞いていて気持ちのいいものではありませんでした。
この、「何にでも変身できる敵が、その能力を使ってトラブルを起こす」というのは、話を作る側にとって、非常に便利だという事は分かります。ただ、それを使い過ぎると、話の造りが安易になってしまいました。さらにその便利さに頼った結果、響が、母親と偽物の区別すらつかない人、として描かれてしまいました。
というわけで、すっきりしないままEDを見たところ、脚本にシリーズ構成の人の名前がありました。それを見たときは、「やはり・・・」と思ってしまいました。
ここのところ、初期の安易な「喧嘩と仲直り」ネタがなくなり、キャラの良さも出だして、話も面白くなっていました。それだけに、今回の話の構成にはげんなりさせられました。そして、シリーズ構成担当を替えるべきなのでは、と改めて思いました。
次回は、まりあが響と過ごす話とのことです。今回と違い、キャラに愛情がある話になることを期待したいものです。