放課後、響と奏が王子隊と出会うところから始まります。来る王子の誕生日に、奏の店である「ラッキー・スプーン」でサプライズパーティーを行う、という事を王子隊は提案します。
もちろん、奏は大喜びして同意しました。
なお、以前の放送では王子隊は四人いましたが、なぜかここでは三人しかいませんでした。そして、彼らの名前が明かされるのですが、それぞれ「博尺(はくしゃく)」「馬論(ばろん)」「無戸(ないと)」という名前です。
王子のお付きだから、「貴族」と「騎士」という事なのでしょう。とはいえ、いくらなんでもこの苗字は、と思いました。実際、響も「いつ聞いても凄い苗字・・・」とツッコミを入れていました。
あと、この話の後半に四人目として「岸」が出てきます。つまり、「騎士(ナイト)」が二人いるわけで、これは別の意味でバランスが取れないと思いました。
どうせなら、残る二人も「冬留守戸(フュルスト)」と「矢石(ししゃく)」とでもしておけば、より完璧だったのでは、と思いました。
閑話休題。大役を頼まれた、奏は喜んで両親に報告します。二人はちょうど定休日だからと快諾し、店の名前になった「ラッキー・スプーン」を二人で持ちます。それに対し、奏もスプーンを持って応えました。
この光景を見る限り、奏が王子に想いを寄せている事を両親は知っており、応援している、というように思われました。
さらに奏は、ケーキ作りに成功し、王子に喜ばれる事を考え出します。先週に続いての「妄想モード」突入となりました。今回は、「王子と姫」というシチュエーションで衣装まで妄想しています。
そのうち、妄想に歯止めが効かなくなり、響の背中を叩き始めました。困った響は、ハミィの肉球を触らせます。それで「妄想萌え」を「肉球萌え」に変換させる事により、難を逃れました。
そして、奏はプレゼントのために、「カップケーキツリー」を作ることにしました。分厚いレシピを元に、早速試作を始めます。ただ、どれを渡されてもハミィは「美味しいニャ」と喜ぶだけで、響に突っ込まれます。
第4話では響も「美味しい」と「奏らしくない」の区別しかついていませんでした。今回の会話を見ると、味の区別がつくようになったという事なのでしょう。二人の友情が着実に深まっている事をさりげなく描いていると思いました。
ところが翌日、二人が博尺にパーティーの事を相談に行くと、王子が博尺に「うちの姫が・・・」と悩んだ顔で話しかけている姿を見ました。それを見た奏は、王子が彼女の話をしていると思いこみます。
そして家に帰った後、ベッドに座り込み、カップケーキを作るのをやめる、とまで言いました。ハミィの肉球にも反応しないほどの「重症」です。しかし、響が「王子先輩に喜んでもらいたい気持ちは本当じゃなかったの?」と尋ね、さらに「私はお菓子づくりは出来ないけれど、洗い物ならできるから。奏はどんどん作って。私がどんどん洗うから」と言うと、その気持ちを受取り、元気さを取り戻しました。
そして当日となり、王子隊が飾り付けをしています。先日はいなかった四人目の「岸」も加わっていました。ところが、そのころラッキー・スプーンに向かっていた王子の前に、エレンが現れ、「足を痛めた」と言って座り込みます。
すると、王子はお姫さま抱っこをして、エレンの言う方向に向かいました。ちなみに、第3話で、コンサート会場に乱入して団を突き飛ばしたエレンを、王子は見ているはずです。まあ、かなり天然なキャラなので、記憶のほうも「天然」なのでしょう。そうでもなければ、見ず知らず(?)の女性をいきなりお姫様抱っこなどしません。
もちろん、極めて望ましい性格なのですが、彼ほどのモテキャラがそれをすると、色々と弊害があるのでは、と思いました。この性格のまま、有名音楽家にでもなった日には、世界中にスキャンダルを振りまくのでは、と気になりました。
約束の時間から30分経っても来ないことに、まず博尺が心配します。その時計の針がト音記号の形をしているところにも、さりげないこだわりを感じました。
さらに、馬論・無戸が順に現れ、「おおかた捨て犬でも拾ったんだろう」「王子はそういうのを見ると」と言います。それほどまでに、王子の「天然」「博愛」は日常化しているのでしょう。
続いて、岸が当然のように現れ、「しかし、遅すぎる・・・」などと言いました。謎の男(?)の登場に響は「誰?」と驚きます。後ろで奏は困ったような表情で「王子隊の岸先輩じゃないの」と言い、岸も自己紹介(?)をしました。
筋立て上は、前半に彼がいなかった事に深い意味はないので、単なるミスによるものだと思われます。しかしながら、それを逆手にとって作ったこのギャグにはかなり笑いました。
そして、王子はエレンの言うまま、川べりの公園に行き、そこで眠らされます。ところが、その際に倒れてしまい、結果的にエレンを押し倒した形になってしまいました。
そこに響と奏が現れますが、そのシチュエーションを見た奏はパニックになってしまい、ひたすら「王子先輩に何を」と壊れたテープレコーダーのように言い続けます。最初は弁解しようとしていたエレンですが、そのうち、真っ赤になって逆切れしていました。
そして、ハミィが持ってきた「音符つきラッキー・スプーン」をネガトーン化します。また、セイレーンの姿でネガトーンを召喚した後、前々回同様、エレンの姿で指揮を取りました。
今回ネガトーンはラッキー・スプーンの力を「ネガ」にしたため、他人をアンラッキーにする能力を持っています。そのため、響と奏は、飛んできたレジ袋に視界を奪われたり、石につまづいたり、バナナの皮で滑るなど、近づくことすらロクにできません。この「アンラッキー」の表現方法は、ベタながらかなり笑えました。
ここ数話の流れでは、ここでミューズが出てきて流れが変わるとしたものです。しかし、今回は、二人の力で、「アンラッキー」を正面から受け止めます。そして、二人でネガトーンの両腕を持って投げ飛ばした後、アルペジオとピアチューレで止めを刺しました。
闘いが終わり、逃げようとするエレンの前で、王子は目を覚まします。立っているエレンを見ても、王子は騙されたと思わず、「足が治って良かったね」と言います。それを聞いた、エレンは顔を赤らめて去って行きました。
途中の騙す描写を見たときは、かつて抱いた想いはメフィストの洗脳で消された、という感じでした。それを、王子の純粋さによって思い出した、という所なのでしょうか。
パーティーのほうは、盛況のまま進んでいました。そして、奏は取っておきのあ「カップケーキツリー」を出そうとしますが、半分ほどケーキがなくなっていました。
会場に行ってみると、奏太がそれを配っていました。なぜかいるアコにも渡すと、最初は「カップケーキなんて味は一緒でしょ」と言っていた彼女も、驚きの表情を見せていました。
せっかくのケーキツリーが台無しになった奏は、一瞬、「奏太!」と怒りの口調で言います。しかし、響とアコの表情に気づくと、「ありがとう、ケーキを配ってくれて」とお礼を言いました。
そして、王子に呼ばれ、美味しいケーキで皆を楽しませてくれた事を感謝されます。さらに、先日言っていた「姫」が拾ってきた犬だった事も判明し、奏は安心と喜びの笑顔を浮かべます。それを見た、響とハミィも喜ぶ、というところで話が終わりました。
「プリキュア」シリーズでは「5」から誕生日設定がなくなりました。それ以降、誕生祝い話は、「GOGO」の映画版のみとなっていました。それも冒頭の味付け的存在でしたので、「プリキュア」では約4年半ぶりの誕生日が主題の話となりました。
ちなみに、前回は「S☆S」の咲と舞でしたが、その時も「サプライズパーティー」でした。今回の脚本の成田さんは、「S☆S」の後半でシリーズ構成を務めた人ですが、かなり「サプライズ」が好きなようです。いずれにせよ、懐かしさを感じました。
話のほうも、前回に続いて磨きのかかった奏の妄想癖や、その奏のみならず、王子隊の設定にまで及んだ響のツッコミなどが上手く描かれていました。
一方で、「姫」を勘違いしてやる気をなくした奏に対し、響が「喜んでもらいたくないの?」という正論と、「洗い物を手伝うから」という友情を組み合わせて説得した、というのも面白いと思いました。
そして、響のケーキの味見や、奏の奏太などの態度には、初期の二人にあった短所が克服されている事が伝わってきました。このように、二人の成長をさりげなく描くのも巧いとポもいました。
また、王子の天然と言えるほどの人の良さや、エレンの心の動きなども、印象に残りました。
闘いの部分を含め、全体を通じて、キャラ的も視覚的にもギャグ部分も十二分に楽しめた秀作でした。本シリーズのここまでで一番の出来だと思えたほどでした。
次回は、二人が「交換ステイ」をする話とのことです。互いに気づいていなかった苦労を知る、という話になりそうで、そのあたりの描き方がどうなるか楽しみです。
また、テレビにあったミューズがドドリーの口を塞いだところ、さらに新たな力に驚くところ、さらにABCの予告にあった「母・まりあの衝撃的発言」など、色々と気になる事があり、そのあたりがどうなるかも期待しています。