事前に監督さんが言っていたように、本作の最大の特徴は、途中で、歴代プリキュアをシャッフルして3チームに分けて闘わせる、という部分でした。
その分け方ですが、「EDで一番目に名前が出る人チーム」「二番目に名前が出る人チーム」「三番目以降の人チーム」でした。ただし、「5」に関しては、こまち・かれんが「二番目」に入り、りんは、うらら・くるみと共に「三番目以降」に割り振られていました。
「一番目」チームですが、つぼみを除けば、「体育会系」で、頭より体から動く人の集まり、という感じです。実際、「二番目」チームの闘いで、そこにはいない「一番目」メンバーに先攻を促す、という場面がありました。
「リーダー」はいても「司令塔」とい役割の人がいないため、ここが一番苦戦することになりました。
「二番目チーム」は、えりかを除けば頭脳派の集まり、という感じです。「一番目」と逆に、パワーファイター系が少ないので苦戦しましたが、途中で特性を活かした頭脳的作戦を使う事で逆転しました。
「三番目以降チーム」は、明らかに「最強チーム」でした。「GOGO」以降は、途中から「初めから出ていたキャラより強い新プリキュア」が出てくるのが基本となりました。その新プリキュアが全てここに配属されているわけです。
そのため、ほとんど苦戦らしき苦戦はなく、遊びながら圧勝する、という感じでした。
まあ、本作の主題として、新人である、響と奏が先輩の姿を見て成長する、というのがあったようです。ある程度苦労させるために、彼女たちはバランスの悪いチームに入れ、残った人をまとめて最強チームにした、という意味だったのでしょう。
話全体の感想ですが、今回は、冒頭でちょっと「ハートキャッチ」と「スイート」の出会い、というのが描かれましtが、そこから後は、ほぼずっと戦闘でした。昨年も似たような構成ですが、そんな中で、「S☆S」を中心に、非プリキュアのキャラや敵キャラの個性を描くことに力を入れていました。
しかしながら、今回は、過去2回で台詞があった、みのりもライトを振るだけになるなど、一般キャラは、終始「観客」でした。また、敵キャラについても、サラマンダー男爵とトイマジンは「本人の特徴をコピーした存在」にするなど、敵を深くを描くこともありませんでした。
まあ、「主役」が21人もいるのでは仕方ありません。「オールスターDV」は今年が最後、という話があります。確かにこれ以上増えたら、より一層「ただ闘うだけ」の話しか作れなくなります。そういう意味では、今回で打ち止めにするのは妥当なのでは、と思いました。
以下は、箇条書きで雑感を述べたいと思います。
- 今回、一番目立ったのは、えりかだったと思います。いきなり、響と奏がプリキュアである事を見抜いて、従来の「衝撃的なプリキュア同士の出会い」を飛ばしてしまったのを初め、一人で個性を出しまくっていました。
特に、つぼみの真似して「堪忍袋」を言い、その後、つぼみが言ったら、「出た、堪忍袋!」と合いの手を入れた場面と、グループ分けの闘いで、当初は理解できなかっった「相手を怒らせて海を凍らせて足場を作る」という作戦が成功したら、「これが私たちの戦い方よ」と胸を張った場面は秀逸でした。
他にも、皆が決めている所で変なポーズを取るなど、一人で目立ちまくっていました。 - 「S☆S」の二人は技を出すところ以外は、ほとんど目立つ場面がありませんでした。ただ、そんな中、グループ分けされた直後の舞の「ブルームはいつも私を引っ張ってくれた」という台詞と、皆が驚いたとき、この二人だけがお互いの目を見合わせた場面は良かったと思いました。
- 終盤で、「マスコット達との別れ」で盛り上げ、EDでもそれを使っていました。しかし、どうせ元に戻ることは小さい子でも分かっていたと思います。したがって、あれで盛り上げるのはどうかと思いました。あと、様々な意味で、あれでは、ゆりの立場がない、と思いました。
- 歴代ボスキャラの中で、シャドウはプリキュアでなく、マスコット達によって倒されます。前作でウラガノスも似たような倒され方をしていましたが、ラスボスでこれはないでしょう。こんな弱いキャラとして描いてしまうと、かつてシャドウから、のぞみを守るために命を張った、ダークドリームが可哀想すぎると思いました。
- 映画ボス軍団のうち、サラマンダー男爵は「コピー」である事を伝えるため、杖の先にある宝石を青にしたのは、芸が細かいと思いました。
- 喜多村英梨さん演じる美希が、二番目グループに入り、映画第一弾に出てきた「魔女」と闘う事になりました。これを見た時は、某魔法少女アニメの事が頭にうかび、「喜多村さん演じるミキが魔女と闘い過ぎると後が大変だから、なるべくおとなしくしていて欲しい」などとしょうもない事を思ったりしました。
- ラスボスの「ブラックホール」は歴代のTVラスボスの集合体、という設定でした。しかし、ゴーヤーンやジャアクキングはともかく、デューンやデスパライアは「改心」したのだから参画していないのではないでしょうか。
- DXシリーズを通しての事ですが、ココとナッツは、男塾での雷電と月光の位置づけだよな、と思いました。
- 先述したように、オチは見えていましたが、かれんとくるみが別れを惜しむ場面は上手く描けていると思いました。
- よくよく考えて見れば、今回は始めて響と奏が喧嘩しない話でした。やはり、喧嘩はないほうがいいと思いました。
いろいろ突っ込みどころはありましたが、やはり、7年間見続けている身としては、懐かしの曲をバックに、懐かしの技を出すのを見れたのは嬉しいことでした。ただ、繰り返しになりますが、人数的に無理があります。
来年の春からは、ぜひとも違う形で、プリキュアシリーズを楽しめる作品が見たいものだ、と思いました。