HeartCatch第48話

 冒頭は、植物園に佇む番ケンジでした。そこに、志久ななみがやってきて、「私たち、どうなっちゃうのかしら」と話しかけます。それに対し、番は、一瞬目を閉じた後に笑顔になり、「俺達がプリキュアを信じていれば大丈夫だ」と答えましたが、それに対する、ななみの返事はありませんでした。
 短い会話ですが、いろいろと考えさせられました。同時に、最終決戦の最中に、一般人を描いたという、過去のシリーズになかった構成に驚かされました。

 OP終了後は、前回の続きに戻り、倒れていくダークプリキュアが描かれます。そして、勝利を確信した、ゆりは、月影博士に向き直ると、「お父さん!」と言って涙ながらに抱きつきます。
 喜びの再会のはずですが、月影博士は沈痛な表情をし、「ゆり、私にはお前を抱きしめる資格がない」と言います。そして、自らの弱さにより、「サバーク博士」になった、という事を明かしました。
 彼が心の大樹を研究していたのは、全ての人を幸せにするためだったとの事でした。「幸せとは一人ひとりが少しずつ頑張って得るものだ」という助言も受けましたが、それを無視して、「心の大樹を使って、一発で全人類を幸せにする方法」を模索していたようです。
 しかし、行き詰ってしまい、悩んでいたところを、沙漠の使徒に知恵を授けるという誘惑を受け、それに抗いきれなかった」という顛末のようでした。
 その話が終わった時、最後の力を振り絞って、ダークプリキュアが立ち上がります。そして、「キュアムーンライト、サバーク博士から離れろ!」と言いました。
 それを聞いた、ゆりは一瞬驚きますが、続いてもう二度と奪われまい、という表情で、月影博士を抱きしめます。
 しかし、月影博士は、ゆりから離れ、ダークプリキュアのほうに向かいます。驚いた表情を見せる、ゆりに対し、博士はダークプリキュアを抱きしめ、「ダークプリキュアは、これまでの研究の成果とゆりの体の一部を使って私が作った、お前の妹だ」と言います。それを聞いたゆりは納得した顔になりました。このあたりの、ゆりの表情の動きは、本当に巧いと思いました。
 そして、「娘同士を闘わせてしまった」と二人に侘びます。その際、回想の場面で、「作られている」途中の、無邪気な表情のダークプリキュアが描かれていました。そして、彼女を抱きしめて、「もう、いいんだ」と言います。
 その腕の中で、ダークプリキュアは安堵の表情を見せ、目を閉じて「お父さん」と言います。続いて、幸せそうな表情で、ゆりの顔を見ました。見つめられた、ゆりは、やや複雑な気持ちを顔に見せていました。そいて、ダークプリキュアは、黄色い光となって消えていきました。それを見て、つぼみは目に涙をにじませましたが、ゆりの表情は画面から外れ、描かれませんでした。
 すると、そこに、手を叩きながらデューンが現れました。怒りの表情で「デューン!」と叫ぶ月影博士に対し、「怒るなよ。フランスで研究に行き詰まった君は、自らの意志で・・・」と言いました。
 そして、モン=サン=ミシェルの影が映る中、躊躇しながらも自らサバーク博士の仮面をつけた月影博士と、それを見ているサラマンダー男爵とオリヴィエが描かれました。
 あの映画は本当に好きなので、ここであの二人を見ることが出来たことをに驚くと同時に、嬉しく思いました。ただ、サラマンダー男爵は400年前にデューンと袂を分かったはずなので、この件に彼らが関与していたかどうかは微妙なところだと思いました。
 そして、その哄笑をきっかけに闘いが始まりました。サバーク博士だった頃は、オーラの放出による攻撃と瞬間移動による防御、と肉弾戦を行わなかった月影博士ですが、ここはプリキュア五人を一撃でふっ飛ばしたデューン相手に、やや押され気味とは言え、正面から殴りあっていました。
 そして、つぼみと、ゆりも加わりますが、前回同様、デューンにあしらわれ、またもや変身が解けてしまいます。
 デューンはとどめとばかりに、手の中でエネルギー体を作り、三人に向かって放とうとします。しかし、そこに月影博士が駆け寄り、エネルギー帯を自らの体で止めます。そして、「ゆり、お母さんを頼む」と言って、二人をかばって爆発に巻き込まれました。
 ゆりは、爆発後の虚空を見つめながら、「お父さん・・・」と言い、続いて向き直り、怒りの表情で「デューン!」と叫びます。しかし、デューンは涼しい顔で「ふーん、君も憎しみをボクにぶつけてくれるのかい?」と言います。
 ゆりは、無言で歩み寄ろうとしますが、その手を、つぼみがつかみます。そして、「離しなさい!」と言う、ゆりに対し、「いいえ!」と言い、悲しそうな表情で「憎しみや悲しみで闘っては負けてしまいます。」と言います。
 しかし、ゆりは「それでも、私は、デューンが憎い。憎しみが力になるのなら・・・」と言います。すると、つぼみは、「月影ゆり!」と呼び捨てで叫び、「私の憧れたキュアムーンライトは、そんな人ではありません。」と言いました。
 それを聞いて、ゆりはようやく納得します。そして、穏やかな表情に戻り、「私たちプリキュアは愛のために闘いましょう」と言いました。それを聞いた、つぼみはやっと
安堵の表情を浮かべ、「はい!」と言いました。
 そして、二人は変身して再びデューンに挑みます。予想外のやりとりを見たせいか、先ほどに比べると、デューンは押され気味となります。しかしながら、相変わらずプリキュアの攻撃は当たらず、デューンは気の固まりで二人をふっ飛ばそうとします。
 その時、いつきが現れ、サンフラワーイージスで二人を守ります。一緒に、えりかも現れ、つぼみに笑いかけ、攻撃に加わりました。
 えりかの攻撃はなんとか防ぎますが、マリンシュートをかろうじて防御した直後に、今度は、いつきの攻撃が始まります。そして、ついにボディにパンチが入りました。
 これで完全に形勢は逆転します。そして、えりか・いつきおよび、つぼみ・ゆりで同時にフォルテッシモを発動し、「ハートキャッチ」してしまいました。しかし、四人はそれに満足せず、つぼみの「今、万感の思いを込めて」を掛け声に、オーケストラを発動します。
 デューンは打たれ弱いのか、一度不利になってからはいいところがありません。そして、恐怖の表情でオーケストラの直撃を食らい、次回への引きとなりました。

 冒頭を、ななみと番の会話から始める、という部分から意表をつかれ、かつ感心させられました。特に、ななみが、事態を楽観していない、という描写は、過去に辛い経験をし、今も残された家族である、父と妹に会えない、という彼女の心情を上手く描いていると思いました。
 それに対する、番の回答は、どちらかと言えば単純ですが、自分を元気づける意味もあるのでしょう。それに対して、ななみが相槌を打たなかった、という事も含め、短いながら中身の濃い会話だと思いました。
 続く、ダークプリキュアの最期も、二人の「娘」の表情が非常によく描けていて感心させられました。特に、普段、あれだけ大人らしさを見せている、ゆりが、瀕死のダークプリキュアに対し、見せつけるように父親に抱きつく、というう子供みたいな行動で、父親への愛と独占欲を表現した、というのは印象に残りました。
 一方、最後の力を振り絞って、ゆりに「離れろ!」と言い、最後の最後で初めて安らかな表情を見せて、「お父さん」と言ったうえで、穏やかな表情で、ゆりを見たダークプリキュアの描写も心にのこるものでした。
 この「月影姉妹」の秀逸な描写を随所で見れた事は、強く心に残りました。ぜひとも来週、続きを見たいものだと思いました。
 ただ、後半の最終決戦については、例年通り、という感じでした。この部分での主眼部分は、ゆりに対する、つぼみの説教だとは思いますが、「フルネーム呼び捨て」はちょっと浮いているように思えました。あと、えりか・いつきの参戦はもう少し早くするべきなのでは、と思いました。
 とはいえ、このあたりは「毎年恒例の最終決戦」だから仕方ないとも言えます。
 それよりも、今回においては冒頭と前半部分および、馬越氏作監による優れた絵だけで、十二分に楽しめました。昨年の「フレッシュ」ラス前を見たときは、「シリーズ史上最高のラス前」だと思いましたが、今回も、それに勝るとも劣らない質の高さだと思いました。
 予告によると、次回は「デューンの正体との最終決戦」とのことです。ようやく、あの肩の上の蛸が活躍するのでしょうか。また、今回の冒頭および、一度オーケストラを出したところを見ると、最後は、「プリキュア+みんなの力」で倒すような展開になりそうです。
 それはそれで楽しみではありますが、できればその部分は手早く終わらせてほしいと思っています。そして、四人および、その家族・友人たちの後日談を、少しでも長く見たいものだと願っています。

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