Fresh第46話

 前回の続きで、アカルンの力でラビリンス本部へ向かう四人+@から始まりました。それぞれ、最終決戦への決意を心に誓っています。その中で、ラブは前回見送ってくれた、あゆみを初めとする、家族・ミユキ・商店街の人々を思い浮かべていました。
 ただ、四人の着いた所は、メビウスの執務室でなく、ラビリンスの街中でした。着いた直後、せつなは不安そうな表情を浮かべ、それに気付いたラブは手を握ります。それに対し、せつなは、皆がいるから大丈夫と、前回、自ら話した「故郷に戻るとイースに戻る」という不安が杞憂に終わったことを伝えました。

 さて、通りにはラビリンスの国民が、皆同じ服を着て、同じ方向に向かって歩いています。
 それを見たせつなは、彼らに紛れ込んでメビウスの居城へ行こうと言います。そして、この姿では目立つから、と一度変身を解きました。どちらの姿にせよ、他の人が全く同じ「制服」を着ている以上、目立ってしまうと思います。
 こういう時こそ、ブルンの力で、四人が「制服」を着ればいいと思うのですが・・・(せつなのみスイッチオーバーなら、なお可)。まあ、そのおかげで見る機会が少ない冬用私服を見せてくれたので、視聴者サービスだったと思うことにしました。
 さて、歩いている人々の中で、なぜか老人だけが段ボールの箱を持っています。時よりフラつきますが、誰も助けようとしません。ラブが助けようとしますが、「ラビリンスには困っている人を助ける習慣はない」という、せつなの指摘で、放置せざるをえません。結局、老人は何とか歩き続ける事ができました。
 しばらく歩いているうちに、食事時間の放送が流れ、皆は一斉に向きを変えます。その時、ラブは少女にぶつかりかけ、声をかけて謝ります。すると、その少女は驚きつつ、生気のある表情を浮かべました。
 そして、メビウスの居城に向かった四人たちですが、あっさり補足されます。すると、メビウスはノーザに迎撃を命じます。それを聞いた、ウエスターとサウラーは、自分たちも迎撃したいと志願します。
 するとメビウスは、一度「お前達はプリキュア抹殺を何度も失敗した」と言って拒否します。しかし、二人が重ねて志願すると、「ならば廃棄物処理空間で迎え撃て」と命令します。それが何を意味するか知っているノーザは笑いますが、いぶかる二人には何も言いませんでした。
 そして、せつながかつて使った経路を使おうとしますが、居城の道は可動式になっており、四人は迷宮に誘い込まれます。さらに、床が消失し、せつなと美希、ラブと祈里がそれぞれ別々の場所に落とされました。
 そして、せつなと美希は「廃棄物処理空間」に落とされ、せつなはウエスター、美希はサウラーとそれぞれ対決します。
 せつなと美希は、闘いながらも相手を説得しようとします。しかし、美希とサウラーについては完全に平行線となります。「自分の幸せが何か」と尋ねられたサウラーは、当然のごとく「メビウス様のおそばにいること」と言い、美希に反問します。それに対し、美希は「みんなで楽しく笑うこと」と言いますが、もちろん、サウラーは理解できません。

 さて、美希とサウラーの言い争いが、ある意味定番なのに対し、せつなとウエスターのほうは、非常に個性的でした。
 相変らずイースと呼んでラビリンス復帰を促すウエスターに対し、せつなが「私はもうイースじゃない」と毎度の回答をすると、それを無視するかのように、イースの名を連呼します。
 さらに、せつなが「目を覚ましてウエスター」と言うと、「自分はばっちり起きている」と返します。続いて、せつなが「メビウスが支配したらドーナッツが食べられなくなる」と言うと、「実は密かにドーナッツの作り方を覚えていた。だから一人で食べまくりだ」と衝撃の事実(?)を伝えます。
 普通、こういう展開だと、「悪」のほうが「正義」の言葉によって迷いが生じるとしたものです。しかし、ウエスターはこの「論争」に完全勝利してしまいました。
 一方、サウラーのほうも、闘いを優勢に進め、「とどめの一歩手前」まで行きます。しかし、その時、メビウスが「消去」を命じます。すると、ブラックホールみたいな「デリートホール」なる物体が出現しました。
 それが何を意味するか知っているウエスターとサウラーは、その瞬間、自分たちがメビウスに見捨てられたことを知ります。
 一方、せつなもそれを見て逃げようとしますが、足をコードに取られ、さらに「デリートホール」に吸い寄せられた廃品がぶつかりそうになります。するとその時、ウエスターが現れ、せつなを救いました。
 そして、ウエスターはせつなに謝り、自分がメビウスにとってゴミみたいな物だった、と苦笑します。それを聞いた、せつなは、「ゴミなんかじゃない。貴方には仲間をおもいやる心がある」と言います。
 それに対し、ウエスターが「そんなもん、ねえよ」と答えると、「いつもイースって呼んでくれた。それは、裏切り者の私を仲間だと思ってくれたから」と言います。その後、「ごめん」と仲間として扱ってくれながら期待に応えられなかった事を謝り、続いて「でもありがとう」と嬉しそうな笑顔でその気持ちに礼を言いました。
 すると、ウエスターは「一人でドーナッツを食べている時、お前達と食べたら、もう少し美味いかもとちょっとだけ思った」とその想いに応え、二人で笑い合います。しかし、その直後に飛んできた別の廃棄物からせつなをかばい、そのまま「デリートホール」まで飛ばされてしまいました。
 一方、その時点でも「クラインの操作ミス」の可能性を期待していたサウラーですが、やはり爆風に吹っ飛ばされます。それを見た美希は、助けようとします。そして、「みんなで楽しく笑うの『みんな』には貴方も含まれている」と言いました。
 それを聞いて、サウラーは「今日まで自分が正しいと信じて生きてきたが、このザマだ」と言い、「みんなで笑い合う時間が持てなかったのが残念だ」と美希の主張を認め、同時に美希を助けるために、自らデリートホールに吸い込まれました。
 そのサウラーの反動で、美希はせつなと共に廃棄物処理空間の外に出ることに成功しました。
 一方、ラブと祈里は、ノーザの待ち受けている空間にたどりつきました。一方、タルトとアズキーナは、シフォンが捕らえられているメインコンピュータ室にたどりついた、というところで話が終わりました。

 前半分はかなり時間稼ぎという印象を強く感じました。今更ながらの「ラビリンス設定説明」に加え、「無駄に長い迷路」「これまた長い変身バンク」など、次回の伏線がちょっと入った事を除いては、ほとんど何も描かれませんでした。
 しかし、主題である後半部の、せつなとウエスター、および美希とサウラーの闘いは非常に良く描かれていました。時に、せつなとウエスターの闘いは、これまでの設定・伏線を見事に消化しており、この部分に限って言えば、掛け値無しの名作でした。
 まず凄いのは、冒頭の「口論」で、ウエスターが「完勝」した事でしょう。もしかしたら、イース時代にいつも言い負かされていたので、こんな事もあろうかと想定問答集を作っていたのだろうか、と思ったほどでした。
 特に、ドーナッツの件ですが、これまで、せつなからウエスター・サウラーに対し、占いの館時代の想い出を話すことはありませんでした。それを考えると、この話は「取っておき」とも言えます。それを、「密かにドーナッツの作り方を覚えた」と返したのですから凄すぎます。せつなも想像を絶したでしょう。
 さらに、メビウスに見捨てられたと知るや、即座に、せつなを助けに行くところも、彼らしいと思いました。
 それに対する、せつなの「イースと呼び続けたのは、裏切った自分の事を仲間だと思ってくれたから」と「ごめん。でもありがとう」は心に強く残る台詞でした。
 おそらく、せつなは「イース」と呼ばれるたびに、「ごめん。でもありがとう」と思っていたのでしょう。それをやっと言うことができた、という感じの表情でした。
 それに対し、ウエスターが「ドーナッツを一緒に食べたかった」と言い、二人で顔を見合わせて楽しそうに笑う、という場面もこれまた非常に上手く描かれていると思いました。
 あらゆる点において、せつなとウエスターの良さを、余すところなく描いた名場面だったと言えるでしょう。
 一方、美希とサウラーのほうは、「首領に見捨てられた敵ライバルキャラの定番」みたいな感じでした。しかしながら、こちらを普通の展開で描くことにより、せつなとウエスターの描写が一層引き立ったのだから、これもまた良しだと思いました。
 さすがにこの展開で、「デリートホールに吸われて終わり」という事はないでしょう。というわけで、二人の再登場および、最後に幸せになることを改めて願っています。
 次回は、ラブと祈里対ノーザおよび、タルトとアズキーナがドーナッツを使ってラビリンスの子供達を目覚めさせる、という話になりそうです。メビウスを倒すのに際し、プリキュアの力のみでなく、ラビリンス国民の離反も使う、という事なのでしょうか。
 それはそれで興味深いところです。ただ、そうなると「○○○○万歳!」と言わされていた子供が「ギブミーチョコレート!」に変わったという、75年前まで存在した某管理国家の崩壊そっくりになってしまうな、とも思いました。

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