Fresh第29話

 カオルちゃん主役話でした。これまでのシリーズにない、独特の立ち位置であり、かつ謎の多いキャラなだけに、どんな話になるのか、と楽しみにしていました。
 しかし、結論を先に言うと、かなり期待はずれでした。端的に言えば、フレッシュプリキュアでやる意味がない話、となります。また、肝心のカオルちゃんの描写についても、ベタな設定に基づいて動くだけで、普段の彼らしさとの整合性がほとんどなく、違和感がありました。
 率直に言って、見どころといえば、せつなを除く三人の私服が変わった事くらいしかない、という話でした。

 OP前は、港に謎の美女がおり、そこにカオルちゃんが現れる、という異例の短さでした。謎の美女を見たときは、後期OPに出てくる「ノース(仮名)」かと一瞬思いましたが、何ら関係はありませんでした。
 謎の多い存在であった彼ですが、その正体は諜報部員だったようです。ただ、どこかの国家・組織に所属しているわけではなく、依頼があれば、仕事を受ける、というフリーみたいな立場かと思われます。
 今回の依頼は、過去何度か仕事をしていた「メクルメック王国」によるものでした。国王一家が来日中、王子のジェフリーが国宝である宝石「ポセイドンの冷や汗」を持って行方不明になっており、その捜索を依頼されます。
 店主が「副業」を始めたため、ドーナッツカフェは休業状態になり、ラブ達は心配します。なお、今週から、せつなを除く三人の私服が変わっていました。
 その四人の前に現れたのが、渦中のジェフリー王子でした。そして、持ち前の美貌と、天然そうで計算された行動で四人を籠絡し、無料で楽しみまくります。途中、ボウリングの場面が出ましたが、せつなは今回はやはり黒でなく赤の球を使ったのだろうな、などと思いました。
 一方、国王夫妻の前に現れたカオルちゃんは、子供の安否よりも宝石の心配をする国王夫妻に説教します。
 そして、街頭テレビにより、王子の正体が判明し、皆は驚きます。そして、理由を尋ねたところ、王子は両親が自分の事を、息子でなく、後継者としてしか認識していない、と愚痴ります。
 そして、「自分は必要とされていない」と言うのですが、せつながそれを聞いて、「必要とされてない人などいない」と説教しました。さらに、自分が悪いことをしたと自覚した、という事に対して褒めて元気づけます。
 かつて自分が、忠誠の対象だったメビウスに見捨てられ、それをラブ達に救われた事、さらに過去の「イース」としての行動を認識した上でプリキュアになった事と重なったのかと思われます。
 ところがその時、四人と王子が黒服・黒眼鏡という十人近い集団に囲まれます。せつなが真っ先に気付いたので、何か対処すると思ったのですが、そのままあっさり拉致されていました。
 そして四人と王子は気絶させられて、町外れの倉庫に運ばれます。なぜ通りすがりの一般人である四人を誘拐したのかは謎です。そこにカオルちゃんが登場し、黒服を倒しますが、王子の理解者だと思っていた王家の執事が実は黒幕で、後ろから襲われてこれまた気絶させられます。
 こうして敵組織はまんまと王子誘拐と宝石強奪に成功。このままでは「メクルメック国」はもちろんですが、日本にとっても大変な外交問題にもなりかねません。
 この、両国にとっての危機を救ったのはウエスターでした。盗まれた「ポセイドンの冷や汗」をナキワメーケ化して黒服軍団を蹴散らしました。一応、「ポセイドンの冷や汗」にはメクルメック国を幸せにする、という言い伝えを知り、それを奪えば不幸ゲージがたまる、という狙いでの行動です。
 ただ、どうせ「悪の組織」に奪われるのですから、放置しておけば、より一層の不幸が獲得できたはずです。まあ、管理国家で育っているので、国内での権力争い、というものが理解できなかった、というのもあるのでしょうが・・・。
 ナキワメーケ登場により、四人は目を覚まします。そして目の前のカオルちゃんが気絶している事を確認して変身しました。しかし、宝石をベースとしたナキワメーケの硬さに苦戦します。
 するとそこにカオルちゃんが登場。黒服をまとめてやっつけ、執事も「激辛ドーナッツ」で撃退します。そちらを片付けると、今度はナキワメーケ退治に参戦。ダイヤモンドの割り方を応用してナキワメーケの弱点を見抜き、キック一発で穴を空けます。そして、ラブサンシャインフレッシュで撃退となりました。
 闘いが終わり、カオルちゃんとタルトが二人きりで話します。その際、プリキュア変身を見たかどうか、という事をタルトは遠回しに聞きますが、カオルちゃんははぐらかしました。
 しかし、翌日、久々営業となったドーナッツカフェで、ラブ達にプリキュアの決め台詞をもじった会話をしたのを見ると、正体に気付いていたようです。もっとも、第9話で美希を戦闘の場に連れて行っているあたりを見ると、以前から気付いていたようでもありますが・・・。そして、携帯電話でさらなる「大物ぶり」を含ませるような会話をし、四人がそれを聞いて驚く、という所で話は終わりました。

 今回の話で、最も拙かったのは、カオルちゃんを盛り立てるために、主役の四人を活躍させなかった事でした。基本的にはドーナッツカフェ存続運動をしたのと、ジェフリー王子に萌えていただけでした。ナキワメーケとの戦闘ですら、カオルちゃんの引き立て役になっています。
 唯一、台詞らしい台詞があったのは、せつなだけです。一応、自分の過去を元に、王子のわがままをたしなめる、という形になっています。ただそれも、その過去との兼ね合いが上手く描かれておらず、今回の話を見ているだけでは、ただの一般論みたいになっていました。
 このことからも分かるように、今回、四人は完全に引き立て役です。そして、カオルちゃんをさらに盛り立てるために「メクルメック王国」から大量のゲストキャラが登場し、話の主題は、ほとんどそのゲストキャラ同士の会話で進められたわけです。
 そこまで主役の影を薄めて描いて明かされた「正体」が、「ちょっと変なのオッサンに見えるが、実は凄腕のエージェントだった」という使い古された設定では、面白みがありません。
 はっきり言って、この話を「フレッシュプリキュア」でやる意味がどこにあったのか理解できませんでした。
 色々と謎の多いキャラであるカオルちゃんの、意外な一面を描く話だったわけです。ベタな設定や、ゲストキャラに頼らず、既存のキャラとのかけあいの中で、それを表現できなかったのでしょうか。
 まあ、過去のシリーズでも、特に映画制作中は調子が落ちることはありました。それに加え、パッション誕生から、せつなが馴染む所までの盛り上がりが一段落し、話全体が一休み、というところでもあります。そう考えれば、ある程度は仕方ないのかもしれません。
 まあ、秋には、せつなの四つ葉中転入や、新キャラ「ノース(仮名)」の登場など、盛り上がっていくわけです。前々回と今回は、それに備えての一服だと思うことにしました。
 次回も「タルト正体暴き騒動」という感じです。そんな中、「また見てね」に出てきたタルト用カツラは気になりました。やはりあれは「軽快痛快ペットくん三世」なのでしょうか。それも含め、山吹家および桃園家の親たちがどのように動くのか、などを楽しみにしています。

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