Fresh第28話

 クローバータウンストリートを「デート」中のラブとせつなの描写から始まります。人情味あふれる商店街の人々との会話に感心する、せつなですが、そのうち、「ラブの家は何の店をやっているの?」という素朴な疑問が浮かびます。
 それに対し、ラブは「10年前まで畳屋をやっていた」と言い、畳の存在を知らない、せつなに対し、部屋にある畳地のベッドを見せて説明した後、これを作ったのが畳職人である祖父であった事を話します。

 一方、占いの館では、カメラのカタログを見ていたサウラーが、「想い出を写真に撮って残す」という人間の風習を皮肉混じりに不思議がります。しかし、話しかけられた西隼人は、かき氷に熱中して一人でボケまくっており、サウラーは呆れます。
 だんだんとギャグがぶっ飛んでいる隼人ですが、今回の会話については、イースがいなくなったため、これまでのような会話ができず、間が持たなくなって奇行に走っているようにも見えました。
 一方、ラブとせつなは、写真屋に行き、亡き祖父である源吉の写真を見ます。そして、せつなは何気なく、源吉について尋ねますが、それを聞くと、ラブの表情が変わります。
 ラブは4歳の時に源吉を亡くしており、ほとんど記憶がありません。写真屋の店主によると、源吉を慕っていたとのこと。それを聞いてラブは一層、自分が源吉の記憶を持たない事が気になります。
 一方、サウラーは、先ほどの調査結果を元に行動を起こすべく、先ほどラブ達がいた写真屋に行きます。そして、そのカメラをナケワメーケ化しました。
 暴れるナケワメーケを見た四人は、変身して闘いますが、動きの速さについていけません。そんななか、建物の影へ姿を消したナケワメーケに対し、ラブが「逃げたの?」と言ったら、せつなが即座に「違う」と言ったところには、なかなか描かれることがない「元・イース」を感じることができました。
 その動きについていけないまま、ナキワメーケが背後を取り、技をかけようとします。それにいち早く気付いたラブは、止めようとしますが、結果的にカメラのレンズから出る光線を一人で受ける形になりました。
 それを受けたラブは、やけに古くさい景色を見ます。クローバータウンストリートみたいですが、商店街の看板には昔の名前である「四ツ葉町商店街」と書いてあります。それはいいのですが、そこに並ぶ店は、ほとんどが、枠が木造の引き戸、という作りでした。従って、10年前である1999年というには古すぎます。なんか、しばらく前に流行した「レトロ風景・昭和三十年代の街並み」という感じでした。
 そこでラブはまず、冒頭でも会った、蕎麦屋の出前と会います。高校生風の彼に、「小さいのに」と言われてガラスを見て、ラブは自分が4歳の姿になっている事に気づきます。あと余談ですが、前々からこの出前の兄ちゃんは誰かに似ていると思っていました。それが今回の若年シーンのおかげで、似ているのが「マリもっこり」だと言うことがわかりました。
 それはともかく、自分の姿に驚くラブが次に見たのは、源吉でした。
 一方、現実世界では、ラブが気を失っています。驚く三人に対し、サウラーは、「本当は四人まとめて送りたかったが」と前置きし、ラブが、「自分が一番いたかった時代の想い出を見ている」と説明します。
 当初、「この世界の人間は想い出を・・・」と言いながら、この世界での想い出がほとんどない、せつなまで一緒に、というのはやや矛盾しているのでは、と思いました。
 そのラブですが、かつての桃園畳店で、祖父の仕事ぶりを見たり、駄菓子屋に行ったりしています。そして、駄菓子屋では、今と全然変わらない女主人と源吉が会話し、圭太郎が婿養子であることが判明したり、源吉が自分を最後に店を畳むつもりだったことが判明していました。
 一方、ラブ不在で苦戦している三人の映像が、シフォンの力を通じて源吉に伝えられます。それを知った源吉は、店の手伝いをしながら「畳職人になる」となどと言って、祖父孝行をしようとするラブに対し、闘いに戻るように言います。
 そして、自分が源吉に何もできなかった事を悔いるラブに対し、「世界の人に愛を伝えさせたい」という事で自分が「ラブ」と名付けた事を伝えます。1999年の時点でも全て手作業で畳を作る、という昔気質の職人とは思えないほどのハイカラ(?)ぶりです。
 その源吉の説得に我を取り戻したラブは、自分を取り戻し、闘いに復帰。ラブサンシャインフレッシュで撃退しました。
 そして再び写真屋に行き、源吉との写真を見ながら、自分に「ラブ」と名付けてくれたお礼を言い、決意を語る、という所で話は終わりました。

 今回の話の主軸は、サウラーによって想い出の世界に閉じこめられたラブと、その世界にいる源吉のやりとりにあります。今のラブにとって源吉の記憶はほとんどないわけですが、その世界での源吉は、そこに現れた「実は10年後の世界にいてプリキュアをやっているが、当時の姿をしているラブ」と会話をし、的確な助言をします。
 源吉があの世から召還された、という考えもできなくないですが、それだと、同じ世界にいて、現在も生きている蕎麦屋や駄菓子屋の言動が説明できません。したがって、これは、潜在意識も含めた自分の記憶を元に、源吉や蕎麦屋の言動をラブが再構築した存在だと思われます。
 そして、その10年後のラブに対し、最善の助言をすると同時に、改めて名前の由来などを伝えた源吉の描写は秀逸だと思いました。その名の通り、いかに源吉がラブの事を愛していたのか、よく伝わりました。特に、最後の名前についての言葉は、ラブの記憶にはないものの、死期を悟った当時の源吉が実際にラブへ語った「遺言」だったのだろうな、と思いました。
 一方、サウラーですが、その「想い出の世界の作り方」といい、これまでの辛辣な作戦とはかなり違う、と思いました。結果的には、せつなに何気なく尋ねられてラブが苦しんだ「自分は源吉の事を覚えていない」という悩みを彼が解決した形になったわけです。
 突拍子もないギャグをやるようになったウエスター同様、彼にもイースが去ったことによる変化が生じているのだろうか、などとも思いました。
 いずれにせよ、今は亡き源吉のラブへの想いと、それに応えるラブの描写が印象に残った質の高い話でした。
 あと余談ですが、仮に残る三人もみな技に掛かったらどうなっていたのだろうか、とも思いました。美希と祈里は当然同じ世界に行くのでしょうが、せつなはどうなっていたのでしょうか。
 一例として、10年前の世界で幼なじみでおとなしそうな美少年を「やーい、引きこもり」とか言っていじめまくるという「せつなの楽しい想い出」が繰り広げられ、その回想世界を覗いたサウラーがいたたまれなくなって、自ら、せつなを元の世界に戻した、などというネタを思いついたりもしました。
 さて、次回はカオルちゃんが主役の話のようです。「プリキュア」シリーズを通しても極めて異質な一般人キャラである彼ですが、その謎の片鱗がどのような判明するか、楽しみにしています。

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