美希のベリーソード獲得話を、美希の奮闘とレミの心配を軸に描いた話でした。
冒頭、ラブの部屋に皆が集まり、タルトのドーナッツや芸の話で盛り上がります。そんな中、シフォンが腹を空かして泣きますが、祈里がキルンで「翻訳」して、ラブがピルンでお菓子を出してすぐ解決します。それを見た美希は、改めて先週の事を思い出し、自分にピックルンが現れない事を悩みます。そして、二人がシフォンの世話をした時だという事に気づき、自ら世話係に立候補します。
これまでの二人が受動的な形で得たピックルンを、自らの積極的な行動で得ようとするあたり、彼女らしさが出ていると思いました。
そしてシフォンを部屋に連れて行きますが、いきなり化粧品の入った瓶を倒され、それを怒った事により、即座に嫌われます。
そこで、ハンバーグや、野菜ジュース入りキュアビタンを作って機嫌を取り戻そうとする美希ですが、効果はありません。さらに、夕飯時でもないのにハンバーグを作っているのをレミに見つかり、不審がられます。余談ですが、子供が絶対に喜ぶわけはないが、健康と美容には有益な「野菜ジュース」を使うあたり、良くも悪くも美希らしいと思いました。
その機嫌を取り戻そうと美希は、髪も整えずに本屋に走って育児書を熟読します。その急ぐ姿をラブと祈里に見られ、「身だしなみだけは完璧な美希ちゃんが」と驚かれます。さらに、本屋では丁度美容院に行く途中だった、あゆみに目撃され、早速、レミに情報が行きます。
それに驚いたレミは、早速、美希の部屋に行きます。その時、足音を消して部屋に行く動きが奇妙なので笑えました。ついでに、声優つながりで、箪笥に潜むなど奇行を繰り広げた「無印」のポイズニーを思い出したりしました。
部屋では美希に半ば強引に追い出されたものの、心配するレミは、モデルの撮影にまでついていきます。そして、休憩時間を利用して、美希に幼少時に迷子になった話をしたりして、何とか本当の事を聞きだそうとします。そんな話をしているうちに、シフォンが脱走。慌てて美希は追います。
その時、同じ公園には西隼人がおり、芝生に寝ころんでカップルを見ながら、FUKOゲージ獲得作戦を、のんびり考えています。そこに、いきなり美希が現れ、シフォンの事を尋ねます。その勢いに圧された西隼人は敬語で応対していました。スイッチオーバーを一度しか見ておらず、焦ってもいた美希が彼を一般人と勘違いするのは分かりますが、西隼人は以前から、美希達がプリキュアであることは熟知しているわけで、これは「ナイスボケ」です。今回、ラビリンスの出番はほとんどなかったわけですが、その数少ない時間を使ってこのようなギャグをやるのですから、本当にあなどれません。
そして、シフォンを追っているうちに、美希は先ほどレミが話した迷子の事を思い出します。そして、改めてその時の事を思い出し、実際に自分がいかに寂しかったか、さらにレミが心配してくれた事が嬉しかったかを思い出します。そして、今のシフォンの気持ちを理解し、心から彼女の事を心配します。
そして、ラブと祈里に「保護」されていたシフォンを発見しますが、二人の事にも気付かず、シフォンを抱きしめて涙します。その愛情を感じたシフォンは、彼女の名を呼び、ブルンが降臨しました。
その時、サンドイッチを元にしたナケワメーケとウエスターが登場。三人は変身して迎撃します。このサンドイッチナケワメーケですが、かけ声は「パパンガパン」でした。「パタリロ」のファンなのでしょうか。
そして、サンドイッチの具を使って攻撃するのですが、ケチャップとマスタードを発射すると、なぜか祈里が過剰に怖がって逃げ回ります。そして、ラブも巻き添えにして、ナケワメーケに挟まれ、ウエスターは「プリキュアサンドの出来上がりだ」と喜び、それに応えてナケワメーケが「フルーツサンド」とギャグをかましたりしていました。
その苦戦に対し、美希は自らブルンに新兵器を要求。それに応えて、ベリーソードが発動し、エスポワールシャワーフレッシュで撃退しました。
そして、ラブの部屋で、今回の事を振り返ります。そして、二人は美希に「これでお世話係も卒業ね」と言いますが、美希は即座に否定。そして「育児の鉄人」なる辞書みたいな本を取り出した上に、赤縁の細眼鏡をかけて、「教育ママ」宣言をします。そして、逃げだそうとするシフォンにも妥協せず、タルトの言葉もはねのける、というところで終わりました。
最初に書いたように、美希の奮闘とそれを心配するレミの話が主題となっています。そのレミですが、プリキュア史上初のバツイチキャラという事もあり、これまでの母娘ものとはかなり違う筋立てになっていました。
作品が「子供向け」という事もあり、直接的な表現は一切していませんでしたが、今回のレミの心配ぶりは、美希が子供を作ったと勘違いしたから、としか言いようがありません。「理由は聞かないけど、お母さん応援するから」という台詞などはその象徴です。
「水着」「シャワーシーン」の時も感じましたが、この筋立ても、本シリーズの斬新さを表す物の一つと言えるかもしれません。
それとは別に、通常の母娘もの部分での描写も印象に残りました。「幼少時のかくれんぼ」が二回出てきますが、レミの視点では「懸命に探したところ、隣の公園にいて、ケロッとしていた美希」で終わっています。一方、美希の視点では、その後に「泣きながら自分をいかに愛しているかをレミが話し、それを聞いた美希が、その愛情を感じたのと寂しさを再認識して涙する」という部分が加わっています。
この、親と子の記憶が違う、というのが、主題である「シフォンに理解されない美希」に通じており、巧さを感じました。。
あと、今回の特徴の一つに、やけに突き放したラブと祈里、というものがありました。冒頭で、美希がシフォンの面倒を見る、と言った時点で、既にラブは「ピックルン目当てではうまくいかない」と思っています。しかし、その場ではそれを言いません。
さらに、髪を振り乱している美希を見た二人の「身だしなみだけは完璧な美希ちゃん」という表現にも、きつさを感じました。とどめ(?)は、美希の撮影の場所に行きながら、姿は見せず、シフォンを保護しながらも、美希に連絡も入れず、のんびりお菓子をあげている場面でした。
美希がデビューしてプリキュアを辞めるか、という話の時の「ベリーはもういないんだから」の時も感じたのですが、たまにこのような描写が行なわれます。これが、話の展開に影響する伏線なのだろうか、脚本家の気まぐれによるものなのかは、現時点では何とも言えません。
次回は、プリキュアに会いたがる女の子が出てくる話だそうです。本シリーズの特徴である、「プリキュアの存在が一般に知られている」ならではの話と言えるでしょう。今回のような斬新を感じる作品になるかどうか、楽しみにしてます。