美希話かと思っていたのですが、彼女自身の描写は少なく、むしろ彼女を巡る人々の描写が主と言える話でした。
冒頭、雑誌企画における、美希のモデル撮影から始まります。華麗に撮影をこなす美希を感心して見ているラブに、スタッフが声をかけます。
一瞬、自分もモデルに?と喜ぶラブですが、依頼されたのは「タヌキの着ぐるみ役」でした。一瞬期待しただけに、落ち込んだラブですが、何だかんだで、着ぐるみ役をこなし、美希とポーズをとっていました。
一方、祈里は、美希のモデルぶりを褒め、「雑誌の読モだから」と謙遜されると、「毒蜘蛛?」とボケていました。確かに、語感は似ていますが、普通の女子中学生は、それを連想しないと思います。短いやりとりですが、色々な意味で祈里らしさがよく出ていました。
ラブの着ぐるみとあわせ、OP前だけで一つの小咄として楽しめる作りになっていました。
OP終了後は、管理国家ラビリンスでの模様が描かれます。初登場の高級官吏みたいな「クライン」が、メビウスに人口調整の報告をし、「前回、出生率を増やしたので、今度は老人の死亡率を上げます」みたいな事を言っていました。これを聞いたときは、「そういえば、もうそろそろ、後期高齢者医療制度が施行されて一年たつんだな」などと思ってしまいました。
一方、三人が公園でタルトに、ラビリンスの事を聞いています。インフィニティについては、無限の容量を持つ記憶装置らしい、という事が明かされました。全ての世界を管理するためのストレージとして必要なのでしょうか。
さらに、もしメビウスに支配されるとどうなるか、という質問に対しては、「全てが管理され、自由に学校・職業・恋愛相手も選べない世界になる」との事でした。これを聞いた時は、最近起きている「親が失業して授業料を払えずに高校退学」みたいな話を思い出しました。
そんな話をしていると、和希がやってきます。相変らず彼氏と勘違いしているラブたちですが、和希が「姉さん」と言った事から、彼が幼少時に一緒に遊んだ「泣き虫カズちゃん」である事に気づきます。
忘れ去られた上に、泣き虫呼ばわりされた和希ですが、そんな事は気にせず、父親経由できた、美希のモデルデビューの話をしていました。人間が出来ているのか、鈍感なのかはよくわかりません。
それを記念して、三家合同のパーティーが開催されます。そこでは、美希の母・レミが元アイドルだった事や、あゆみがレミに対抗意識を持っている(?)事などが明かされました。
一方、美希が海外でも活躍するモデルになる可能性がある、となると、当然、現在三人でやっている事が問題になります。それについて話が出るわけですが、美希もラブも「ダンスもプリキュアも」という順番で話していました。そして、ラブと祈里は、後は二人で頑張るから、と美希のモデル挑戦を後押しします。その際、ラブは心底の笑顔でしたが、祈里は途中で含みを持った笑顔に変わったようにも見えました。
そして、美希のオーディションの日ですが、一方で公園では花見が行なわれています。そして、西隼人はハーレム状態となっており、「隼人さん、私の作った卵焼きです」などと言われています。いったいどのような経緯で、このような花見が実現したか、気になりました。
また、後ろでは、酔って日の丸扇子を両手に持って踊るサラリーマンがいました。それを見た時は、「こんな物を持ちながら酔って踊る人を見たのは、『めぞん一刻』の一ノ瀬さん以来20年ぶりだな」と妙な懐かしさを覚えました。
そして、隼人は「よく分からないが、みんな楽しそうだから不幸にすれば落差がある」などという理由で、いきなりスイッチオーバーします。周りの人は驚きますが、どうせなら、「隼人さん、すごい宴会芸!」みたいな感じで彼女たちが勘違いして一瞬盛り上がるような描写があったら面白かったのでは、と思いました。
そして、桜の樹をナケワメーケ化しますが、それを花見の取材で来ていた(?)テレビに映り、ラブと祈里は事件を知ります。余談ですが、アナウンサーの持っているマイクが「BCD」となっていたところに、妙なこだわりを感じました。
そして闘いが始まりますが、出るたびに強化されているナケワメーケに対し、一人足りないプリキュアは歯が立ちません。それに対し、ウエスターは「前にも言ったはずだぜ。ナケワメーケは密かにパワーアップしているとな」と自慢します。それは「密かに」ではないように思えますが、これもギャグの一環なのでしょうか。
祈里は、美希がいないからパワーが足りないかも、と言いますが、ラブは「もうベリーはいないんだよ」と笑顔で言って、祈里を励まします。対して、祈里は、目を潤ませながら、頑張って笑顔を作って、「うん」と言います。
その頃の美希は、最終審査が終わり、控え室で発表を待っています。その時、偶然流れていたテレビ番組が終わり、美希の隣の人がチャンネルを何気なく変えると、「BCD」のニュースが映り、美希は状況を知ります。もしこの時、隣の人がNHK教育かTV東京あたりにチャンネルを変えていたらどうなっただろうか、などと思いました。
ラブは先週得た「キュアスティック ピーチロッド」を取り出すも、技を出す前にロッドを飛ばされてしまいます。前回出たばかりの新アイテムがあっさり敗れる、というのはかなり珍しいのでは、と思いました。
そして、駆けつけようとするとする美希の元に、予期していたかのごとく、カオルちゃんが車で現れ、闘いの場である公園まで連れて行きます。この描写を見る限り、彼は三人がプリキュアである事を知っている事になりますが、そのあたりについては、とくに突っ込んだ描写はありませんでした。
そして、ウエスターが「プリキュア敗れたり!」と言ったところに、美希が現れて形勢逆転。ヒーリングフレアに続いて、エスポワールシャワーを放つと、ナケワメーケの目の色が変わり、ウエスターが「まずい」とつぶやきます。そこで、先ほど飛ばされたピーチロッドでラブが止めをさし、撃退しました。
闘いが終わった後、オーディションの話になります。美希がピンチを見てオーディションを棄権して来た事を聞き、ラブと祈里は「自分たちの力が足りず、美希の夢をつぶした」と泣き出します。それに対し、美希は「どちらにしろ、三人でなければ勝てなかったから」と言い、さらに「チャンスはいくらでもあるから」と言って自信のほどを見せ、話は終わりました。
美希の描写はの大半は、「オーディションの会場で待っている」みたいなものでした。闘いについても、特に葛藤もなくオーディション会場から出ていました。そのため、最初にも書きましたが、美希自体の描写では、特に印象に残るものはありませんでした。
代わりに印象に残ったのは、美希が離れる事に対する、ラブと祈里の描写の微妙な違いでした。二人とも、ダンスやプリキュアのメンバーが欠ける事に困りつつも、美希の応援を最優先しよう、という立場を取ります。
しかしながら、祈里は「応援はしたいけれど、美希がいないと・・・」という心理状態を随所で見せていました。対して、ラブは「あとは二人でやっていくから」という強い決意を常に見せます。これは、ラブの基本設定である「他人の幸せを全力で応援する」ゆえの事なのでしょう。ただ、それ一筋を押し出す余り、「美希なんていてもいなくても同じ」ととらえられ兼ねない描写が随所に出てしまいました。そのあたりは、もうすこし緻密に描いてほしいものだと思いました。
一方、短いながら、レミの逸話も気になりました。美希がいなくなる以上、和希と暮らそうとするのは当然とは言えますが、そこで「ママをお嫁さんにして」などと言っています。元々、ちょっと変わり者という設定ですが、さすがにこの一言には驚きました。これからも、随所でぶっ飛んだ活躍をしそうに思われます。離婚に至った経緯なども描かれたりするのでしょうか。
次回は、祈里とタルトが入れ替わる、というかなりもの凄い話のようです。フェレット嫌いの原因なども描かれるのでしょうか。