なかよしラブリー2008年夏の号

 「プリキュア5GOGO」は、まどかとシロップという異色の組み合わせによる話でした。シロップは、今の世界に馴染みつつあるものの、記憶の事などがひっかかっています。そのため、皆が七夕をやっている時も、斜に構えた態度を取っています。
 そのシロップに対し、初対面である、まどかがムチャクチャやって振り回すかのような行動を取ります。しかしながら、そんな中で、まどかはシロップの心中を見抜き、「心の中にあるものを具体的な言葉にしてみる」という助言を送ります。

 七夕における、「短冊に願い事を書く」という事の意義と、シロップの中にある、モヤモヤの解決策をを巧く組み合わせた話でした。
 そして、豪快さと大人ならではの視点で助言をした、まどかの描き方にも感心しました。設定的には面白いのに、なかなか出番がなかったキャラですが、今後も、このような形で活躍してほしいものです。
 なお、シロップの設定については、まだ色々な謎が隠されています。今回の話は、謎が明かされてから振り返ったときに、「なるほど、そういう事だったのか」と再度納得できるような話になるのでは、と思いました。

 「かみちゃまかりんchu」は単行本最終巻が出た後の番外編。内容は、模試の成績下降に悩む、花鈴と和音に、すっかり「いい人」になった烏丸兄が、気分転換のために様々な特別チケットを送り続ける、というギャグ話でした。
 本編終盤のゴタゴタした展開には少々ついていけませんでしたが、今回の話は久々に楽しめました。
 「マジカルダンス番外編」は、リンが夢の中で舞踏会に行ってカイとワルツを踊る、という文字通りの「番外編」でした。毎度の感想になりますが、ヒロインと踊りの描写が上手いと思いました。
 「きみはワンドル」は毎度のドタバタギャグですが、今回もノリが楽しめました。あと、しょうもない事ですが、たわしは一日で一個使うものでないので、「一年分」といってもあんな量にはならないのでは、と思いました。
 表紙にもなった「地獄少女」は、温泉宿を巡る、四百年前の因縁話でした。せっかくの因縁設定は全くもって活かされていませんでした。あと、問題が発生した温泉の名前に、実在の有名温泉がある市の名前をつけるのは何だかな、と思いました。
 「なでしこシュート!」は来月が五輪という事もあり、今回で完結。話が始まった時は、もう一人の主人公的存在であった、「桜」がいなくなっていました。初期設定は面白かったと思ったのですが、それを上手く活かせなかった感じで、少々勿体なさを感じました。
 シリーズものになった「セレブな奴隷(スレイブ)」ですが、何かベタな金持ち少年ネタでした。あの展開で「店ごと買う」はベタベタ過ぎます。だいたい、親の金でやっているだけの話で、この連中は自分の力では何もしていません。本当に、人気があってシリーズになったのか?と少々疑問に思いました。

 瀬田ハルヒさんの読み切り「ピタゴラスのメイク」は、斎藤保茂をさらに異常にしたような男が登場。いくら「全てが数学」と言っても、化粧のやりかたを覚える男子高校生、というのは異様だと思いました。
 「人魚姫に恋して」は、男性の視点で話が進むという珍しい話でした。他人の視点を使う事により、ヒロインの元気さと恋心・失恋の心理などを、巧く描いていました。また、主人公の少年についてもうまく描かれていました。
 「きみにアタック」は、ヒロインの描写が面白い話でした。無理してゴスロリ姿で合宿に行きつつ、鉄アレイやプロテインを手放せない、という設定など、ヒロインの個性が印象に残りました。
 新人さんの「恋せよ乙女」も、題材的には珍しくないものの、主人公を初め、各キャラの描写が楽しめました。デビュー作でこれだけ描けるなら、今後も楽しみだと思いました。