ミュウミュウ4人(ざくろさんはグアムへの撮影旅行中のため不在)が離れている時に、それぞれを攻撃する、という「エイリアン」3人の戦法にはまった上、いちごが風邪で本来の力が全然出せない、という危機。その時、いちごのところへ謎の男「蒼の騎士」が現れる、というところで前話は終わりました。
ところが、この蒼の騎士、いちごを襲ったキッシュと延々とチャンバラするだけです。その間に、みんとはパイの攻撃に追い詰められ、れたすと歩鈴はタルトの攻撃に逃げるのみとそれぞれ危機なのですが、「いちご、お前を守る」としか言わない蒼の騎士にとっては対象外のようです。
さて、ミントアローもパイにはじき返され、まさに絶体絶命の危機というみんとの所に現れたのがグアムにいるはずのざくろさんでした。みんとを襲うキメラアニマをあっさりとまとめて片付け、パイの攻撃もかわします。そしてれたすと歩鈴のところへ。そしてそちらもこれまた一撃でキメラアニマを撃退し、いちごの救援に。
全員が揃ったところで、何の脈絡もなく風邪が治ったいちごがリボンストロベリーサプライズを出して「エイリアン」を撃退しました。
この戦いにおいて、蒼の騎士とざくろさんのどちらが役立ったかは一目瞭然でしょう。なお、この場面ですが、蒼の騎士登場のほうは、状況こそ違えど原作の登場とほぼ同じ描き方をしています。一方、ざくろさんがらみの話はアニメの完全オリジナル。
アニメのスタッフが、「蒼の騎士」の助っ人ぶりに皮肉をこめて、ざくろさんの活躍を追加したのかどうかわかりませんが、とにかく二人の「活躍ぶり」の差が目立ちました。
その後は、蒼の騎士の正体論議。いきなり歩鈴が「耳が同じだから『エイリアン』の同族だ」と核心を突いた発言をします。しかし、その発言は無視されて、「蒼の騎士の入れ替わりに白金が現れた」とか「白金と同じセリフを言った」などから白金説が浮上。さらに、地下室で蒼の騎士の映像を見せた赤坂に対し、白金が「この存在については言うな」などと言うものですから、余計わけがわからなくなります。
さて、この蒼の騎士ですが、私はミュウミュウの人気が失速した重大な要因の一つだと考えています。このキャラは二つの意味で、作品において大きな悪影響を及ぼしました。
一つはまず「いちごを守る者」という存在そのものです。変身前のいちごなら、一応、普通の女の子なわけですから、「守ってくれる存在」がいても問題がありません。ところが、これが「ミュウイチゴ」となると話は違います。一応、この「美少女戦隊モノ」のリーダーなわけです。その彼女がピンチのたびに「明らかに格上の存在」に守られる、というのはいかがなものなのでしょうか。
もう一つの問題点は、彼の正体に対する伏線です。原作・アニメとも、いたるところで、白金や赤坂が蒼の騎士ではないか、というような表現がありました。結局、正体は青山だったわけですが、「青山が蒼の騎士である」という伏線はどこにもありません。強いて言うなら「青と蒼」「二人が同時にいた事はない」くらいですが、それは白金・赤坂も同じ事です。
このような「さんざっぱら伏線みたいな事を出しておいて、実はそれは読者・視聴者を惑わすためのものだった」というのは話の作りとしてどうなのでしょうか。実際、青山が蒼の騎士だと分かった時に、「なるほど、これであの時の※※の意味がわかった」という物は何一つありませんでした。
ちなみに、アニメオリジナルの「白金・赤坂は映像を見て知っていたにも関わらず、蒼の騎士の存在についてすっとぼけていた」という事についての説明も一切なされませんでした。
一方、蒼の騎士が白金ではないかと思ったいちごは白金を意識します。そして話は白金がいちごを海に誘う、という意味深な引きで終わります。しかし、数分後の次回予告で「実はみんなで海」という事があっさり判明。このあたり、何を考えているのか、本当にわかりません。
とまあ、かなりきつい事ばかりを書いてしまいましたが、「最強の助っ人ざくろさん」に「名探偵歩鈴」と「ワトソンれたす」など、この話自体はいろいろといい描写が多く、実は気にいっていたりします。「蒼の騎士」の伏線に関する問題点も、この話を作った人でなく、むしろ原作者もしくは全体を構成した人に問題があるわけですし。ある意味、この話を作ったアニメスタッフは被害者と言えるのかもしれません。
あと、このシリーズでキッシュがディープブルーの言動への不信感を明言します。蒼の騎士の出現にあわせての、この叛意の表明は興味深いところです。もしかしたら、蒼の騎士(=ディープブルー)と剣を交えた時に何かを感じたのかもしれません。
このアニメ独自のキッシュ観も興味深いところであります。