公式をはじめ、事前に得た情報に期待できるものがなかったので、当初は回避する予定でした。ところが、映画オリジナルの敵役「ダークドリーム」がやけに好評で、それが気になったこともあり、予定変更して観に行きました。
筋立てのほうは、鏡の国から世界征服を目指す「シャドウ」が手下の「ミギリン」「ヒダリン」に、のぞみの姿を写し取って「ダークキュアドリーム」を作成。さらに、遊園地でココとナッツを攫い、それにからんだ戦いで、残りの四人の姿を写し取って「ダークプリキュア5」を結成するというところから始まります。
そして、鏡の国まで追ってきた五人にダークプリキュアを戦わせます。しかし、のぞみたちは勝利し、シャドウをクリスタルシュートで撃退。さらになぜか巨大化したシャドウに、プリキュアファイブエクスプローションで殲滅する、という話でした。
幕が開くと、いきなりGRAYを使ったHIV検査奨励広告、という子供向け映画らしからぬ映像が流れました。その後、少林サッカーの続編・「Mr.ビーン」・北欧系ファンタジー・「ワンピース」の宣伝などを15分くらいやった後、やっと本編が始まりました。
とりあえず、端的な感想を書きます。この話の見所は、のぞみ対ダークドリームです。これが唯一にして最大、と言っていいかもしれません。そのくらい、この映画オリジナルキャラの出来は良く、一方、のぞみも自分らしさを最大限に発揮していました。そういう意味では、ネットで得た情報そのまま、とも言えます。
ダークドリームは冒頭で、のぞみの姿を写し取ることによって誕生します。第一の使命は、人間界に行って、他の四人の姿を写し取ることです。この時点では、群衆に紛れて、たまに姿を出し、使命を果たして気付かれず去っていきます。この時点での、黒いゴスロリ風の服と、表情があっており、まず印象に残りました。
のぞみとの戦いにおいても、まず戦闘用異空間に飛ばすのですが、到着早々、皆の無事を知って喜ぶ、のぞみに、「なぜ笑う?」と興味を示します。他のダークプリキュアは、いきなり相手の存在を全否定しながら戦いに入るだけに対照的です。
そして、戦いの中でも、のぞみの考えを否定しつつ、だんだんとその心に興味を持ちます。そのように導いた、のぞみの言動も、彼女らしさが良く出ていました。
そのうちダークドリームは、自分は造物主であるシャドウに戦う事しか教わっていない、と言います。そして、最後は涙ながらに、自分も笑ったり喜んだりしたい、というような事を言います。
そして、戦いをやめて二人で戦闘空間を出ます。驚く四人に対し、のぞみは「友達」とダークドリームを紹介しました。そして、のぞみ達とともに、シャドウの居城へ行き。のぞみをかばって命を落とし、元の姿であるピンク色のクリスタルだけ残して消滅しました。
そしてシャドウを倒し、皆がパーティーに行きます。その中で、のぞみは一人、かつてダークドリームだったクリスタルを見ます。それには、のぞみをかばった時についた傷が残っていました。その短い間だったが確かに友達だったダークドリームに心の中で別れをつげ、皆の所に行く、という所で話は終わりました。
というわけで、「本筋」部分だけは良くできていましたが、それ以外は突っ込みどころが少なからずありました。以下、列挙します。
- 「お姫さまランド」の部分が無駄に長すぎます。1・3年の「お姫様ごっこ」や、りんの「追いかけっこに勝利」や、鏡に驚いたりぶつかったりする五人など、何のために描いたのかよく分かりません。
- 映画オリキャラの「ミギリン」と「ヒダリン」キャラが作られていません。当初はシャドウのいいなりで、後で反逆するわけです、その理由が「ミルクの説教」ではピンときません。あと、声優さんやったお笑いコンビの持ちネタ宣伝はうざいだけでした。
- 敵キャラ「シャドウ」がなぜカマキャラなのか、よくわかりません。あと、コワイナー仮面を持ちながら、ナイトメアとは無関係、という設定もちょっと謎です。
- ダークプリキュア5との戦いで、こまちがダークミントを倒した後、体を抱きかかえて「本当はあなたも助けたかった」と言う場面はなかなかいい描写です。ところが、直後に、のぞみがダークドリームと一緒に出てきたら、彼女の立場がありません。
- 「最大の売り」である、「子供達が応援ライトをかざすとプリキュアがパワーアップする」ですが、私のいた映画館では、あの部分は盛り上がっていませんでした。まあ、子供向け映画に詳しいわけではないので、これが成功なのかどうかは何とも言えませんですが・・・。
- 部分的にかなり作画が雑でした。
あと、突っ込みどころではありませんでしたが、自分的にウケた場面が二つほどありました。一つはシャドウの迎撃態勢で、相手を模した五人の敵を用意した上に、捕らえたココとナッツは、鏡の中に閉じこめています。その名前と相まって「影道の塔」「死鏡剣」「デスクイーン島の暗黒聖闘士」などという「車田用語」を思いだしてしまいました。
あと、のぞみ達が最終決戦で「スーパープリキュア」に変身します。といっても。ただ単に背中に蝶の羽がつくだけですが・・・。ただ、この時、のぞみが何かにキスしてから変身します。こういうのを見ると、毎度ながら、ミュウファンの血が騒いでしまいました。
最初にも書きましたが、のぞみ対ダークドリームならびに、そのダークドリームの描写以外は、あまりいいとは思えませんでした。ただ、その良かった部分に限っていえば、かなりいい出来だったと思います。
いっその事、「お姫様ランド」の部分をやめて、代わりに、人間界に潜り込んだダークドリームが、のぞみと、正体を隠して会話する、などという場面があったりすると、いい伏線になったのでは、と思いました。あと、せめてダークドリームには名前をつけてほしかったものです。そのような感じでダークプリキュア5を掘り下げて描いていれば、かなりの名作になっていたかも、とも思いました。
- 追記1・アニメコミック版・ミニ感想。
- 追記2・DVD版感想