Yes!第16話

 こまち話かと思いきや、主題はむしろナッツの心理描写でした。同世代には好評だった、こまちの小説「海賊ハリケーン」ですが、「パルミエ王国一の読書家」ナッツには欠点ばかり目立ってしまいます。このあたり、悪く言えば大人げないで、良く言えば、純粋すぎるとなるのでしょう。そして、性格に意地も重なって、ナッツは自説を曲げません。そのため、傷ついたこまちは、出て行ってしまいます。
 当然、皆に責められたナッツは悩みます。彼としては、自分が、国一番の読書家と知って評価を頼まれた以上、妥協した感想を求められるのはおかしい、といったところなのでしょう。一方、彼女たちは、「仲間なんだから気を遣うべきだ」という、子供としては普通の発想で怒ります。
 悩むナッツに小々田が自分には解決法が分かる、というようにほのめかします。これなどは、教師として、向こうでもこちらでも子供達と接している彼ゆえなのでしょう。また、それを安易に教えず、ナッツ自らによっての解決を待つ、というのも彼らしい友情表現と言えそうです。

 一方、こまちは公園で追ってきた、かれんに励まされます。しかし、本心は伏せて会話を終わらせます。さらに、帰宅後、姉のまどかに頼んで、豆大福をナッツハウスに届けさせます。この二つの描写は、何とも言えないものがありました。前々回で、かれんが板挟みで悩んだ時に、こまちにだけは、弱音も含んだ本音を言っています。それに対し、こまちは、かれんに対しても本心は語りません。また、まどかに届けさせるあたりは、「こっちはいつも豆大福をあげているのに、あんな事言って・・・」みたいな意図を感じました。
 直前に読んだ漫画版こまち話が良すぎたのに加え、前々回での、こまちの描写が良かった事があり、この二つの描写は違和感がありました。まあ、打たれ弱いキャラ、という設定なのかもしれません。あと、余談ですが、こまちの部屋の「和室に低いベッド」というのを見たとき、ほのかの部屋を思い出しました。
 ところで、まどか初登場の場面で、フルフェイスのヘルメットで現れて「客だよ」と言ったまどかに対し、「人と会うときに顔を見せないようなのを客とは思わない」とナッツは一喝します。まどかが納得したため、問題にはなりませんでしたが、このあたりも彼らしいと言えるでしょう。もっとも、現在の日本ではフルフェイスのヘルメットを被っての入店は認められない店が多いので、当然の反応とも言えますが。
 そしてナッツは、こまちの家まで出向きますが、やはり自説は曲げません。四人はそれを庭の植栽に隠れて見ていたのですが、かれん・りん・うららがそれを聞いて怒ったのに対し、最後に出てきたのぞみは、なんとか場をおさめようとします。このあたり、やや天然もあるのでしょうが、のぞみならではの「リーダーらしさ」が上手く描かれていると思いました。

 ところで、ナイトメアのほうは、デスパライアが二度目の登場。スクリーンを通じて、ブンビー達に訓辞をたれます。また、その前にカワリーノは「努力や予定でなく、結果」といつもの論法でブンビー達を叱咤しています。毎度の事ながら、現実感ありすぎです。
 その社長(?)直々の指令もあり、今回担当のアラクネアは凝った作戦を練ります。こまちとかれんの会話を盗み聞きし、こまちの傷が癒えていないことを知って、そこにつけこもうとします。
 そして、こまちの書いた小説世界に皆を連れて、そこで戦いを挑み、海賊船のロープを使って優位に進めます。そして吹っ飛ばした際に落ちたドリームコレットを持ったナッツを襲いますが、こまちが助けます。そして、自分の作品世界を勝手に改変された怒りをバネにリーダー的立ち位置で戦います。この怒りの描写には、スタッフの感情も含まれているのでは、などと思いました。
 そして、コワイナーへのとどめは、かれんのアクアストリームでした。このあたり、細かいながら、こまちが主の話であることを意識しているな、と思いました。
 戦いが終わり、ふたたび秋元宅に戻ります。そしてナッツは、欠点の批判は撤回しないまでも、良かった部分をほめる、という「大人の対応」で問題を解決しました。

 というわけで、「こまち話」としては、いくつか物足りない点もありました。まあ、繰り返しになりますが、直前に読んだ漫画版での「こまちらしさ」が良すぎて、ついつい比較してしまう、というのがあるのかもしれません。そして、ナッツ話としては非常に楽しめました。
 次回は、りんの「純情乙女話」です。りんの描写や、武内さんの演技力など、いろいろ楽しめそうな点がありそうです。

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