SS第18話

 冒頭、住まい(?)の瓢箪岩から月を見ている満と薫から始まります。二人とも、自分のエレメント(?)である、月の美しさや風の気持ちよさを挙げて、「緑の園」の住みやすさをほめます。余談ですが、他に誰もいない岩の上で二人で月を見ている場面では、漫画「デビルマン」の最後の場面を思い出したりしました。
 そこに現れたゴーヤーンとの小競り合いを通じて、彼女たちの現時点での咲と舞および「緑の園」への認識を表現しています。冒頭部分を全てそれに費やす事も含め、今回が「満と薫の話」であることを示している感じです。

 さて本編は、パンパカパンのセールに満と薫を呼んだ咲が、強引に二人に接客およびみのりの相手をさせる、というもの。客として呼んだはずの二人をなし崩しに手伝わせたのが咄嗟の判断によるものなのか、初めから仕組んでいたのかは謎です。いずれにせよ、「命令されるのが何よりも嫌い」な二人をうまく拝み倒して手伝わせる咲の技はすごいと言えるでしょう。また、接客ができそうにない薫をみのりの相手に回した判断もさすがです。もちろん、満と薫が初登場時より丸くなった(人間にあわせるようになった?)ためでもあるのでしょうが。
 この「手伝い」においては、みのり担当の薫が大活躍。手伝わせてもらえない事をすねるみのりに対し、普段と全く変わらない「気遣いゼロ」で応対。最初は泣きかけていたみのりですが、その率直な指摘を聞いているうちに、「自分にできる事」に気づき、老人を案内して皆に褒められます。さらに「人によって出来ることは違う」の例として、「自分と満の違いや、満に対する想い」について話したりしていました。初登場から満との相違点として設定されていた「気遣いを一切しない」を非常にうまく使っています。
 一方の満のほうは、咲に接客マニュアルを教わり、それを実践。そして「客に喜ばれる事が嬉しい」という感情の発生に内心驚いている感じです。
 店が一段落したところで一休みし、満と薫は咲と舞に絶賛されます。内心はともかく、それを聞き流してあっさり帰る二人を追いかけ、咲と舞はお礼のパンを渡します。その帰り、瓢箪岩が接近したと思ったらドロドロンが登場し、岩がザケンナー化します。変身した二人ですが、ドロドロンの糸に捕らえられ、身動きがとれません。
 その一部始終を見ていた満と薫は、先ほど、二人に感謝された事を思い出します。そして苦しむ二人を見て心が動き、糸を断つなど、ドロドロンを妨害。おかげで何とかプリキュアの勝利に終わりました。
 戦いが終わり、瓢箪岩の上でパンを食べながら、二人は今日一日を振り返ります。。薫は、「糸を切ったのが自分だと知ったら、あの二人は『有り難う』と言うのかしら」と葛藤を見せます。そして、ともに「アクダイカーンさまのために」とお互い自分を納得させるような形でとりあえず気持ちを整理し、話が終わりました。

 放映前から期待していた話でしたが、それを裏切らない内容でした。特に、薫の「建前を言わない」という設定を「みのりとの話し相手」として生かしたあたりは絶妙でした。他にも至る所で、満と薫の心理や変化をうまく描いていました。
 唯一残念なのは、ドロドロンの糸に身動き取れなくなったプリキュアを「先ほど感謝された事を思い出した」という理由で助けたところ。ちょっと安易な感じです。
 あそこは、たとえば「せっかく満と薫が手伝ってくれたのに、このままではまた店が大変になる」みたいな理由で二人が普段以上の力を発揮して自力で脱出させ、その力に改めて満と薫が驚くとでもしたほうが良かったのでは、と思いました。また、満と薫が助けるとしても、現時点での二人の意識なら「自分たちが住んで気にもいっている『瓢箪岩』を変な事に使って」みたいな動機付けのほうが自然でしょう。そこさえしっかりしていれば、かなりの名作になっていたのではないでしょうか。
 とにもかくにも、この四人がどうからんでいくのか、今後もますます目が離せません。

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