「ヒーリングっど」第10話

 ビョーゲンズの三人が、それぞれメガビョーゲンを発生させる、という形での戦闘メイン回でした。
 そして、戦闘に勝つために割り切った判断ができない、という花寺のどかの、長所でもあり短所でもある一面が描かれていました。
 日常描写が少なかったのは少々残念でしたが、このシリーズならではのキャラの描き方が楽しめた話でした。

 隣の市に電車で校外学習に行く、というところから始まりました。
 生まれて始めて電車に載る花寺のどかは、「改札でひっかかる可能性」まで楽しみにしていました。身の回りのあらゆる事を楽しめる、という彼女の特徴が面白く描かれていると思いました。
 続いて、通りかかった高齢者が、財布の中身を落とします。
 花寺のどかは、即座に拾おうと動き出しますが、沢泉ちゆは、通りかかった自転車が花寺のどかにぶつからないよう、配慮していました。
 さらに遅れてやってきた平光ひなたは、路上で見当たらない「お守り」が下水溝の蓋にある事を一瞬で見抜き、見つけ出します。
 このようなちょっとした逸話からも、三者三様の良さを描く、というのには毎度ながら感心させられました。
 そして、電車のなかで、車窓風景にはしゃぐ花寺のどかを横目に、沢泉ちゆがお守り発見を率直にほめ、平光ひなたは落とし物の多い自分は「経験者」だから、と答えたのも面白いと思いました。
 ちなみに、皆が乗っている電車の窓は、一時代古いものでした。家や校舎なども一時代古いというこのシリーズのコンセプトゆえなのでしょう。ただ、どうせなら、座席もボックスシートにすれば、よりレトロ感があったのに、と鉄ヲタ的には勿体無く思いました。
 そして、ガラス美術館に到着し、芸術家の長良澄子の解説や、自分史を聞きながら、三人は芸術を堪能していました。
 この長良澄子の経歴や想いをしっかり描いていたのも面白いと思いました。あと、プリキュアでガラス工芸家が出てくるのは、「S☆S」以来、14年ぶり二度目です。かなり珍しい分野なだけなのに、ちょっと気になりました。

 一方、ビョーゲンズは、今回もキングビョーゲンにラブラブなシンドイーネと、それをからかうグアイワルという描写がありました。その二人の喧嘩(?)についていけないダルイゼンが二人を無視して「仕事」に行きます。
 それに気づかず、争っていた二人が、「地球を蝕む競争」をはじめ、結果的に、三人が同時に別の場所でメガビョーゲンを召喚する、という展開になりました。
 こういう展開はかなり珍しいですが、これまでの9話で、三人の事をじっくり描いていたため、非常に納得できました。
 敵キャラの描き方も本当に深いものだ、と改めて感心させられました。

 また、留守番を頼まれていた妖精たちですが、花寺家で話しているうちに、ニャトランが追いかける事を提案し、ラビリンは大喜びで賛同、ペギタンは止めようとするも押し切られる、という結果になります。
 その直後にグアイワルが現れて戦闘となります。
 いつもどおりプリキュアが優位だったのですが、ラテの状況から、ダルイゼン・シンドイーネも動いている事がわかり、プリキュアは三手に分かれて迎撃することになりました。
 この作戦は失敗します。その理由の一つに、美術館に残った花寺のどかが、長良澄子の作品を守ることにこだわりすぎて、充分に闘えなかった、というのがありました。これも、彼女の長所と短所を上手く描いていたと思いました。
 一方、離れた場所に向かった沢泉ちゆと平光ひなたですが、進化してから時間が経ったために強力化したメガビョーゲンに苦戦をします。
 元が「病原菌」だけに、この設定はわかりやすいと思いました。また、この「病原菌をろくに検査せずに放っておいたら大変な事になった」という今の世相にぴったりあっており、作った人には予知能力でもあるのだろうか、などとも思いました。

 ラビリンは、まずは川に現れたメガビョーゲンを三人で倒そうと進言しますが、ガラス作品を守る想いが強い花寺のどかは受け入れません。
 一方で、沢泉ちゆと平光ひなたは、美術館に戻りました。このあたりも、花寺のどかへの気遣いみたいなものがあったのだろうか、と思いました。
 そしてグアイワルのメガビョーゲンを三人で倒し、次の戦闘地である川に向かいます。
 途中、花寺のどかは、自らの判断ミスを悔いますが、ラビリンやニャトランの気遣いで元気を取り戻す、というところで話は終わりました。

 戦闘が大半を締めましたが、序盤の校外学習に向かう時のやりとりの面白さや、それが戦闘にも繋がったという描き方は大変楽しめました。
 また、プリキュア史上初と思われる、三幹部が別々の場所を襲撃というのも面白いと思いました。その原因がしっかり描かれていたこと、それに対するプリキュアの試行錯誤の描き方も上手いと思いました。
 次回も戦闘の続きですが、そこからどんなドラマが描かれるのか、今から大変楽しみにしています。