「ヒーリングっど」第7話

 花寺のどかの転校と同時にビョーゲンズが襲撃した事を不審に思った、新聞部員の益子道男が、彼女を追いかけて「取材」をする、という話でした。
 映画作成の煽りなのか、作画も筋立てもちょっと雑なところもありましたが、その制約のなか、色々と面白い描写が楽しめた話でした。

 これまで他の二人と比べ出番が少なかったグアイワルですが、今回は、強烈な個性をのっけから見せてくれました。
 シンドイーネに喧嘩を売ったあと、「オレはここが違う」と自分の頭を指さします。「外見と違い頭脳派なのか?」と一瞬思いましたが、直後に、その頭で岩を割り、石頭ぶりを自慢していました。
 天然なのか、狙っているのかわかりませんが、この描写は心に焼き付きました。
 さらに、「指を抱えて待っていろ」などと慣用句を誤用する、というギャグもかましていました。そのうち、平光ひなたと、言い間違いで掛け合いをするのかも、などと思ったりもしました。

 さて、今回から登場した、益子道男ですが、色物キャラと思いきや、かなり設定がしっかりしていました。
 小学生の時、雨上がりの蜘蛛の巣を見て、その美しさに驚いて撮影し、学校新聞に載せた事がきっかけで、ジャーナリズムを目指します。
 そして、すこやか中学で新聞部を作りますが、取材にのめり込むと常軌を逸してしまう性格もあり、一緒にやる人はだれもいません。
 色々なこだわりがあり、自分の肩書は「すこ中ジャーナル編集長兼記者」であると強く主張し、それ以外の呼ばれ方をすると怒ります。
 クラスメートの男性キャラでここまでじっくり描かれたのは「魔法つかいプリキュア」の大野壮太と並木ゆうと以来かと思いました。
 かなり扱いづらいキャラかと思いますが、今後、どのような位置づけになるのか、興味深いものがあります。

 その益子道男の「取材」に対処する、という形で話は進みます。
 花寺のどかが尾行に気づいたのですが、実は沢泉ちゆは前日に気づいており、一方で平光ひなたは気づいていなかった、という三人の描き方は「らしさ」がよく出ていると思いました。
 また、「ジャーナリズム」と「リズム」を引っ掛ける事にこだわる益子道男が、沢泉ちゆの笑いのツボに入り、止まらなくなってしまいます。
 日頃の鋭い洞察力や、大人のような態度と、この笑い上戸ぶりという対照的な属性が面白いと思いました。まだ7話ですが、既に史上最も、笑いの沸点が低いプリキュアであること、間違いありません。
 ちなみに、史上最も笑いの沸点が高いプリキュアは「S☆S」の美翔舞です。
 それはともかく、その後も、益子道男が花寺のどかを追いかけているのを見ると、走り高跳びの県内記録に挑戦する事により、彼の注目をひいて、花寺のどかを助ける、という体を張った気づかいもありました。
 余談ですが、県内記録と聞いたときは、暁美ほむらが転校してきて走り高跳びを行い、「県内記録じゃない?」と驚愕された事を思い出したりもしました。
 一方で、平光ひなたも、すこ新ジャーナルにファッショの特集を組むように提案するなど、得意の分野と独特の押しで、花寺のどかを助けていました。

 さて、グアイワルが登場し、雨水を使ったメガビョーゲンを作ります。そこに居合わせた益子道男は、ジャーナリズム魂を炸裂させ、取材を申し込みます。
 それに対し、グアイワルは、勿体ぶりながらも、「人間ごときの取材をうけるのは不本意だが、これもビョーゲンズを広めるため」などと言って応じようとします。
 今回、「プリキュアの正体は明かしてはならない。明かすと大変な事になるはずだが、具体的にどうなるかは誰も知らない」という定番の会話がありました。
 それに対し、ビョーゲンズは自分たちの存在が公になっても何ら構わない、という考え方のようです。
 しかし、グアイワルに気づかなかった益子道男は、メガビョーゲンに取材を申し込んでしまいます。この一連の描写にも、彼の特徴がよく伝わっており、面白いと思い巻いた。
 花寺のどかがいないところでビョーゲンズが現れた事から、益子道男の仮説は成り立たなくなり、花寺のどかに謝罪し、これで取材の件は一段落しました。
 一方で、闘いの最中、飛ばされたメガネを探していた益子道男は、視覚的には何も覚えていません。しかし、プリキュアという名前は耳で覚えていました。今後は、プリキュア取材をするのでしょうか。
 そして、花寺のどかが、改めて益子道男がこだわっていた、「雨上がりの蜘蛛の巣」の美しさに感心しつつ、皆で平光ひなたの店でお茶しよう、などと話す、というところで話は終わりました。

 冒頭に書いたように、色々あって、絵が雑なところとか、「取材」の追跡が冗長な所などもありました。
 しかし、そんななか、プリキュアの三人はもちろん、新キャラの益子道男やグアイワルについて、印象に残る描き方が色々とあり、楽しめました。
 あと、益子道男がジャーナリズムに目覚めたきっかけであり、話のラストにも出てきたのが「雨上がりの蜘蛛の巣」だった、というのも、このシリーズの主題である、「地球環境を大切にする」とうまくあっていたと感心させられました。
 次回は、今回、走り高跳びで記録を出した沢泉ちゆがスランプに陥る話のようです。今回の話とつながっているのでしょうか。
 スポーツ選手としての彼女がどのように描かれるのか、また、スランプの彼女を花寺のどかと平光ひなたがどのように手助けするのか、今から楽しみです。