上北ふたごさんによる、漫画「HUGっとプリキュア」の単行本2巻が発売されました。
特装版には、春の映画とタイアップした「直近三シリーズのプリキュア勢揃い」漫画も掲載されています。
プリキュアコレクションができてからは、この単行本2巻で描きおろされた漫画を読んで、「このシリーズも完結したんだな」と思うようになりました。
そして、今回の描きおろし漫画は、この「HUGっとプリキュア」の良かったところも残念だったところもすべて掌握した上で、作品の主題であった「子育て」「イケてる大人のお姉さんになりたい」を完璧に描いた作品となっていました。
その描きおろし作品ですが、異例ともいえる、野乃はなだけに焦点をあてて描いた話でした。
これまでだったら、登場したプリキュア全員を平等に描いていました。しかしながら、この話では、他のプリキュアはほとんど出番がありませんでした。
珍しいとは思いましたが、アニメにおいて、キャラ設定に矛盾が生じているところが少なからずありました。それゆえに、全員をきっちり描こうとすると無理が生じる可能性が高いと言わざるをえません。
それだから、あえて一人のキャラに絞ったのだろうな、などと思いました。
そして、話の主題は、野乃はなの基本設定である「イケてる大人のお姉さんになりたい」を徹底して追求していました。
その描き方は、ハグたんの力で、野乃はなが過去の自分にタイムスリップをするというものでした。
過去に戻るたびに、当時の自分の心境を思い出していきます。そして、赤ちゃんを経て、最後は胎内の自分に戻りました。
その結果として、母親である野乃すみれが、自分が憧れた「イケてる大人のお姉さん」だった、という事を理解した、という結末になっていました。
シリーズの原点を追い、しっかりと「答え」を出した事に感心させられました。
あと、野乃はなの髪型の描写にも感心させられました。
アニメでは、野乃はなが自分で前髪を切り、失敗した、という描写から始まります。
にも関わらず、その失敗したはずの髪型をずっと続けていました。また、後日、その前髪が本当は「失敗」でない事を描いた事もありませんでした。
それに対し、この漫画では、赤ちゃんのときから一貫して、野乃はなの髪型が、今の「前髪パッツン」で描いていました。
そして、中学一年のときだけ、長い前髪で描いていました。
それにより、アニメ冒頭の「髪切り失敗」の意味は、「前髪パッツン」にしたことでなく、「予定通り前髪パッツンに戻したものの、ちょっと切りすぎただけ」という形に収めていました。
あの前髪について、アニメでは何の回収もありませんでした。それを連載中でもフォローし、さらに最後の描きおろしでこのように回収した事には心底感心させられました。
過去のシリーズでも、アニメでの雑な描写を、漫画版できっちり描くという事は一度ならずありました。
筆者はそれを「上北さんが手本を見せた」と評していますが、今回の描きおろしは、シリーズ全体に対しての「お手本」描写だったと思いました。
特装版描きおろし小冊子は、春の映画にあわせての「直近三シリーズ揃い踏み」でした。
主題は「流星」で、それとスイーツ作成をからめていました。
短い話なので、過去二作のキャラは、あまり見せ場がありませんでした。
ただ、そんな中で、琴爪ゆかりと剣城あきらのコンビや、スイーツにこだわりを見せて大きな砂糖袋を引きずる有栖川ひまりなど、印象深い描写がありました。
あと、話しのところどころに、EDの「パピプペロマンチック」を意識した描写がありました。非常に印象深い曲で、上北さんも深く気に入っているようだな、と思いました。
同じ日に、上北さんのプリキュアイラスト集・第2弾を発売されました。
発売日の時点ですでに重版が決定したそうです。実際、自分が愛用している通販サイトでも品薄状態でした。
上北さんの漫画版プリキュアは、一時期、単行本すら出ない時期がありました。しかたないので、なかよしに掲載された漫画を切り抜いて保管していたものでした。
それが、このように単行本のみならずイラスト集まで定期的に出るようになり、しかも即日重版になる、というのは本当に嬉しい事でした。
イラストの方は、最近の作品をメインに、さまざまなプリキュアが描かれていました。
「全員集合」のイラストでは、シリーズをシャッフルされます。しかしながら、日向咲と美翔舞などは、どんな「全員集合イラスト」でも必ず隣同士に配置されます。
他のコンビもあわせ、上北さんのこだわりに、毎度ながら嬉しく思えたものでした。