Max第32話・ほのか、鉛筆で原稿を書く

 今回は、「団子屋」を舞台に、今の社会で軽視されつつある風潮を取り上げる話でした。「梨農家」に続く、問題提起モノと言えるかもしれません。
 冒頭、なぎさ・志穂・莉奈らが学校新聞を作っています。PCの中でレイアウト作業をしている様子が描かれていますが、「自分の時は、こんな便利なもの、影も形もなかったな」などと時代の流れを感じてしまいました。
 さて、その新聞の「街角スマイル」なる記事の原稿を忘れていたなぎさは、ほのか邸で協力を依頼。ほのかも困りますが、さなえお祖母さんがおやつに出してくれたみたらし団子の事から、それを作った店で、子供の頃から好きだった「水戸屋」で団子を作っている老女主人の笑顔を思い出します。
 店に行くと、老女主人は子供に親切に団子を売っていました。そして取材も快諾し、原料の粉が米からできている事をはじめ、懇切丁寧に説明します。ただ、「みたらしのたれ」についてはスルーしていまいした。やはり、このアニメを作る際の取材元が「たれの秘密」を教えてくれなかったのでしょうか。

 それはともかく、取材は無事終了。みな、団子の味と老女主人の笑顔の素晴らしさに感嘆します。しかし、その時、老女主人はそろそろ店を閉めようかと思っている事を明かします。理由は収益の減少と体力的な問題です。確かに今の世の中ですと、昔ながらのやりかたで手作りで団子を作れば、それ相応の値段となり、量産しているスーパーなどの団子との競争には勝てないでしょう。そうなれば、子供が跡を継がないのもまた必然です。良心的で美味しい商品を適価で売っていても、今の世の中でやっていくのは難しい、という厳しい現実を、さりげなく描いています。
 子供の頃から好きだった店がなくなる、という事に少なからぬ衝撃を受けたほのかは、学校新聞の紹介文を書く事にします。ちなみにほのかは原稿を鉛筆で書きます。漫画ではほのかの部屋にはiMACがあるのですが、確かにアニメではなぎさの部屋にはPCはあってもほのかの部屋にはありません。彼女の趣味や両親の事を考えると、PCがない、というのはありえないと思うのですが・・・。
 そしてほのかは原稿を完成します。それを見た人々で、「水戸屋」は少し賑わいを取り戻します。そんな中、唐突にビブリスが襲撃。いきなり、「バルデスは復活した」などと言います。しかし、3回ほど出現しただけの彼の名前をプリキュア達が覚えていたかどうかは謎です。戦いのほうは、今回は完全に添え物という感じでした。「刺身のツマ」ではなく「団子のツマ」といったところでしょうか。
 というわけで、特に問題もなくエクストリームルミナリオで撃退した後は再び本編に。ほのかを始めとするファンの熱意を感じた老女主人は、「もう少し続けてみますか」と閉店を翻意し、めでたしめでたしとなります。

 個人的な話ですが、数週間前、子供の頃から30年近く親しんでいた店に久々に行ったら閉店していた、という事がありました。そこも、老夫婦が二人でやっており、繁盛はしていないものの、いつ行っても美味しい物を出してくれました。そういう事もあり、話の中で何度も、その店の事を思い出しました。
 実際、この「水戸屋」も老女主人が少し気力を取り戻しただけであり、抜本的な解決は何一つなされていません。この「水戸屋」の味を守るには、後継者とある程度の安定した経営基盤が必要なわけですが、当然ながら、作中でその提示はありませんでした。
 いずれにせよ、このような、細々ながら、多くの人に愛されている店とそのような店が抱えている苦労を作品化したスタッフには敬意を表したいものです。

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