ライダーマン、ミサイルを処理

 八ヶ岳登山中の学生たちがミサイル発射を目撃。驚いて下山しようとすると、ヨロイ元帥の正体であるデストロンの怪人「ザリガーナ」が地中から出現して襲撃します。このザリガーナ、その学生の西岡青年のピッケルでの反撃に互角に(?)渡り合うくらいの弱さ。他の学生は戦闘員の協力もあって殺しましたが、西岡青年には逃げられます。一方、しばらくたって、小笠原南方の無人島が突如爆発して消滅、というニュースが流れます。基地ではヨロイ元帥が「実験成功」と喜んでいます。どうやら、さきほどの発射された「プルトンロケット」なるミサイルが島を破壊したような感じです。しかもこれは単なる実験で、真の目的は「東京壊滅」だそうです。
 ただ、本当にこれはデストロンの仕業かとなると、疑問が多々残ります。前回の作戦は「学童保育の児童を吸血鬼化させる」で、その前が「家出少女をだまして風見を陥れる」、もう一つ前が「ヒトデをばら撒いて病院を占拠」です。それがいきなり「東京壊滅」になってしまうわけです。野球で言うなら、先週までクラス対抗野球大会で戦っていた少年が、いきなりメジャー入りするくらいの差があります。
 さらに言うと、この「実験」の方法にも疑問があります。八ヶ岳から東京ならば200kmほどです。にもかかわらず、なぜ1,000km以上も離れた「小笠原南方の無人島」を標的に実験しなければならないのでしょうか。積む燃料なども全然違ってくるはずです。どうせ、人類滅亡を目指す悪の組織なのですから、実験するなら、新潟など、八ヶ岳から東京と同じくらいの距離にある都市を狙ったほうが、より実戦に即した実験ができるはずです。

 こうやってさまざまな観点から検討すると、「デストロンが東京を破壊する爆弾を開発した」というのは、眉唾モノと思えてきます。無人島が噴火する情報を入手し、ミサイルを飛ばすフリをして「あれは我々の新兵器の成果だ」と成果をでっち上げたと考えたほうが自然かと思われます。
 こう考えると、この超重大実験の目撃者を生かして帰し、その情報を風見や結城に知られたのも納得できます。つまり、「東京破壊」は彼らをおびきよせる罠だったわけです。
 そして、デストロンの計算通りに話は進みます。西岡青年が収容されている病院を訪れた風見は偽医師によって捕らわれます。しかし、西岡青年は結城が救出、風見も「東京に妻子がいる」という事でデストロンの作戦の阻止を願った偽医師に救出されます。さらに、この偽医師はデストロンに処罰されて基地近くで囮となるのですが、この不徹底な作戦や偽医師が「東京壊滅計画」を明かす、というのにもデストロンの作為的なものを感じます。
 というわけでデストロン基地に結城と風見がそれぞれ侵入。結城は一発で幹部室を探り当てます。そこではデストロン首領の声とヨロイ元帥が会話をしていました。首領は結城がいる事を知っていて、自分をV3からかばった事をあざけり、さらに「最初から結城は利用するだけ利用して処分するつもりだった」と言います。処刑の時も、横浜で捕らえた時も結城に同情的な発言をしていた首領の変貌ぶりに、ヨロイ元帥もまともに返答できません。それとも、話を聞いているうちに、この発言が結城個人でなく、自分を含めたデストロン構成員全てにあてはまるのでは、と薄々気づいたのかもしれません。実際、この次の最終回において、V3にやっつけられたヨロイ元帥を首領はあっさり見捨てています。余談ですが、このV3対ザリガーナの戦いは、別の意味で傑作です。一部のカラオケでV3を歌うと、この「名場面」を見ることもできます。
 そして入ってきた結城に「あなたはそれでも人間か!?」と詰問されると、「いつ私が自分が人間だと言った?」と自分が異世界の住人である事をあっさりと告白し、去っていきます。そしてライダーマンに変身した結城の目の前でヨロイ元帥はミサイル発射ボタンを押しました。一方、風見は首領直属の部下に幻惑されていて何もできません。

 こうして、東京を壊滅させるミサイルの発射は刻一刻と迫っています。そこで結城は意を決して自らがミサイルに乗り込み、空中で爆発させる事を決意します。それはいいのですが、このミサイルは有人操作が必要なのですが、発射ボタンを押した時点では操作する戦闘員が乗っていません。発射まで残り1分を切ったところで、乗り込もうとする戦闘員をライダーマンが倒し、代わりに乗り込みます。
 いくら何でもこれでは杜撰すぎます。仮に万が一、こういう場合、戦闘員の乗り組みを確認してから発射ボタンを押すのは常識以前です。戦闘員が足を滑らせてミサイルに乗り損ねたら、そのまま虚空のかなたにプルトンロケットは発射されていたわけですから。

 最初にも書きましたが、こうやって、あらゆる状況証拠を元に考えると、「デストロンが東京を破壊する能力のあるプルトンロケットを極秘裏に開発し、東京破壊を企てていた」というのはハッタリだったと解釈せざるをえません。だいたい、こんな重要な計画にヨロイ元帥が作戦指揮と周囲の警備を兼任している、というのもありえない話です。
 というわけで、この作戦の真の狙いは、「東京破壊とみせかけてチャチなロケットを作り、阻止しようとするライダーマンを殺す作戦」と考えたほうが自然です。その狙い通り(?)、ライダーマンはロケットに乗り、空中で爆発します。それを見た風見は「ライダーマン、お前にライダー4号の称号を与えよう」と早速戒名をつけていました。ちょっと手回しがよすぎます。
 もっとも、戒名をつけたのはいいですが、実はライダーマンは死んでいなかったようです。その後、スカイライダー最終回に他のライダーと一緒に登場し、ネオショッカーのボスと戦っています。さらに数年前に発表された村枝賢一氏の「仮面ライダーSUPIRITS」においては、南の島に漂着し、ヨロイ元帥を倒しています。
 まあ、冷静に考えて怪人一人使って学童保育施設の占拠すらできない団体ごときに、ライダーマンを殺す事などできるわけがありません。おそらくは、爆破により怪我はしたものの、その精神力と医術により、自らを治療したのでしょう。

 いずれにせよ、ライダーマンの短い戦いはこの話で終わりました。改めて見て、その等身大のヒーローぶりに感銘を受けました。物心がついたばかりの子供の頃に彼に憧れた理由があらためて分かったような気がします。その名の通り、彼は「ライダー漢(ライダー男ではない)」だったと思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です