アニメ32話の伊集院キミマロ話の後日譚、という感じでした。
彼に対する上北さんの(逆の意味での)「想い」を存分に描き、さらにその上をいく「お坊ちゃま達」を「噛ませ犬」として描いたという話でした。
また、そのオチも、一見すると、「今のところ一番好きなのは、兄の海藤わたる」とも解釈できる形で、海藤みなみの心境を描く、という非常に凝ったものとなっていました。
話は、海藤みなみの「婿選び」から始まります。
天ノ川きららの説明、という形で、「この前のキミマロ騒動以来、プリンス候補達がヒートアップ」と、「海藤みなみの婿争い」が激化しているという舞台設定を紹介していました。
その様子を見ていた春野はるかは、「みなみさんが本当に結婚したいなら応援する!…でも…」と率直な心境を語っていました。
それに対し、海藤みなみは「わたしには愛も結婚もまだ何もわからないのに…」と困惑しています。そして、「プリンス候補」達の母親と思われるセレブ婦人達に話を聞きますが、彼女たちは「貢物自慢」をするだけで、ますます海藤みなみの困惑度は高まります。
そんな中、「海藤みなみに関する二択クイズ」が始まります。最初の問題は、彼女が「ときめく食べ物」で、選択肢はキャビアと流しそうめんでした。さりげなく、アニメ25話の逸話を入れていたのにも感心させられました。
そして、伊集院キミマロはここで間違えて「一回戦落ち」になります。
この描き方には、上北さんの彼に対する「想い入れ」を強く感じました。
そして、クイズの結果、三人の「婿候補」が残ります。彼らに対し、海藤みなみは、「わたしに愛を教えてくれた方を伴侶とします」と宣言し、かぐや姫のように、三者三様の「愛」を要求します。
その結果、三人は、いずれも自分たちの財力を駆使して、「愛」を表現します。なかでも、温泉旅館の経営者と思われる青年は、自前の温泉を持ってきて「熱い愛」を表現するなど、異彩を放っていました。
しかしながら、その結果、海藤みなみが語ったのは、三人のプリキュアの長所でした。そして、「はるか達を想うこの気持こそが愛と気づきました」と、率直な本音を語っていました。
こうして、婿選びは一件落着し、海藤みなみは三人と、お団子でお月見をします。
そこに、海藤わたるが現れ、強引な「婿選び」を詫びます。それに対し、海藤みなみは、笑顔で頭を撫でられながら、「はるかたちや、お兄様との心のふれあい。それが何よりの幸せなのです!!」と心の中で語っていました。
その様子を見ながら、天ノ川きららが「みなみんの心を射止める”帝”はとーぶん現れそうにないかもね〜」と言い、それに紅城トワが「…ですわね。お兄さま以上の素敵な方は」と応じる、という会話で話は終わりました。
キャラ的には、求婚トリオの一人である「温泉男」が非常に濃くて、印象に残りました。
そして、その彼を含めた「御曹司達」を、伊集院キミマロ的な、先祖代々受け継いだ財力だけで「愛」を語る人々、としてまとめて扱っていました。
それを見た時、アニメのあの話が、かなり上北さんの中に引っかかっていたのかも、などと思いました。
彼らに押された事もあり、プリキュアたちの出番は少なく、七瀬ゆいに至っては一コマも出番がありませんでした。
それは少々残念でした。とはいえ、それ以上に、上北さんが、このシリーズに対して持つ「想い」が強く描かれており、それが心に残った話でした。