上北ふたごさんが「なかよし」に連載していた漫画版「プリキュア」シリーズを完全収録した単行本シリーズ「プリキュアコレクション」の「スプラッシュスター」1・2巻と「5」が発売されました。
時間がないので全体的な感想は金曜日あたりに書きますが、とりあえず、「スプラッシュスター」1巻に収録された描きおろし漫画の感想だけ書きます。
時系列は、満と薫が夕凪中に転入し、プリキュアの力の源を探っているあたり、となっています。
アニメで、二人がパンパカパンの手伝いをした時より前、という感じです。
そして二人は、ソフトボールの練習をしている咲を見て、彼女の口癖である「絶好調なりィ〜」の秘密を探ろうとします。
といっても、別にその言葉の秘密を探るわけではなく、その、咲の元気さの源を知りたい、という感じでした。
そして二人は、咲に「ソフトボール勝負」を挑みます。既に、体育の授業で並外れた運動神経を見せている二人だけに、咲も真剣勝負で応対します。
同時に、咲の投球フォームをスケッチしていた舞に、守備を頼みます。
そこで、断ろうとする舞に対し、「舞はただ立っているだけでいいの、リラックスして」と言い、それを聞いた舞は「もお、咲ったら〜」と返します。
8年半前に出た「元祖・単行本1巻」での描きおろしのイラストにおいて、舞は1ページで3回も「咲ったら」と言っていました。その事を思い出しながら、「やはり、上北さんはこの台詞を言わせたかったのだろうな」などと思いました。
ちなみに、今回の描きおろしイラストページでも、やはり舞は1ページで3回「咲ったら」と言っていました。
そして、ソフトボール経験はないものの、いつも試合や練習を見ている舞は、二人の運動神経からどこまで打球を飛ぶかを考えて、守備位置を決めていました。
そして、薫の打球が舞のところに飛んできます。驚いた舞は、その場に座り込んでしまいますが、咲は「そのまま!左手を上げてジーっとしていて」と声をかけます。
すると、舞は心のなかで「ああ〜咲っ〜」と言いながら、言うとおりにしました。すると、そのグラブの中にボールが入り、アウトになりました。
そして、喜んだ咲が「舞も絶好調なりィ〜!」と言うと、「ぜ、絶好調なりィ〜!」と言って微笑みました。
「対決」が終わり、皆で一服しています。満と薫はソフトボールのどこが面白いのか、的な発言をしますが、それに対し、咲は「バットにボールが当たったとき楽しくなかった?」と言います。
それに対し、二人は返事をしませんでしたが、舞は「ボールとれたとき、すごくうれしかったよ
」と言いました。
すると咲は「でしょ。そんな時に”絶好調なりィ〜!”と大きな声を出したら、うんと元気になれるんだ!」と返しました。
それを聞いた満が「たかが、声出すだけで」と疑問をはさむと、舞が「言霊」で説明します。
すると、薫が突然「絶好調なりィ〜!」と大声で叫び、皆が驚く中、平然と普段の冷静な表情に戻って「別に元気にならないわ」と言いました。
それを意に介さないような感じで舞が「咲は自分を信じてるの。自分の中の力を。だから言霊がきくんだね」と笑顔で言います。
それに対し、咲は「そーなのかなー。でも舞がそーゆーならそうなんだね、きっと」と答えました。
そして満と薫が「パワーの源がよくわからなかった」と言って帰ろうとします。
その時、みのりが現れ、皆にメロンパンを配ります。そして最後に薫と満に対し、「はじめまして。咲の妹の、みのりです!」と挨拶し、続いて「おねーさんたちも絶好調なりィ?」と尋ねます。
満はちょっと驚いた表情で、薫はいつもの無愛想な表情でメロンパンを受け取ります。
しかし、その直後、薫は、ほんの少しだけほほを赤らめ「そうね…絶好調かもしれないわ…」と言います。
それを聞いた咲が、「やったー、満と薫も絶好調なりィ〜」と言って皆が笑い、話は終わりました。
約8年ぶりの「Splash☆Star」の「新作」でした。
しかしながら、全然、時間的な空白を感じることはありませんでした。なんか、普通に、「いつものS☆S」が読めた、という感じでした。
話の主題は、咲の「絶好調なりィ〜!」で、それを解明すべく、満と薫がソフトボールで挑む、という展開です。
しかしながら、試合の描写は、むしろ舞が中心となって描かれていました。
その視点で話が進むことにより、読んでいるほうも、外野から試合を観戦しているような気分で話に入ることができました。
また、冒頭で、舞が「投球フォーム、いい感じ」とスケッチしながら言います。このあたりも、アニメで「普段練習をスケッチしている舞の絵がきっかけでチーム浮上のきっかけがつかめた」という逸話と自然につながっており、さすがだと思いました。
あと、言霊うんぬんの話をされた時の、「よくわからないが、舞がそう言うなら」という感じで、発言を肯定する、咲の描きかたも、印象に残りました。
また、最後のオチに、ちゃんと、みのりと薫をもってくるところにも、さすがは上北さん、と思いました。
上北さんは、これまでのシリーズでも、よく「S☆S]のキャラをさりげなく登場させていました。そして、「プリキュア全員」を描くときは、他のシリーズはプリキュアに変身するキャラしか描かない一方で、必ず、満・薫・みのりの三人も描いていました。
それだけ、このキャラたちへの強い想い入れを持っていたのでしょう。そして、それゆえに、終わってから8年も経っているにも関わらず、このような、極めて自然かつ、キャラの魅力を最大限に描けた話を描けたのでしょう.
その、キャラと作品に対する愛情に改めて感心させられました。
同時に、この「ふたりはプリキュアSplash☆Star」という類まれなる名作に出会えた自分がいかに幸運だったか、という事をあらためて認識させられました。