白雪ひめと氷川いおなの和解、および、氷川いおなのパワーアップが主題となった話でした。
冒頭は、前回の引きで、ファントムが造った、「プリキュアの墓場」的な空間で対峙する、氷川いおなとファントムから始まりました。
その様子を、クイーンミラージュが自室で見ています。
また、氷川いおなは、封じられたプリキュアたちの中から、姉である氷川まりあを見つけていました。
続いて、ぴかりが丘に戻り、三人がサイアークの残党と闘っている場面になりました。
そこに出てきたサイアークは、ボクシング・剣道・相撲をモチーフにしていました。
これだけ格闘家がいるわけです。ぴかりが丘には、相撲部屋やボクシングジム、もしくは格闘技系運動部に力を入れている大学でもあるのだろうか、と思いました。
先週と異なり、このサイアークを三人は圧倒します。白雪ひめは、シャーベットバレエにフォームチェンジし、新技「ブリザード・アン・トゥールナン」を披露していました。
この技は、バレリーナのように回転して踊りながら出します。全くもって余談ですが、これを見た時は、「東京ミュウミュウ」に出てきた藍沢みんとの変身シーンを思い出してしまいました。
さらに愛乃めぐみもサイアークをふっ飛ばします。どうやら、ファントムの創りだすサイアークは、他の三人が創るサイアークよりはかなり弱いようです。
その分、大量のプリカードを手に入れることができるわけだから、プリキュアにとってはありがたい存在だと思いました。
そして、前回同様、スパークリングバトンアタックでトドメとなりました。
その直前にサイアークが三体出てくるのですが、一体は普通の体型、二体目は痩せていて、三体目はずんぐりしていて何故か足がキャタピラでした。
これを見た時は、ぴかりが丘にはゲッターロボの基地まであるのだろうか、と思いました。
勝利の結果、またもや多くのプリカードが手にはいります。願いを叶える枚数に近づいてきました。それを見た、愛乃めぐみと大森ゆうこは、それをブルースカイ王国の復興に使うように、と白雪ひめに言います。
それを聞いた白雪ひめの目に涙がたまりかけます。その時に、妖精・ぐらさんが現れ、氷川いおなの危機を告げました。
すると、真っ先に白雪ひめが、氷川いおなを心配して探しだそうとしました。
しかし、町内のどこにも氷川いおなの気配はありません。そこに、リボンが現れ、ブルーからのキュアラインを伝えます。
それを聞いた時も、白雪ひめが真っ先に出て、氷川いおなの安否を心配していました。普段、ブルーに対しては、ちょっと小馬鹿にしたような態度を取る白雪ひめですが、ここでは、「お願いします!」と頭を下げていました。
すると、ブルーは、皆にクロスミラールームに行くように伝えます。
そんな方法があるならば、もうちょっと早く電話すれば、三人が無駄に空飛んで町内探索をする事もなかったろうに、と思いました。
一方、氷川いおなですが、当初はほぼ互角の闘いをしていたものの、刀を抜いたファントムの前に、だんだんと押され始めます。
そして、ついに直撃を喰らい、変身が解け、プリチェンミラーを奪われてしまいました。
それを見たファントムは、それがかつて氷川まりあが使っていたものだと即座に気づきます。傍から見ればみんな同じ形ですが、プリキュアハンターと名乗るだけの事はあり、ミラーの微妙な違いや、所有者についての情報がすべて頭に入っているようです。
そして、二人が姉妹であることを気づきます。同時に、回想シーンとして、氷川まりあがファントムとぴかりが丘で闘い、それを物陰から氷川いおなが見ている、という回想が流れました。
ファントムは、氷川まりあの強さを認める発言をします。その氷川まりあが敗れたのは、物陰で見ていた、氷川いおなをファントムの必殺技から身を持ってかばったせいでした。それに対しては、ファントムは「甘さ」と切り捨てます。
そして、氷川いおなの変身用プリカードを焼き捨てました。それを見た、氷川いおなは、絶望の涙を流しました。
それを見たファントムは、「いい絶望だ」と言い、トドメを刺そうとします。もはや、氷川いおなには、避ける気力すらなく、覚悟を決めて目を閉じます。
その時、白雪ひめが、「フォーチュン!」と呼んでクロスミラールームから現れました。危機一髪というところです。
もし、一分でも遅ければ決着はついていたでしょう。結果論としては間に合いましたが、それを思うと、あらかじめ分かっているにも関わらず電話をかけず、三人に無駄な時間を費やさせたブルーの罪は重いと思いました。
白雪ひめの攻撃で、ファントムの技の発動を防ぐ一方、愛乃めぐみと大森ゆうこがファントムと対峙します。驚くファントムに対し、リボンはブルーの力であった事を答えます。
それを聞いたファントムが振り向くと、皆が出てきた鏡の向こうにブルーの姿が見えました。それを見た途端、ファントムは怒りの目を見せました。ブルーに対する敵意は相当のようです。
一方、白雪ひめは、氷川いおなの所に駆け寄り、いきなりこれまで貯めたプリカードを差し出し、「全部あげる!」と言います。
そして、これで償えるとも許されるとも思っていないが、自分ができるのはこれしかないから、と言いました。
驚いた氷川いおなですが、走り去ろうとした、白雪ひめに対し、ブルースカイ王国を救いたいんでしょ、と話します。彼女の両親が鏡の中に閉じ込められていた事も知っていたようです。
しかし、白雪ひめは、「お姉さんを助けてあげて!」と言い、再度謝りました。
それに対し、氷川いおなが返答しようとしますが、その時、愛乃めぐみと大森ゆうこが吹っ飛ばされたのを見て、飛び去ります。
その後姿に対し、氷川いおなは、「悪いのは貴女でない、幻影帝国よ、貴女は世界を救うために彼らと闘っている。もう十分償っているわ」と話しました。
カードが揃った氷川いおなに対し、ぐらさんは何を願うか尋ねます。しかし、氷川まりあの救出、ファントムや幻影帝国の消滅などを選択肢として提示しますが、氷川いおなは、それではブルースカイ王国や閉じ込められたプリキュアを助けられるか、と尋ねます。
それは、ぐらさんにも分かりません。いずれにせよ、氷川いおなは、「氷川まりあの救助」や「敵討ち」では抜本的な問題解決にならない事を悟ったようでした。
これを見た時は、ならば「現クイーンミラージュと出会ってからブルーがやらかした一連の事を、全て無かったことにする」という願いならどうだろうか、と思いました。
そうすれば、クイーンミラージュを始めとする幻影帝国の存在、彼に唆されてプリキュアになりファントムに封じられた少女たちの救出、アクシアを押し付けられた結果滅亡したブルースカイ王国の復興、といった諸問題が全て解決するのではないでしょうか。
そうこうしているうちに、三人はファントムの攻撃を受け、変身を解除されてしまいます。それを見た、氷川いおなは、「みんなの願いを叶えたい」と言い、プリカードに再びプリキュアになる力になるよう、願いました。
すると、新たな変身グッズが現れます。そして、初となる氷川いおなの変身シーンが描かれました。
再びファントムと対峙した氷川いおなは、「私はずっと貴方への憎しみで闘っていた。でも今は守りたい。世界のすべてを、こんな私に大切なものをくれた友だちを!」と言います。
続いて、白雪ひめのほうに向き直り、自分の今までの言動をわび、さらに「ありがとう」と言いました。
それを聞いた白雪ひめが、感涙にむせびそうになった時に、背後からファントムが攻撃してきました。
ここ数年、プリキュアたちが会話を始めると、敵がそれをボーっと見ている、というのが定番になっていました。それだけに、この、会話の途中に攻撃する、というのは自分的にはいいと思いました。
そして、闘いとなりますが、今度は、氷川いおながファントムを上回る力を見せます。
驚くファントムに対し、「私は幸せだわ。姉から愛を貰って、友だちから優しさを貰って、私もこんな風に誰かを幸せにしたい」と言いながら進みます。
それに対し、ファントムが「幸せなど幻。この世界は滅びる運命だ」と言って、必殺技を放ちます。
しかし、氷川いおなはそれを片手で跳ね返し、「滅ぶのが世界の運命なら私が変えるわ!」と言いました。そして、続く攻撃で、ファントムの剣を破壊します。
なんでここで運命云々が出てくるのかは、今ひとつわかりませんでした。ただ、8年前のちょうどこの頃、咲と舞が、満と薫に、同じことを言っていたな、と思い出し、懐かしさを覚えました。
それはともかく、氷川いおなは、新アイテム「フォーチュンタンバリン」を出します。そして、手で二回叩いた後、尻で叩き、新必殺技・プリキュアスターライトアテンションを放ちました。
タンバリンを武器にするのは、「ハートキャッチ」の、明堂院いつき以来です。その時も、尻で叩く動作が入っていました。このシリーズは今のと同じ人がシリーズディレクターをやっているのですが、何か想い入れでもあるのだろうか、と思いました。
新技が直撃したものの、ファントムはダメージを受けつつも何とか立ち上がります。するとそこに、クイーンミラージュが現れました。ここで、次回への引きとなりました。
氷川いおなの敗北と復活および、白雪ひめへの赦しが主題の話だったと思います。
それぞれの描写・台詞とも、上手く描けており、感心させられました。
さらに、序盤で出てきた雑魚サイアークも、細かい所まで描きこまれていました。
他にも、ファントムと初対面となった大森ゆうこが、始めて彼に対して言ったのが「一杯はご飯だけで十分よ」だった、などというのも、印象に残りました。
ただ、そんな中で残念な事がありました。それは、この絶体絶命の時に白雪ひめに救われた時に始めて、氷川いおなが赦しの言葉を発した、という事でした。
しかも、その直後の台詞により、白雪ひめがその行いのせいで家族と国を失ったことを知っている事が解ります。さらにはその後のプリキュアとしての闘いで、アクシアを開けた罪は償えた、とまで言ってしまっています。
これだと、これまで氷川いおなは白雪ひめが実際は被害者で、しかも頑張って闘っている事を理解しながら、その心情をおもんばからず、「シカト」みたいな事までして、彼女にきつくあたっていた事になってしまいます。
時系列的にはこの赦しがあった数時間前である前回も、家に来た愛乃めぐみに対し、白雪ひめを完全否定する発言をしていました。
ところが、自分に強さがあった時はそのような態度を取っていたのに、プリキュアの力を失われ、さらにその自分に白雪ひめがプリカードを渡したら、態度が180度変わった、という事になったわけです。
これって凄く現金すぎるのでは、と思いました。
今回のような「プリキュア同士の確執」が描かれたのはシリーズ初めてです。しかしながら、過去にも、敵が味方になる、という形で、心の変化が描かれた事はありました。
その「S☆S」の満と薫にせよ、「フレッシュ」の東せつなにせよ、最初は、プリキュアに対しては敵意しか持っていませんでした。
ところが、実際に会話したり、一緒に何かしたりするうちに、満と薫の場合は、咲・舞・みのりの、せつなの場合はラブの自分に対する想いを感じます。そして、それによって微妙に心情が変化していきました。
その辺りの心の動きは、非常に上手く描かれており、今でも強く印象に残っています。
それに対し、氷川いおなは、「ずっと敵視→助けられたら180度方向転換」だったわけです。
これまで、二人が接する機会はありました。たとえば、第18話では、結婚式のお祝いを巡って、白雪ひめとの会話があります。ここで、白雪ひめの優しさや気遣いを知るわけですが、それに対する、心の動きなどは描かれませんでした。
続く19話でも一緒にサッカーをやるわけですが、ここでも敵意むき出しです。
これらの話の中で、実際に白雪ひめと会話することにより、彼女への偏見が少しでも変わっていく、という描写があれば、あの赦しの場面の印象も全然違ってきたのではないでしょうか。
大森ゆうこの時もそうでしたが、氷川いおなの正体についても、誰が見ても分かるにも関わらず、かなり引っ張っていました。そのため、キュアフォーチュンとしての彼女の心理描写を描ける時間は大幅に制限されてしまいました。
その結果が、今回のような、極端から極端への変化になってしまったのでは、と思っています。
単独で見れば非常にいい話でした。しかしながら、その過去の含みの作り方のため、違和感が生じてしまいました。
まあ、次回ではブルーとクイーンミラージュの因縁も明らかになりそうです。これで、「視聴者に隠していた謎」を引っ張ることもなくなるでしょう。
それにより、これからの後半が、無理のない展開になることを願っています。
次回は、白雪ひめと氷川いおなが一緒に買物に行く話です。ギクシャクした関係だった二人がどうやって仲良くなっていくか、気になるところです。
同時に、二人がお互いをどう呼ぶのか、またそれが次回で変わることがあるのか、という事も気になっています。いずれにせよ、今から大変楽しみです。