Hapiness第21話

 前回、自分が愛乃めぐみに見捨てられたと勘違いして落ち込んだ白雪ひめの誤解が解決した話でした。
 また一方で、氷川いおながファントムの標的にされ、危機に陥るという展開でした。
 愛乃めぐみと白雪ひめが和解(?)するまでに至る描写は、自分が大好きな漫画を彷彿させるような流れで、懐かしさを覚えました。
 脚本をシリーズ構成の人が書き、絵コンテをシリーズディレクターの人が描いていた事もあり、かなり力が入っていた話でした。
 それだけに楽しめましたが、全体的な構成についての疑問はやはり残りました。

 冒頭、落ち込んで部屋にこもる、白雪ひめの描写から始まります。
 それに対し、大森ゆうことリボンが説得しますが、愛乃めぐみが氷川いおなの家に行っていると聞き、さらに態度を硬化させてしまいます。
 その愛乃めぐみですが、相変わらず、これまでの氷川いおなが見せた白雪ひめに対する敵対発言は全く意に介さず、四人でチームを組もうと誘います。
 しかし、氷川いおなは「彼女をプリキュアだとは認めない」と頑なに拒否します。愛乃めぐみが「じゃあ、どうしたら、ひめを認めてくれるの?」と尋ねますが、氷川いおなはそれに答えず、話を打ち切ります。
 妖精の、ぐらさんは、愛乃めぐみに好意的で、氷川いおなを説得しようとしますが、それに対しても聞く耳を持ってもらえませんでした。

 その状況についてリボンがブルーに報告し、助けを求めます。
 しかしながら、ブルーは「ボクは全能ではない」と言ってあっさり断りました。
 願をかけられて、「全能ではないから」と断った神さま、というのも凄いと思いました。
 そして、他人事みたいに、「だがイノセントな愛が集まれば、世界は生まれ変わることができる」などと言っていました。
 ならば今すぐ、それをクイーンミラージュ相手に実行すべきなのでは、と思いました。
 まあ、それ以前の問題として、彼が一言、「アクシアの件で悪かったのは、白雪ひめではなく、箱の危険性を彼女や国王に伝えず、杜撰な管理を認めた自分なのだ」と氷川いおなに正直に言えばこの問題は解決するわけです。
 その責任に頬かむりして、こんな事を言うわけです。毎度ながら、恐るべき「邪神」だと思いました。

 一方、大森ゆうこは、得意の料理で「天の岩戸」を開ける「美味しいご飯最?作戦」を実行していました。白雪ひめの好物であるクリームシチューを作って扉の前まで持って行き、その湯気を団扇であおいで白雪ひめの部屋に香りが届くようにしました。
 この時、彼女が着ているエプロンのみならず、団扇にまで「おおもりご飯」のロゴが入っていたのには笑いました。かなり手広く商売をやっているようです。
 落ち込んでいた白雪ひめは、一瞬、「私が落ち込んでるのにみんなでご飯!?」と怒りますが、空腹には勝てず、すぐに出てきました。
 しかし、それが、自分を部屋から出す作戦だったと知ると、「罠かー!」と怒って、忍者に変装して逃げ出します。
 ところが、愛乃めぐみは慌てて追いかけません。犬の変装能力を利用し、その嗅覚で白雪ひめを探し当てます。この犬姿はプードルみたいで可愛く描かれていました。ただ、どうせなら、中の人繋がりで、「超時空シンデレラ」みたいな犬耳になってほしかったものだ、とも思いました。
 さらに逃げる白雪ひめを追って外にでると、大森ゆうこは、ひよこに変装してついていきました。ひよこについては特に能力があるわけでなく、単に、つきあいでやっただけ、という感じでした。

 さらに追いかける愛乃めぐみに対し、白雪ひめは、「どうせフォーチュンのほうがいいんでしょ!」と言います。すると、それを聞いた、愛乃めぐみは泣き出してしまいました。
 白雪ひめは驚きながらも、「私のこと、嫌いになっちゃったんでしょ」と言いながら、愛乃めぐみに近寄ります。
 すると、愛乃めぐみは白雪ひめに抱きついて、「嫌いになんてならないよ。だって、ひめは私の大切な友だちだもん」と言いました。
 それを聞いた、白雪ひめも「わたしもだよ」と言って泣き始めました。
 前回の、勝手に悪い方に誤解して逃げる白雪ひめを見た時から感じていたのですが、この「誤解によるすれ違いのあと、二人して泣き出す」という描写を見た時は、「めぞん一刻」の「坂の途中」を思い出しました。オマージュの一種なのでしょうか。

 そこに追いついた、大森ゆうこは、笑顔で「あらあら」と言いました。このあたりの三人の位置関係も相変わらず面白いと思いました。
 そして、改めて三人で話し合います。アクシアの件で相変わらず自己嫌悪に陥っている白雪ひめに対し、二人は「わざとじゃないから悪くない」と説得しました。
 さらに、氷川いおなに拒絶されている件についても、転校当初の人見知り状態から友だちを作れた事を話し、理解できると元気づけました。

 その頃、ファントムがぴかりが丘の襲撃を始めていました。刀の一振りで、何十人もの人を鏡に閉じ込め、サイアークを作ります。
 三人ならびに氷川いおなは、それぞれ変身して迎撃しました。
 大量のサイアークの前に愛乃めぐみは苦戦し、壁に激突します。そして、サイアークがトドメを刺そうとした時、白雪ひめが助けました。
 そして、「大丈夫、怪我はない?」と尋ねた白雪ひめに対し、「わたし、プリンセスが好きだよ」と言います。
 白雪ひめは驚きますが、「プリキュアの時だけじゃなく、わたし、いつも、ひめに助けてもらっている」と言います。
 それを聞いた白雪ひめは、「そんなこと、ないよ」と言います。普段、こういう時の彼女の口癖は「そんな事、あるけど!」なわけですが、ここで、その逆を言わせた、というのは上手いと思いました。
 すると、愛乃めぐみは逆に彼女の口癖のように「そんな事、あるよ」と言います。さらに「私は、ひめと繋がっている事がうれしいの」と言いました。
 そして、二人は「ギュッ」と音を出して手を繋ぎます。この「プリキュアの原点」とも言える動作並びに効果音を使った事にも感心させられました。
 同様に、白雪ひめは、大森ゆうことも同様に、「ギュッ」と手を握りました。

 一方、氷川いおなは、スターダストシュートでサイアークを一体浄化しますが、かなり披露してしまいます。その前に、ファントムが現れました。
 そのころ、大森ゆうこは、スパークリングバトンアタックで、50体近いサイアークを一気に浄化していました。スパークリングバトンアタックを初めめて見た時、宇宙から巨大クローバーが降ってくる、という描写は大げさなのでは、と思っていたのですが、どうやらこの伏線だったようです。
 ただ、ここは単独技でなく、三人の合体技にするべきなのでは、と思いました。一連の描写だけ見ると、氷川いおなが一体浄化するだけで疲れているのに、大森ゆうこはその五十倍の力を平然と出している、という事になり、かなり力の差があることになってしまいます。
 そして、愛乃めぐみと大森ゆうこは、まだ残っているサイアークを倒そうと向かいます。その後姿を見ながら、白雪ひめは「わたしは、みんながいればもう怖くない」と言います。そしてその時、同時に氷川いおなの事を思い出し、「一人で闘っているフォーチュンは怖くないのかな」という疑問が心に浮かびました。

 その氷川いおなは、おおもりご飯の前で、ファントムと闘っていました。前回、さらには第6話でも、おおもりご飯の前は戦場になっています。
 今回は21話ですから、7回に1回の割合です。さらに、11話では、祖父母の田んぼがが戦場になっていました。
 プリキュア・一般人を問わず、大森ゆうこほど、自宅が戦場になる人も、過去10年の中でもそうはいないのでは、と思いました。
 それはともかく、ファントムは逃げるふりをして、氷川いおなを、自分の戦場に引きずり込みます。そこには、これまで倒されたプリキュアが何人も封印されていました。ファントムはこの場所を「プリキュアの墓場」と紹介していました。
 そして、最初から刀を抜いて、氷川いおなと対峙します。そして、氷川いおなの視界に映る、封じられている氷川まりあが描かれて、話は終わりました。

 いつも元気で、他人にきつく当たられても笑顔を保っている愛乃めぐみが、白雪ひめに拒絶されて泣き出した事、および、助けられた時に白雪ひめに想いいの丈を語る、という二つの場面が今回の主題だったと思いました。
 いずれの描写・台詞とも、丁寧かつ印象深く作られており、さすがは、シリーズ構成・ディレクターが直接作った話だと感心させられました。
 また、先述したように、一連の流れから、「めぞん一刻」に通じるものを感じました。偶然なのかもしれませんが、あの漫画が大好きな者として、かなり嬉しく思いました。
 他にも、落ち込んでいる白雪ひめを部屋から出す方法としてクリームシチューを使った大森ゆうこの描写や、確執を知りながら、ド直球に氷川いおなを誘った愛乃めぐみの描写も楽しめました。
 もちろん、自己嫌悪に陥って、さらにみんなに甘え、そして元気を取り戻した白雪ひめにも感心させられました。
 ただ一方で、やはりこの「氷川いおながハピネスに合流する」という今のパートは、冗長すぎるという思いも、改めて感じました。
 率直に言って、ここ三話でやった事は、二話でやって十分だったと思います。個々の描写は確かに良かったですが、話全体を見れば、間延びしていました。
 さらに言うと、この「氷川いおながファントムと一対一で闘って危機になる」というのも無理があると思いました。
 白雪ひめに対しては感情的になってしまう氷川いおなですが、ファントムに対しては、愛乃めぐみと共闘しても勝てない、という事は重々承知しているわけです。にも関わらず、この場面で、三人と合流しない、というのは不可解でした。
 次回はいよいよこのパートの解決編かと思われます。氷川いおなと白雪ひめの関係が修復されるのは大歓迎ですが、それが「氷川いおなが危機に陥り、それを白雪ひめが助けたから」でなく、「事件の真相を冷静に理解し、白雪ひめの良さが理解できたから」である事を願っています。
 あと、予告で大森ゆうこが言った、「闘った後にみんなで美味しいご飯を食べるところまでがプリキュアなの」という台詞も印象に残りました。ぜひとも、本編でも聞きたいものです。