「ハピネスチャージプリキュア」は、アニメ第3話を基にした、愛乃めぐみと相良誠司の関係紹介話でした。
ただ、「主役」はその二人でなく、白雪ひめでした。
二人がつきあっていると勘違いした白雪ひめが、「恋愛禁止令」を出したブルーの鏡に二人が写らないよう、「奮闘」します。
その奮闘の内容ですが、英語の授業で二人が並んで板書していただけで、その間に割り込んで変なギャグを言う、という感じで、天然ボケみたいになっていました。
他にも、二人が並んで座って仲良く話しているときは、鏡に写らないよう、布をかけたりします。
極めつけは、昼食で、相良誠司の顔についているご飯粒を愛乃めぐみが取る場面でした。それを見た、白雪ひめは、「めぐみィ~わたしもついてるよーっ」と言って、弁当を自分の頭にかけるのです。
ファッションに強いこだわりがある白雪ひめにここまでさせる、というのはすごい描写だと思いました。
そして、アニメ同様、相良誠司がチョイアークに襲撃されます。すると、愛乃めぐみ倒れた相良誠司を抱きかかえて心配します。
それを見た白雪ひめは、「愛乃めぐみが相良誠司の目の前で変身して正体がバレるのを防ぎたい」および「二人がつきあっているのをブルーに見られたくない」という意思により普段からは想像できないような強大な力を発揮し、サイアークを瞬殺してしまいました。
しかしながら、その奮闘むなしく、愛乃めぐみは目の前で変身し、正体を明かします。
それを見た、白雪ひめは、愛乃めぐみに「あなたたちのために必死だったのに全部台なし。もう、プリキュア解散よ、友だち解消よおぉぉ!」と泣きながら言いました。
不思議に思う愛乃めぐみに対し、白雪ひめは二人が付き合っている事を指摘します。もちろん、二人はそれを即座に否定しました。
そして、二人は「これからもずっとプリキュア!ずっと友だちだよ」「うん!めぐみ」と笑顔で手を取り合います。
続いて、空腹で腹を鳴らした白雪ひめに対し、「スパゲッティを作ってあげる!おいでよ、うちに」と愛乃めぐみが言って、話は終わりました。
表面的に描かれた、白雪ひめの奮闘ぶりを楽しむと同時に、その言動に含まれていたものについて、興味深く読めた話でした。
白雪ひめは、愛乃めぐみを大切な友だちだと思ってはいますが、相良誠司との関係について、一方的に疑っています。
さらに、ブルーと仲良く会話しているのを見て、「てゆーか二また!?恋多き魔性の女なの!?やはり愛乃めぐみ…キュアラブリーを名乗るだけあるわ…」などとまで言っています。
一方、愛乃めぐみは、アニメ同様、純真無垢です。白雪ひめの事を完全に信用しています。
それに対し、白雪ひめとリボンは、愛乃めぐみに対し、「キュアフォーチュンとの因縁が生じた理由」について、隠し事をしているわけです。
もしかすると、自分が愛乃めぐみに隠し事をしているのだから、彼女も同様に自分に隠し事をしている、と思っているのでしょうか。
だからといって、愛乃めぐみの事を大切に思っている、というのも偽らざる本心なわけです。
「自ら弁当をかぶる」などというらしくない行動や、「二人の関係を隠したい」という想いで、普段以上の力を出して敵を瞬殺した、というあたりにそのあたりが描かれています。
そのような、白雪ひめのの複雑な心境を面白い形で描いていると思いました。
あと、白雪ひめのブルーに対する言動も興味深く読めました。
本人に対しては、相変わらず「神様」に対しているとは思えないような失礼な事をズケズケと言います。
その一方、心のなかでは「万物を見通す鏡でみんなを見守って…いえ見張っているからね。神さま…」と言います。そして、実際に、「鏡での監視」を非常に恐れていました。
このあたりも、隠し事と関係あるのでしょうか。
というわけで、ギャグをやらせる一方で、心の奥にある色々な複雑なものもしっかり描かれた、という白雪ひめが強く印象に残った話となりました。
「ジュクセン!」は、原くんの受験が、すず達にバレてしまい、バスケ部の皆が、原くんをと仲違いしてしまいます。
原くんは、謝ろうと、すずの家に行きますが、会ってもらえません。
しかし、諦めずに、雨の降る公園で、ずっと、すずを待ちます。すると、「傘を渡す」という口実で、すずが出てきます。
そして、率直に本心を伝え合い、仲直りできました。
この部分の描写が、とても上手く描かれており、心に残りました。
「さばげぶっ!」は、なぜかサバゲー部員がバンドを組む、という話でした。
そこで、ベンガル地方の弦楽器・鍵盤ハーモニカ・鼓・口ベース、という楽器(?)でバンドを組むあたりが、この作者のセンスの凄いところだと思いました。
あと、オチの「20年前に伝説のロックスターがやった7メートルダイブ」ですが、元ネタの意味が全く分かりませんでした。読者のうち、何人がわかったのだろうか、と気になりました。
なお、アニメの声優さんが発表されました。春日野うららは、伊瀬茉莉也さんに演じて欲しかったのですが、実現せず残念でした。