DokiDoki第49話

 前話まで、「1月のプリキュア」のパターンを大きく異なる話が続きましたが、最終回は、「2/3が最終決戦で、残り1/3が後日談」という、例年通りの構成でした。
 ただ、ジコチュートリオが通常の話と同じかのように去って行ったり、トランプ国王が退位し、共和制に移行するなど、個性的かつ印象的な展開がいくつもありました。

 前回の続きで、小さくなったキングジコチューを飲み込む、ベールの描写から始まりました。しかしながら、ベールはそれを制御できず、逆に精神を乗っ取られてしまいます。
 そのため、それ以降の「最終決戦」が、「純粋なる悪の化身」との闘いになってしまいました。別に、ベールの意思を残してもよかったのでは、と思いました。
 そのベールを吸収したキングジコチューの破片は「プロトジコチュー」を名乗ります。
 何でも、1万年前にプリキュアと闘った存在とのことでした。それが封印され、キングジコチューとベールなどの他のジコチューに分離していた、という事なのでしょうか。今ひとつ意味が分かりませんでした。
 それはともかく、このプロトジコチューは、ラスボスならではの圧倒的な強さを見せます。ロイヤルラブリーストレートフラッシュも通用しません。

 さらに、宇宙全体を滅ぼすなどと言い始めました。これは、これまでの「ジコチュー活動」と整合性がありません。
 それに対し、マナは「宇宙に一人だけだと、ジコチューな事もできない」などとこれまたちょっとズレた説教をしていました。
 最後に「マナの説教好き」を出したかったのでしょう。ただ、プロトジコチューの考え自体が不自然だったため、ちょっと外した感じでした。
 そのマナの説教に腹を立てたプロトジコチューは、マナのプシュケーを抜き取ってジコチュー化しようとします。
 そして、マナにジャネジーを向けると、マナの衣装についているハートの部分が黒く染まり、マナから離れました。
 つまり、あのプリキュアについていたハートはプシュケーだった、という事が最終回にして明かされたわけです。
 本来体内にあるプシュケー(=魂)が、プリキュアになると、具現化されて表に出てくるわけです。
 これって、魔法少女のソウルジェムと同じ扱いなのでは、と思いました。

 ただ、この攻撃は効果なく、マナは自力でプシュケーを取り戻します。
 そして、皆から三種の神器の力を受け取り、やや色が薄い「キュアハート・パルテノンモード」になりました。
 このパルテノンの意味がよく分かりませんでした。ギリシアにある神殿と何か関係があるのでしょうか。
 そして、このパルテノンモードになると、速度が上がり、蹴り技が上達するようです。その二つでプロトジコチューを圧倒した後、懐かしの「マイスイートハート」でトドメを刺しました。
 そして、プロトジコチューが四散すると、中から、トランプ王国の人々のプシュケーが出てきて、彼らは元に戻りました。
 あの小さい「キングジコチューの残骸」に、あれだけのプシュケーが入っていた事には驚かされました。

 後日談では、まず、アン王女の成仏(?)から始まりました。
 ここでは、真琴の強い悲しみぶりと、ジョー岡田の無感情ぶりが非常に対照的でした。岡田としては、そんな過去の感傷より、差し迫った大統領選挙のほうへの関心が強かったのでしょうか。
 一方、ベールですが、プロトジコチューにジャネジーを吸われたせいか、ネズミみたいな姿になっていました。そして、「もう一万年眠ってリベンジする」と言っていました。
 それを聞いたマーモは呆れたように突っ込みます。一方でイーラは、今のプリキュア達には勝てない、と笑顔でつぶやき、やがてマーモに声をかけられ、元去って行きました。
 つまり、普段の「覚えてろ」と同じ形で退場して行ったわけです。
 これまでのシリーズで敵幹部キャラは、死ぬか、洗脳が解けたり考えを改めるなどで善人になるか、独立起業するかの三択でした(三つ目の該当者は一人しかいませんが…)。
 その中で、イーラとマーモは、初登場時の姿・精神を損なわずに普通に去って行ったわけです。この描き方も画期的だと思いました。

 続いて、4月の学校風景となります。三年に進級した、マナと六花は二人で登校していました。現生徒会長は、12話でマナに「弟子入り」した、早乙女純がやっています。
 そこに、新入生であるレジーナが、マナに「宿題教えて」と抱きついたりしていました。
 「双子」の亜久里はいまだ小学生なのですが、これも「想いの強さの違い」なのだろうか、と思いました。
 その亜久里は、より一層学校の他の生徒たちと仲良くなり、お菓子作りも上達していました。
 一方、トランプ王国ですが、今回の件で、地球諸国との国交が成立していました。
 そして、トランプ国王は退位し、ジョー岡田が「トランプ共和国」の初代大統領となっていました。
 第46話で「国王のご乱心」を見たときは、「専制政治ゆえにおこった悲劇」だと思っていましたが、作り手も同じことを考えていたようです。
 ちなみに、プリキュアシリーズでは、たいてい妖精の故郷である君主制国家が出てきます。他にも君主に問題があって国民が大変な目にあった国もありましたが、それを機に共和制に移行した、というのはシリーズ初の事でした。
 ただ、他人事みたいに「大統領になっちゃたよ」という岡田の言葉には、ちょっと裏があるのでは、と思いました。
 同時に、この話、トランプ王国だけで見れば、岡田が巧妙に立ちまわって行った国家権力簒奪話なのでは、などとも思いました。

 一方、追放された(?)前国王ですが、大貝に引っ越し、宗吉と将棋を指していました。
 実は、最初にOPを見たとき、宗吉とセバスチャンが将棋を指しているのか、碁を打っているのか、ずっと気になっていました。その「謎」が最終回でついに明かされたわけです。
 なお、プリキュアで将棋というと、無印で石の番人と長老が何度か指していました。それ以来、約10年ぶりの対局となったわけで、懐かしさを感じたりもしました。
 あと、レジーナおよび前国王がどこに住んでいるのかも気になりました。家の広さと「家族水入らず」から言えば円家かと思う一方、レジーナだけは以前と同様、相田家に居候しているのかも、とも思いました。

 その、王が去ったトランプ共和国ですが、ジコチューに続く、新たな危機にさらされていました。
 王国式全自動クリーナーに目をつけた、ありすが、それを百万個まとめて発注をかけていたのです。空には、既に四葉財閥の飛行船が浮かんでいました。
 この調子なら、こちらの世界同様、経済を支配され、さらには財閥にとって都合の悪い情報を「クシャポイ」できる情報管理体制が築かれるのも時間の問題だな、と思いました。
 ちなみに、この王国式全自動クリーナーは、真琴が転校してきた際に言及したもので、その場に、ありすはいませんでした。にも関わらず、この情報を得て、商品化を構想していたわけです。
 その相も変らぬ経済力と情報収集力には改めて驚かされました。
 あと、ありすにおいては、最終回で初めて、学校の制服姿が披露されていました。

 なお、六花の後日談は、マナ差し入れの桃饅を食べながら、受験勉強するも、百人一首は相変わらずやっている事をラケルに突っ込まれる、というやや平凡なものでした。
 全国レベルの学力を持つ六花ならどこの高校でも受かるわけですから、別に百人一首を続けながら受験勉強しても楽勝なのでは、と思いました。
 そして最後は、マナと真琴が描かれます。
 初期のころの、マナを受け入れなかった頃の回想が描かれる中、真琴は、トランプ王国(当時)では、皆が自分の唄を聞き入っていたが、こちらの世界では、コンサートの客が一緒に歌う、という違いについて言及していました。
 しかしながら、地球だって「王女直属の歌姫」が王女臨席の場で歌うなら、観客は歌わずに聞き入るでしょう。また、クラシックやオペラなど、「一緒に歌わない」という文化はいくらでもあります。
 前々回の「助け合い」の時もそうでしたが、このようにほんの一面だけを切り取って、地球とトランプ王国(当時)の違いを描く、というのは違和感がありました。
 そして真琴のコンサートが無事終了した直後、国会議事堂からマナに、「墜落しつつある人工衛星の処理」を依頼する電話が入ります。
 それを受けてプリキュア五人とレジーナが出動する、という所で完結となりました。

 前回まで、「1月のプリキュア」のパターンを崩すような斬新な話が続いていました。それだけに、今回もかなり期待していたのですが、どちらかと言うと「基本パターン通りの最終回」という形でまとまってしまい、少々期待外れ感がありました。
 特に、後日談の構成には勿体なさを感じました。
 今回のシリーズは、プリキュア達の人間関係において、常にマナが軸になる、という独特の設定がありました。
 そのあたり、マナと真琴のコンサート前の場面では、会話はともかく、真琴の心の動きと回想を上手く使ってそれを描いていたと思いました。
 これを、他のキャラでもやったほうが、バランスが良かったのでは、と思いました。
 特に、六花と亜久里の後日談は、あっさりしすぎたので、余計、その思いが強く残りました。
 あと、このシリーズを支えてきた重要な脇役であるセバスチャンとDB(ダビィ)にも、ちょっとした後日談をつけて欲しかったものだ、とも思いました。
 とはいえ、「初登場時と変わらぬ姿・精神のまま去って行った敵幹部」や、「問題を起こした王を退位させて共和制に移行」など、過去のシリーズになく、かつ興味深い逸話も色々と描かれており、その部分は大いに楽しめました。
 そして、ジコチュー撤退後もプリキュアを続け、政府からの依頼に応じたりしている、という最後の締め方も、このシリーズならではだと思いました。
 シリーズ全体の感想は、水曜日に書きます。

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