レジーナの立ち位置が決定的になった話でした。同時に、キングジコチューが初めて台詞を話しました。
見せ場である、レジーナが自らを犠牲にしてマナを助けようとし、それをマナが止めるあたりの一連の会話や、ジコチュートリオの微妙な立ち位置の違いなど、印象に残る描写が多々ありました。
そして、ラストのレジーナの会話および、その後のマナの手の握り方などは、非常に上手く描いていると思いました。
一方で、経費節減としか思えない描写があったりと、残念さを感じさせられた部分も一部にはあった話でした。
一番の見せ場は、下にマグマが煮えたぎる穴に落とされ、「一人しか支えることのできないクモジコチューの糸」をつかんだ、マナとレジーナの会話部分だったと思います。
この描写、下のマグマが赤く光っており、そのため、二人の色も、ほぼオレンジになっていました。
別に、下がマグマである必然性はどこにもありません。さらに、この部分は、本来なら二人の微妙な表情を描く必要のあるところです。そのため、これを見た時は、彩色の経費節減のためでは、と思いました。
ついでに言うと、これはベールが仕掛けたわけですが、このような「二択」を迫らせる拷問シチュエーションを設定する必要性など、どこにもないわけです。
さらに、この「二人きり」を演出するために、王城の手前にある沙漠で、真琴対イーラ、岡田対マーモ、六花・ありす対ジコチュー軍団、という闘いが行われていました。
ところが途中で、この闘いを敵味方とも放り出して、王城に戻るわけです。このあたりも、描き方が粗いと思いました。
というわけで、設定や絵的には少なからぬ不満が残る部分もありました。
しかしながら、この部分の会話や描写など、基本的な部分は上手く描かれており、楽しめました。
まず、レジーナが、マナと出会ってからの自分の変化を語ります。この時の、前回の後半ともまた違うレジーナの口調には、本当にマナに会えて嬉しかった、という心が伝わってきました。
そして、マナを助けるために犠牲になろうとする場面の表情も印象に残りました。
さらにそれを助けたマナの、意味不明の根拠による自信並びに鼻息、さらにはその後の「糸が切れれば壁を登ろう、壁が崩れてもきっと方法があるよ」という台詞も、彼女しか言えないな、というふうに思いました。
また、その台詞を聞いたレジーナが、満面の笑顔で「うんっ」と言い、それがきっかけで力を取り戻してマナを助ける、という展開も面白いと思いました。
あと、ジコチュー側の描写も面白いと思いました。特に冒頭、王女の身柄を得てイーラとマーモが乾杯します。その内心で、イーラは自分の功績を誇っているのですが、マーモは王女への敵意しか語っていません。
そして、氷の中から王女を出すために、ダイナマイトまで取り出し、イーラまでドン引きさせていました。
このマーモの王女への過剰な意識は印象に残ると同時に、今後、どのようになっていくのか気になりました。
そして、レジーナが「勘当」されると見るや、態度を180度変えた、ベールの描写も楽しめました。さらに、いずれはキングジコチューをも、とつぶやいた所にも好感が持てました。
また、初台詞だったキングジコチューも、最初は身びいきでレジーナだけを褒めたものの、ちょっと意に反する事を言ったら即座に「勘当」するなど、悪い意味での「親らしさ」を見せていました。
このあたりは、さすがは「ジコチューの王」と言えるな、と思いました。今後、この親娘がどのような会話をするのかも、楽しみです。
そして、最後に父親の元を去るレジーナの描写も印象に残りました。一度はマナの手を握って一緒に走りますが、異空間を飛んでいる時、いったん手の握りを弱めます。
続いて、「これで・・・良かったんだよね・・・」とつぶやきます。それに対し、マナは「え?何か言った?」といった感じで振り向き、笑顔を見せます。これは、レジーナの台詞を聞き取れていたか微妙な感じでした。
その笑顔を見てもレジーナの不安そうな表情は消えません。しかしながら、すがるような感じで、マナの手を強く握りました。ここで話は終わりました。
最後の部分は手だけですが、その前の表情とあわせ、レジーナの心情が非常によく伝わってきました。
あと、このレジーナの台詞が、六花が初変身した時と同じだった、というのも印象に残りました。
このように、色々と印象に残る描写が多々あった話でした。それだけに、あのマグマの部分での絵がもっときちんと描かれていたら、かなりの名話になったのでは、という勿体なさも感じました。
次回、キュアエース誕生話です。前回の予告で初めてシルエットが出ただけに、もう少し引っ張るかと予想していたのでちょっと驚きました。
ただ自分的には、新プリキュアよりも、レジーナがみんなと海に行ったり、マナの家で暮らしたりする部分のほうが、気になっています。
どのような感じで、そのあたりが描かれるのか、今から大変楽しみにしています。