なかよし2013年7月号

 「ドキドキ!プリキュア」は、アニメ15話の「真琴の演劇に対する悩み」と16話のレジーナ友達話を、絶妙な形で融合させていました。
 プリキュアの登場は、アニメ16話であった「レジーナの友達宣言を聞いて逆上した真琴がいきなり変身した場面」のみと、先月に続き、極めて少ないコマ数でした。
 先月同様、上北さんの本気ぶりが感じられた話でした。このまま行けば、今回のシリーズは、漫画版プリキュアの中でも特に歴史に残るものになりそうだな、と思わされた話でした。

 話のほうは、真琴が主役の演劇ポスターから始まります。アニメでは映画「白雪姫」でしたが、漫画では舞台演劇「ロミオとジュリエット」となっています。
 マナは大喜びしていますが、真琴は浮かぬ顔です。その理由は、ジュリエットの心境である「敵同士なのに愛しあう気持ち」というものが理解できないから、というものでした。
 それを聞いたマナと六花は、同意しながら思い出話をします。小学校の時、マナがロミオ役、六花がジュリエット役で学芸会をやったのですが、マナのアドリブで、悲劇ではなく、大爆笑の喜劇になった、とのことでした。
 その回想は小さい絵ですが、どうも、自殺をしようとしたジュリエットを見たロミオが目を覚ましてそれを止める、というアドリブだったようです。
 このアドリブの入れ方および、その時の二人の表情は、小さい絵であるにも関わらず、強く印象に残りました。
 それを思い出しながらマナは、「スレちがいによる非業の最期なんでどーしても納得できなかった」と言い、一方で六花は「わたしは移り気なロミオさまが不満よ!」と言っていました。
 それを聞いた四人は笑い、真琴は「・・・マナには人をひきつける不思議な力があるわ」と言います。それを聞いた六花は「おかげで”友ハーレム”は絶賛拡張中です!」と怒っていました。まだまだ、先月の事が引きずっているようです。

 そこに唐突にレジーナが現れます。そして、「キングジコチューの娘」と自己紹介した上で、「マナの事、とぉ~ても気に入った!わたしの友達にしてあげる」といいました。
 ここからの展開は、アニメ16話冒頭と同じで、真琴が怒って返信し、マナがそれを止めた後、「友達」を同意し、それを見て怒った真琴がマナと口をきかなくなります。
 そして、これもアニメ同様、マナはレジーナに振り回されます。このあたりは、要約して描かれていましたが、そんななかでも、レジーナの豊かな表情が上手く描かれていました。
 真琴のマナへの怒りはとけないままですが、それが真琴の芝居に影響を及ぼします。
 真琴が演じるジュリエットは敵家のロミオを愛したわけです。しかし、自分はレジーナを許すことはどうしてもできません。「ふれるのもイヤ」というのが率直な心情です。
 そのような自分に、ジュリエットを演じられるわけがない、と悩み、控室に引きこもってしまいました。
 すると、それを知ったマナは、控室の脇にあった樹に登って、真琴に会いに行きます。
 驚く周りの声に気づき、真琴はベランダに出ます。しかし、マナが「会いたかったよまこぴ~v」と言うと、「よくいうわ、敵のあの子にご執心のくせに!!」と言い返します。
 この、真琴の台詞は、二つの理由で、レジーナの名前すら口に出したくない、という真琴の心境を上手く表していると思いました。
 それに対し、マナは素直に自分の心境を語ります。最後に、「ねぇ、まこぴ~、敵だったら友達になっちゃダメなのかな・・・」と言いました。
 その問いかけに真琴は答えません。代わりに、「もう帰って、お稽古があるから・・・お芝居は見に来て」と、遠回しな表現で、引きこもりをやめること、及びマナを許すことを宣言しました。

 そして、芝居の初日、レジーナも含めた四人で観劇に行きました。冒頭部分を見たレジーナは、「ふぁ~退屈」と、露骨な感想を言い、マナにたしなめられていました。
 そんな中、舞台の上の真琴は、ロミオ役と手を合わせながら、同じシチュエーションのマナとレジーナを思い浮かべます。
 そして、「マナは、真っ白な気持ちでレジーナと向い合っていたんんだわ。そうよ・・・いつも誰に対してもマナはブレない・・・あたしとレジーナも敵同士だと知らずに出会っていたら・・・どうだったのかしら・・・」と心の中で語りました。
 そして、恋しさと哀しさが入り混じったような表情で「あなたはなぜロミオなの」と言います。これを見た、マナ・六花・ありすはもちろん、先ほどはアクビをしていたレジーナも、感激の表情をしていました。
 舞台終了後、三人は真琴を絶賛します。それに対し、真琴は「レジーナのコトはまだ・・・すぐには許せない・・・でも、マナのようにまっすぐに向きあえたら・・・って思う」と笑顔で言い、マナは「まこぴー!!」と喜びました。
 しかしその直後にレジーナが現れ、マナの手を引っ張って「遊びにいこv」と言います。
 それを見た真琴は「このジコチューぶりも・・・いつか・・・ええ・・きっと」と額に怒りマークと汗マークを同時に出しながら言いました。
 それを受けて六花が白目で「さすがにまるごと受け入れはきついから」と返し、話は終わりました。

 アニメの16話から17話前半にかけてのレジーナ友達話も非常にいい話でした。
 しかしながら、この漫画は、それに輪をかけていい話だったと思いました。
 特に、アニメではうやむやにしていた、真琴のレジーナへの気持ちを正面から描ききっていたところに感心させられました。
 さらにそこに、15話の「演劇への悩み」を見事に合わせています。アニメ15話の「白雪姫」は、本編との関連性は全くありませんでした。しかしながら、この話では、真琴の「演劇ができない悩み」と「マナがレジーナと友達になった事への怒り」の二つの心境と完全に融合させています。
 そのうえ、回想で「マナと六花が小学生で演じた『ロミオとジュリエット』」において、マナならでは、という描写を加える事までしていました。
 一方、レジーナについては、あまり出番はありませんでした。しかしながら、観劇の様子やオチなど、細かい所で、存在感を出していました。
 例年、安定した面白さと、上北さんならではの視点・描写が光る漫画版プリキュアですが、今年はさらに凄いシリーズになりそうだと思わされた話でした。

 「キミが好きとかありえない」は最終回でした。
 前回のオチで「変態」の部分だけ記憶喪失になった宮原が、初登場時のような、完璧超人になってしまいます。
 それが、漫画家業のほうにも好影響を及ぼし、ややマイナー志向だった「はちみつベイベ」が一般受けする大人気漫画になってしまいます。
 また、かなでに対しても「理想の彼氏」になりました。ただ、学校でファンの子に携帯番号を尋ねられると、「ごめんね、オレ、彼女しか興味ないんだ」と言って公衆の面前でお姫様抱っこした上で額にキスする、といったあたりは、別の方向性での「変態」なのでは、とも思いました。
 というわけで、かなでが一目惚れした「宮原くん」になったわけですが、漫画の内容も含め、かなではどうも馴染めません。
 その結果、宮原の家に押しかけて、「ペロペロ」をやり、呆れた宮原に対し、「でもそんな変態な、キミが・・・宮原くんが好きなんです!」と言います。
 すると宮原は元に戻り、その勢いのまま二人はキスしました。
 そして数年後、二人は結婚式を挙げます。そしてオープンカーに乗って「オレ・・・かなたんが大好き」という宮原に対し、かなでも「はい、大好きです」と言います。
 続いて、かなでは「はちみつベイベ」の最終回をウェディングドレスから取り出し、「最高にステキでした」と言います。しかし、先ほどの発言に感激した宮原は、車の上で鼻血とよだれを垂れ流していました。
 それに呆れた、かなでが「~っ やっぱり撤回します。宮原くんが好きとかありえませんっ!!」と言って、終わりました。

 まだまだ色々と描けることがあったと思うだけに、ここで終わったのは非常に残念でした。
 ただ、「変態漫画」を続けるにはネタが厳しかったと思うので、ある意味潮時だったのかも、とも思いました。
 今回の「正気に戻る宮原」も連載の中盤辺りでやれば面白かったと思います。ただ、最終回のネタにするのはどうだっただろうか、と思いました。
 主人公二人をはじめ、いいキャラクター・設定だったと思います。それだけにここで終わるのは、かなり残念でした。
 来月でる単行本最終巻では、描きおろしの話があるとのことです。それを読むのを楽しみにしています。

 「さばげぶっ」は、うらら・麻耶・かよの三人がプールに忍び込んだはいいが、気づかれずに鍵を締められ、出ることが出来ずにパニックになるという話でした。
 相変わらずの、うららの汚れ役っぷりが凄いと思いました。あと、前回同様、「主人公」のモモカの出番が少なすぎたのを見た時は、往年の車田漫画を思い出したりもしました。
 「さばよんっ」のほうは、パンツをかぶった美煌の描写が印象に残りました。作者は実写版「変態仮面」を見たのだろうな、などと思いました。

 「ワルツのお時間」は、姫愛のダンスを見た、たんごがペアを組もうと言いますが、よくわからない理由で姫愛が拒否します。まあ、ここで二つのペアが確定してしまうと、今後の人間関係が描けないので仕方ないのかもしれません。
 一応、姫愛としては、「たんごの最初のパートーナー」が気になっている、という設定のようでした。そのパートナーですが、勇誠の「たんごがわからないならオレも知らないな」という発言は意味深でした。
 話の流れからすると、菫のように思えるのですが、どうなのでしょうか。
 一方、その菫は、たまたま二人きりになった、たんごが一寝入りしているところに、キスしようとしていました。それを、勇誠と姫愛に見られた、という所で次回への引きになりました。
 菫はずっと、たんごの事を想っていた、という事なのでしょう。それが明らかになった事により、話の展開がまた一段進むと思います。今後も楽しみです。

 「恋と軍艦」は、香菜の「事業計画」を軸に、晶の挫折と再挑戦、町長に対する入市の疑念などが組み合わさって話が進んでいました。
 いろいろと謎が残っていますが、それが見当もつかないのに自然に読める所は本当に凄いと思います。
 そして最後は、謎の晶のイメチェン、という所で次回への引きとなりました。これが何を意味するのか、これまた楽しみです。

 「なかよし団」は来月に出る、ホラーものオムニバスの宣伝企画でした。ゲストとして執筆した漫画家の伊藤みんごさんと、ナフタレン水嶋さんが来ていました。
 ナフタレン水嶋さんといえば、独特のセンスのギャグが印象に残る人です。それがホラーに転向していたと聞いて、ちょっと驚きました。
 といっても、ナフタレン水嶋さんは、ボケをかましたり、オチを担当するなど、相変わらずのギャグセンスで存在感を出していました。
 また、本誌でギャグ漫画を描いて欲しいと思いました。
 あと、今回の舞台は、吉祥寺にある幽霊をコンセプトにした居酒屋でした。
 脚注に「いってみたいコは大人の方に連れて行ってもらってね」と書るように、普通の読者が行くことのできない店なわけです。自分的には有益な情報でしたが、誰得なのだろうか、とちょっと気になりました。

 前後編ものの「電撃スターダム!!」は、特撮ファンのボーイッシュな女の子が、エキストラのオーディションに行ったところ、監督に気に入られた上に男と間違えられ、いきなり準主人公として出演する事になる、という話でした。
 1月号にデビュー作が載っていたようで、その年齢の若さは覚えていましたが、話のほうは全くもって覚えていませんでした。
 ただ、今回の話は、設定の奇抜さといい、キャラのインパクトといい、かなり印象に残りました。
 後編の出来・反響次第では、連載もあるのかも、とも思いました。

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