なおの提案で、プリキュア五人で運動会のクラス対抗リレーに代表として出場する、という話でした。「どうせ・・・」と諦める事が嫌いという、なおの真っ直ぐな性格と、それに引っ張られて頑張る四人が描かれます。
特に、小さい頃から走ることが苦手な、やよいが、何度も諦めかけながらも、なおの想いを知って、見事完走します。
そしてリレーのほうは意外な結果となり、素晴らしいラストが描かれた話でした。
冒頭、体育の授業という形で、五人の脚力が紹介されます。サッカー部のエースである、なおは圧倒的な速さです。それに、あかねが続き、みゆき・れいかは同着、そして、やよいは途中で力尽きていました。
ここで、みゆきと、れいかが同じくらい、という事が一瞬不思議に思えましたが、その謎はすぐに解明されます。
そして、運動会のクラス対抗リレーの女子代表を選ぶ話になります。当然、なおに期待は集まりますが、彼女自体は走ることは好きでも、そのような勝ち負けにあまり興味がなく、乗り気ではありません。
ところが、クラスメートが、今年のリレーでは1組と4組が陸上部員で揃えるという話をします。そして、「どうせ勝てないよ」と言いました。その「どうせ」という言葉に、なおはカチンと来ます。
そして立候補し、皆は賛成しますが、同時に他のメンバーは、という話になります。すると、なお、他のメンバーとして、プリキュアの四人を指名し、クラス中を驚かせました。
一方、バッドエンド王国では、ジョーカーが三人で力をあわせてプリキュアと闘うよう、訓示を垂れます。しかし、アカオーニは「力を合わせるなど弱い奴がやることだオニ」と言って一人で出撃します。その後姿を、ジョーカーは冷笑していました。
場面は学校に戻り、リレーの練習になります。みゆきはバトンの受け渡しが苦手なようです。また、れいかは、「脚は高く挙げる、腕は大きく振る」と自分に言い聞かせていますが、肝心の体が前に進んでいません。
毎朝ジョギングをしている人とは思えませんが、徒競走のフォームを意識しすぎて、ついついそうなってしまうのでしょう。その結果、運動神経では差がある、みゆきと同着になる、という事なのだと思いました。
そして、やよいですが、相変わらずフォームも定まらず、一緒に練習していた陸上部員にあっという間に抜き去られていました。
練習が終わり、皆で帰りながら、なおは課題を話します。それを聞いた、やよいは、自分を外してくれ、と言います。そして、なおに「なぜ、わたしなの・・・。もっと速い人もいるのに」と言いました。
すると、なおは、「ごめんね。わたしのわがままに巻き込んじゃって」と謝ります。そして続けて、「わたし、みんなで走りたいんだ。この五人と一緒にね」と言います。さらに、みゆき・あかねも、やよいを元気づけたため、やよいは辞意を撤回しました。
帰宅後、みゆきはキャンディを相手に、バトンタッチの練習をしていました。そして、運動会に対するワクワク感をキャンディに語っていました。
翌朝、五人は早起きして朝練をします。タイムが順調に上がっていると告げられた、やよいは嬉しそうでした。そして、昼休みは、弁当を食べると朝の疲れが出たのか、五人で並んで昼寝をしていました。
その日の放課後、五人は帰路につこうとします。やよいは忘れ物に気づき、教室に戻りました。そして、入り口に立つと、中からクラスメートの話が聞こえてきました。その内容は、やよいがいてはリレーは勝てない、というものでした。
やよいは傷つき、忘れ物をとりに教室にも入れず、そのまま引き返しました。表情は変わっていないのですが、なおだけは、戻ってきた、やよいのの心情に気づいたようでした。しかし、やよいには何も話しかけませんでした。
そして運動会当日となります。いよいよリレー、というところで、やよいは「なおちゃん、やっぱりわたし・・・」と再び辞退しようとします。しかし、なおは、バトンを向け、「みんな、今はこのバトンを繋ぐ事だけ考えよう!」と四人に向かって言いました。
するとその時、アカオーニが出現し、玉入れと綱引きをくっつけて青っ鼻でアカンベー化しました。五人は変身しますが、綱引きを使った鞭攻撃に翻弄されます。
しかし、なおは、その端をつかみ、綱引きを始めます。それに四人も加わりますが、なぜか四人は「オーエス」が「SOS」になってしまいました。このギャグの意味はまったくもって理解不能でした。
そして、アカオーニは「どうせ、勝てないオニ。足手まといはいらないオニ」と言いました。
その言葉を聞いた、やよいは、リレーでの自分の事を思い出し、辛そうな表情になります。しかし、そのとき、なおが「違う。仲間と一緒じゃないとできないこともある。私は、『どうせ』なんて絶対に言わない。力を合わせれば、できないことなんて何もない」と言います。それを聞いた、やよいは、ハッとするような表情になりました。そして、レインボーヒーリングでアカンベーを撃退しました。
闘いが終わると、やよいは「なおちゃん、みんな、バトン、絶対につなごうね」と変身したままの状態で言いました。
そしていよいよリレーが始まります。まず、あかねが三位以下に差をつけた二位につけます。そして、バトンタッチもうまくいき、みゆき・れいかは、その順位を守ります。
冒頭の会話では陸上部員を揃えたクラスが二つあった、という事ですが、みゆき・れいかを抜けたかったところを見ると、二つというのは誤情報だったのでしょう。
そして、やよいの番になります。元々の走力はいかんともしがたく、次々に抜かれてしまいます。しかし、ここ数日の努力と先ほどの闘いで得たもののおかげで、辛そうな表情で、必死に走りぬきます。
その頑張りを見て、みゆきは、声援を送ろうとします。しかしそれより先に、昨日の放課後、教室で、やよい起用を批判していた、井上くんと岡部くんが、やよいの走りに心打たれ、椅子に登って声援を送りはじめました。
そして、やよいからバトンが渡り、アンカーの、なおが登場します。そして、次々と追い抜き、再び二位まで上がります。そして、トップを行く陸上部員に迫ります。その走る姿に、思わず、やよいは「なおちゃーん!」と叫びます。それを聞いた、なおは、一瞬、トップに経ちました。しかし、直後に脚がもつれ、転んでしまいました。何とか起き上がりましたが、結果は最下位となってしまいました。
なおは振り向き、悔し涙を流します。しかし、そのとき、みゆき・あかね・やよいが感動のあまりに泣きながら、なおに飛び込んできました。驚く、なおに、れいかも涙を拭きながら「最後まで、バトンをつなげましたね」と言います。そして、なおの「わたしも、皆と走れてよかったよ」という返事を聞いた後、その輪に加わりました。
そして、クラスメートもみな、なおを祝福する、というところで話は終わりました。
今回の話は、かなり低予算だったのでは、と思います。先週のタイアップ話に力を入れすぎた反動もあるのでしょう。やよいを除く四人の作画も安定していませんでした。また、後ろ姿が多かったり、意味のない運動会風景などを描いたりしていました。
そして、筋立て自体も、「なおの頑張り」「やよいの葛藤と決意」に終始した、単調と言えるものでした。
しかし、にも関わらず、本作は素晴らしい話でした。その制限された環境の中で、メインの二人のみならず、他のキャラについても、愛情をもって描こう、という作り手の意図が伝わってきました。
今回、あかねは、特に出番がありませんでした。もともと運動能力があるため、やよいはもちろん、みゆき・れいかのような練習場面も不要だった、という設定によるものでしょう。
そのため、見せ場は、なおの走りに感動する所しかありませんでした。しかし、そこでの、「なお!なお!」としか言わなかった事、およぼその時の表情は強く印象に残りました。普段、口達者な彼女が、なおの名前しか言えなかった、というところに、彼女の感動がとても上手く描かれていました。
同様に、脇にまわった、みゆき・れいかについても、その場面を含め、描くところはきっちり描かれていました。部屋で練習するほど楽しみにしている、みゆきも、考えすぎて体が進まない、れいかも、それぞれ印象に残りました。
そして、主題については、二度の辞退の申し出に対する、なおの対応と、その想いが伝わった、やよいが心に残りました。さらに、追いぬかれながらも走り続けた、やよいの描写も、伝わるものがありました。
そして何よりも、「実力差があろうと、最後まであきらめず、皆で力をあわせて頑張っていき続けたい」という一貫していた、なおの描写がいいと思いました。
あと、結果についても、安易に、なおを勝たせない、というのが上手いと思いました。日頃、懸命に練習している陸上部員に対するリスペクトを忘れない、というのには好感が持てました。
この、なおに、四人が駆け寄る所は、何年経っても忘れられない場面になるだろう、と思いました。それだけ、いい話でした。
次回は、やよいの父の日話です。といっても、やよいの父親は、彼女が5歳の時に他界しているとのことです。そして、自分の名前をつけたのが、その父親だと聞いた、やよいが、薄れている父親との思い出を探す、という話のようです。
予告画像においても、変身している、やよいが教会から出てくる、親子連れを見て、ハッとしたような表情になる、という絵がありました。いったい、どのような話になるのでしょうか。
かなり重い話なので「楽しみ」という言葉は使いづらいものがあります。とはいえ、今からこの話が見たくてたまらない、というのが率直な気持ちです。