母の日の準備をしていなかった、みゆきが、母親である育代に何とか日頃の感謝を伝えるために奮闘する、という話でした。
家事の手伝いには失敗しまくりましたが、仲間の励ましを受け、最後には手作りのネックレスを作ります。それが闘いにおいて一度ウルフルンに奪われ、しかも出来をけなされた、みゆきは落ち込みかけます。
しかし、四人の励ましで大切なことを思い出して立ち直り、最後には育代に喜んでもらえる、という展開でした。
冒頭、ふしぎ図書館から始まります。みゆきは絵本を読んで喜んでいますが、他の四人は黙々と作業をしています。不思議に思った、みゆきが尋ねた所、皆、母の日のプレゼントを作っている、との事でした。
プレゼントするものですが、あかね・なおは刺繍、やよいは油絵、れいかは湯呑みでした。ちなみに、ふしぎ図書館の居間は洋室ですが、れいかはそこに畳を持ち込んで作業をする、という気合の入りようでした。
その一方で、みゆきは、母の日の存在自体をすっかり忘れており、慌てて帰宅します。部屋に戻った時に、靴を持っていたのはリアル感があると思いました。他の四人も含め、普段は家族に気づかれぬように部屋に靴を持って行き、ふしぎ図書館に行っているのでしょう。
その頃、バッドエンド王国では、マジョリーナが、二度目の挑戦でついに「納豆餃子飴」を入手し、ウルフルンに「プレゼントフォーユーだわさ」と言って食べさせていました。もちろん、ウルフルンは速攻で吐き出し、その不味さに怒り、「プレゼント否定論者」になっていました。
ちなみに、マジョリーナが納豆餃子飴を食べた時の反応については、描かれずじまいでした。あと、なぜ、この謎のアイテムをここまで引っ張るのか気になりました。まさかこれがピエーロ復活の鍵になったりするのでしょうか。
一方、みゆきですが、最初、何か買おうとします。しかしながら、貯金箱の中には174円しかありません。そこで、いつものように、部屋の中を転がりながら悩む、みゆきですが、お金も物もない以上、態度で感謝を伝える、という結論に達しました。
そして早速、洗い物を手伝って感謝されます。喜んだ、みゆきは洗濯をし、さらにコーヒーを淹れますが、「砂糖と間違えて塩を入れる」という、半世紀ほど前に発生した古墳ギャグをやらかしてしまいます。
さらに、布団を干せば下に落ちてしまい、掃除をすれば転んで掃除機の中身をぶちまけてしまいます。
京都での大凶がまだ続いているのでしょうか。あと、布団を干した時に描かれた星空家の構造も気になりました。部屋のロフトもそうですが、かなりの豪邸なように思われました。
結局、「お手伝い作戦」も失敗に終わった、みゆきは、ふしぎ図書館に戻り、改めて皆に何を作っているのか尋ねます。
それぞれ答えますが、エプロンを刺繍していた、あかねは「自分の指も縫うてもうた」と笑っています。一方、なおは日頃の弟妹の世話の成果で、軽々こなしていました。
このような違いの描き方は面白いと思いました。また、その技量差について、なおが全くもって嫌味のない言い方で語っていたのも印象に残りました。
そして、みゆきが何を作るか、という話になります。特技を活かせば、という事になりますが、誰もそれが思いつきません。
まず、れいかが悩み、なおに振ります。以下、やよい・あかねと振られ、最後には、みゆきに戻ってしまいました。この、「隣への振り方および、振られた側の狼狽」はかなり面白く描かれていました。
そして結局、キャンディが使っていたビーズアクセサリーメーカーを使って、首飾りを作ることに決めます。
しかしながら、みゆきはその出来に自信が持てません。あかね達は、普通にちゃんと出来ていると思って感想を言いますが、みゆきはそれを受け付けられません。
すると、やよいが、「メッセージカードをつければいいじゃない」と助け舟を出します。それを受けて、皆で買い物に出ることになりました。
その時、ウルフルンが町に現れます。そして、カーネーションを売っている花屋の前でバッドエンドを発動しました。そして、五人が変身すると、カーネーションをアカンベー化しました。ただ、今回は「むしゃくしゃしている」という理由で、久々に「赤っ鼻」を使っていました。
そして闘いが始まりますが、アカンベーは花粉攻撃などでプリキュアを苦しめます。そして、闘いの最中に、みゆきが作った首飾りが飛んでしまい、ウルフルンの足元に転がりました。
それを拾い上げたウルフルンは、バカにした顔をします。さらに、みゆきがそれを作ったと知ると、思いっきりけなし始めました。
すると、みゆきは「そうだよね」と寂しい笑顔を見せ、泣きそうになります。すると、あかねが、みゆきの肩をたたき、「ハッピー、それは違うで」と言って前に進みました。
そして、ウルフルンに対し、静かな口調で「それ、返してんか?」と言います。ウルフルンが聞き返すと、「はよ、それを返さんかい!」と怒りの口調で攻撃を仕掛けました。
続けて、「確かにうちの作るもんもたいがい不細工や」と言います。すると、なおが続けて「不器用でも、思いを込めることが大事なんだよ」と言って追撃します。この台詞が、あかねの不器用さをフォローした言葉に通じていたのは、上手いと思いました。そして、あかねの炎の力をまとった蹴りで、首飾りを取り返します。
さらに、アカンベーの枝を使った攻撃に対し、れいかは受け止めた後、「上手いとか下手とか、そういう物ではありません!」と言い、そのまま枝を凍らせてしまいます。
続いて、やよいも「おかあさんが喜ぶことが大切なの」と言いながら、ウルフルンが登っていた電柱に雷の力を発動させ、しびれさせます。ちなみに、ピースサンダーの時と同様、力が発現した時は、一瞬怖がる表情を見せていました。
皆の発言を聞き、みゆきは「大切なのは想いを込めて作ることなんだ」という事に気づきます。このように、ウルフルンの発言を否定する形で、四人が、みゆきを元気づける、という描き方にも感心しました。
さらに、アカンベーの攻撃を、なおが風の使って吹き飛ばします。そして最後に、皆にうながされ、みゆきがハッピーシャワーを放ち、決着がつきました。
闘いが終わり、みゆきは、ウルフルンと争奪戦をしたため、ボロボロになった首飾りを見て、また落ち込みます。
しかし、そこに現れた育代は、それを見ると、嬉しそうな顔をしました。それを見た、みゆき、さらに後ろで見ていた四人も笑顔を見せました。
そして、四人はそれぞれ帰宅し、母親にプレゼントを渡し、喜ばれていました。初登場となった、なお・れいかの母親ですが、なおの母親は肝っ玉母さん風で、なおと似ていませんでした。一方、れいかの母親は、和服を着ており、顔も似ていました。
一方、みゆきは育代と並んで帰ります。そして、今日のお手伝いの失敗を謝りますが、育代は笑顔で「今日、みゆきはお母さんのために頑張ってくれたでしょ。それが嬉しいの。それにプレゼントも貰って。」と言いました。それを聞いた、みゆきは幸せな笑顔で、育代の腕にしがみつき、「お母さん、ありがとう。大好き!」と言って、話は終わりました。
前半はやや定番なネタが続きました。特に「砂糖と間違えて塩を入れる」という古墳ギャグを見た時は、少々不安をおぼえもしました。
しかしながら、終わって見れば、そのような失敗ネタも上手に使い、うまくまとまっていました。最後の育代との会話も、特に斬新な描写があるわけでもないのですが、温かさが伝わる締め方でした。
特に印象に残ったのは、みゆきの首飾りをバカにしたウルフルンに対する、あかねの反応でした。まず、落ち込んだみゆきの肩を叩いて励まし、続いて、おとなしい口調で「返してんか」と言った後に、激昂する、という描き方には、ウルフルンに対する怒り、および落ち込んだ、みゆきを心底気遣っている事が伝わり、印象に残りました。
また、初登場だった、みゆきの母・育代ですが、みゆきがどんな失敗をしても、その原動力となった「想い」を気遣い、笑顔で応対しています。そして、最後にそれに対する感謝を告げていました。
このあたり、みゆきが自他を問わず「ウルトラハッピー」を求める人柄になったのが、育代の影響である、という事がよく伝わる描写だと思いました。
あと、前半部分においても、縫い物の実力差を知った、なおがごく自然にそのことを自然に語り、さらにそれが戦闘にも引き継がれた、というのも巧いと思いました。
その戦闘においても、新たにそれぞれの属性を活かした技を初披露します。また、格闘場面でも、かつてのような敵の攻撃を怖がるような描写がなくなりました。このように、着実に強くなっている様子が描かれており、上手いと思いました。
他にも、れいかのふしぎ図書館にわざわざ畳を持ち込んで陶芸をする、というこだわりも面白いと思いました。さらに、みゆきが困った時にいいタイミングでメッセージカードを勧めたり、新技を出す際に、やはり雷に恐れおののく、やよいの描き方なども印象に残りました。
というわけで、序盤にちょっと不安を感じたにも関わらず、終わってみれば「いつものスマイルプリキュア」でした。本当に、今シリーズは質が高い、と改めて思わされました。
次回は、れいかが勉強をはじめ、あらゆる事に疑問を感じる、という話です。生真面目な、れいからしい話と言えるでしょう。
実質的に、はじめて彼女がメインになる話です。どのような描かれ方をするのか、今から本当に楽しみです。