なおの虫嫌い、という弱点を主題にした話でした。マジョリーナが作ったアイテム「チイサクナール」で五人が小さくなり、その虫の世界に入る、という展開になります。
なおにとっては恐怖の空間なわけですが、そこで発見した虫たちの生活や気遣いを見て、虫に対する考え方が少し変わる、という筋立てでした。
また、闘いにおいて、初めて、五人が役割分担して勝利した、という点においても印象に残った話でした。
やよいが、嬉しそうな顔で花壇にいる場面から始まります。そして、丸まったダンゴムシを手の上に乗せて喜び、皆に見せました。それを見た、なおは顔をひきらせ、後ろ向きに走って逃げ、転んでしまいました。
そして、転んだ際に、「打ち出の小槌」を蹴っ飛ばします。それについた尋ねたキャンディにみゆきが一寸法師の説明をすると、キャンディは真似して小槌を降ります。それが、みゆきの顔に当たると、不思議な光が発生し、それを浴びた五人は小さくなってしまいました。
その小槌の出自ですが、マジョリーナが前回作っていた「チイサクナール」という魔法アイテムでした。それを、アカオーニがハエたたきの代わりに使い、腹を立てて放り投げた、という顛末でした。
状況に驚いた五人ですが、とりあえず、キャンディに事態を理解してもらおうと声をかけます。しかし、そのキャンディに踏み潰されそうになります。
そのパニック状態の中で、なおは、皆を心配して声をかけます。しかし、バッタの姿を見ると態度が一変し、みゆきにすがりつきます。
さて、小さくなった五人にとっては、身の回り全てのものが脅威です。水たまりを渡るのにも、落ち葉で船を作らねばならない、という感じです。その船に乗るときも、なおが小枝をオール替わりにしていちばん後ろで船を動かす、というという形で、五人の位置関係を描いているのは面白いと思いました。
ただ、途中で、アメンボを見た時は、なおだけが怖がっていました。
その後も、苦労の連続で教室まで辿り着きます。途中、階段を登るのに、なおの肩に、れいかが、その肩に、みゆきが・・・という感じで、「人間はしご」を組む場面がありました。
平均体重を40kgとしても、普段の大きさなら、なおに160kgの重さがかかるわけで不可能でしょう。その前に描かれた「表面張力で水がまとわりつく」もそうでしたが、小さくなったゆえにこれが出来る、という物理的法則でもあるのでしょうか。文系の自分にはその原理はわかりませんでしたが・・・。
そして教室にたどり着き、床にあったバッグを使って机の上に登山します。そこで、隣の机まで、定規を橋替わりにして渡ります。
みゆき・やよい・れいかは普通に歩いていますが、高所恐怖症である、なお・あかねにとっては恐怖の時間となりました。「下をみてはいけない」などと言いながら、ついつい見てしまうのは、高所恐怖症の人の習性なのでしょうか。
なお、同じ高所恐怖症でも、なおのほうが度合いは強いようで、傘を使って校舎から降りるときも、なおは、あかねにしがみついていました。
そして、五人は、草むらに不時着していました。そこには、バッタをはじめ、様々な虫がおり、なおにとっては恐怖の世界です。これまで、虫への恐怖を皆に隠そうとしていた、なおですが、ついに、逃げまわったすえに、皆の見ている前でれいかにしがみつきました。
そして、れいかは、なおが小さい頃から虫嫌いだった、という事を明かします。
さらに、なおはてんとう虫に追いかけられます。草によじ登って逃げますが、足を滑らせてしまいます。
そして、地面に落ちますが、そこにいた、ダンゴムシの家族がクッションになって助かりました。そして、自分がダンゴムシと接触した事を知った、なおは、ついに気を失ってしまいます。
その頃、マジョリーナは、またもや交番で警官に「チイサクナール」の捜索を依頼していました。警官は、前回同様、最初は「おばあちゃん」と言って怒られますが、名前を聞くと、「マジョリーナ」のファーストネーム(?)である「マジョさん」と呼び、さらに「素敵な名前ですね」と褒めます。すると、マジョリーナは顔を赤らめていました。
本シリーズの第2話から5話において、「仲間になった証として、ファーストネームで呼ぶ」というのがあったわけですが、これはそのパロディなのだろうか、と思いました。
そして、前回同様、その前を走るキャンディを見つて追いかけ、警官に心配される、という流れになります。実は、この警官の気遣いが、将来のマジョリーナ改心の伏線だった、という事だと面白いのですが、果たしてどうなるのか、気になるところです。
あと、この交番、前回同様、入口に「本日は地球安全の日です」と掲げられていました。マジョリーナが来る日が、偶然その日と重なる、という事なのでしょうか。
一方、気を失った、なおは葉っぱを布団にして介抱されていました。そこに、ダンゴムシの幼虫が、なおのために、新たな葉っぱを持ってきます。
それも怖がる、なおですが、皆の会話により、その心遣いは理解します。そして、れいかが「きっと、なおを心配してくれてるんですよ」と言うと、横を向きながら、ダンゴムシに礼を言っていました。
そして、ダンゴムシの大きさの違いが話題になり、やよいは「小さいのが子供で、大きいのがお母さんだよ」と言います。それを聞いた、なおはダンゴムシの家族をこれまでの恐怖とは異なる表情で見ていました。自分たち同様、ダンゴムシにも家族がある、という事が気になったのでしょうか。
その後も、様々な昆虫の生活を見て、これまで「恐怖の対象」でしかなかった虫たちが、それぞれ生きているという事を認識していました。
その時、キャンディを追ってマジョリーナが現れます。そして、黒絵の具で虫たちのバッドエナジーを吸収し、タンポポをあかんべーにしました。みゆきとやよいは、自分たちの大きさに合わせたアカンベーであることを安堵しつつも不思議がります。それを、あかねは「気づいていないから」と解釈し、それをマジョリーナに知られないように、と言っていました。
そして、闘いが始まります。今回のアカンベーは、タンポポの舌状花をミサイルにして攻撃する、という戦法を取っていました。
これまでなら、みゆきと、やよいはまず逃げるところです。しか今回は、各自でアカンベーに打撃を加えていました。
一方、なおは、バッドエナジーを吸収されている虫を見て、先程助けてもらった事を思い出します。そして、マジョリーナが「虫けらどもと一緒に倒してしまえ」とアカンベーにに命じているのを聞き、怒りの反論をしていました。
それに対し、アカンベーは再び、ミサイルで攻撃します。なおは、全てをかわし切れませんでしたが、当たりそうなところで、れいかが助け、流れ弾を、やよいが弾き飛ばしていました。
さらに、あかねが放り投げた空き缶を、みゆきが蹴り飛ばしてアカンベー、さらにはマジョリーナにぶつけていました。
11話目にして、初めて五人全員がそれぞれの役割を分担して闘ったわけです。これまで、なおは戦闘において、みゆき・やよいとは明らかな実力差がありました。前回にいたっては、二人は、なおに庇ってもらっただけでした。
その、なおが虫のおかげで心にダメージを負っているのを見て、特に、みゆきとやよいが、なおに頼るばかりではいけない、と自覚したゆえなのだろうか、と思いました。
いずれにせよ、こういう形で成長が描かれると、戦闘シーンへの興味もより一層強まります。
そして最後は、なおのマーチシュートでアカンベーを撃退しました。
さらに、マジョリーナはチイサクナールで攻撃しますが、空振りした挙句、元に戻る光線を発してしまう、というオチになってしまいました。
闘いが終わり、キャンディは「虫代表」のお礼を五人に通訳します。それを聞いた、あかねが、なおに「ところで、なおの虫嫌いは治ったんか?」と言います。
それに対し、なおは「少しは・・・治ったような、治らなかったような」と言います。しかし、直後に飛んできたてんとう虫が鼻にとまると、恐怖でパニックになっていました。
それを見た、四人とキャンディが笑い、なおが逃げ続ける、という所で話は終わりました。
五人が揃ってから、なおはその運動能力の高さから、闘いにおけるリーダー、という感じでした。
その高い戦闘能力で、前回のように、みゆき・やよいを守っていたわけです。今回も、虫の恐怖に怯えるまでは、ボートや肩車において、一番重要な役割を担っていました。以前から、このようなチーム内の実力差をどうするのだろうか、と思っていました。
今回の話は、その、なおに「虫嫌い」「高所恐怖症」などの弱点があること及び、そのような苦手に直面すると、意外なほど繊細である事を描き、バランスを調整している、という意味あいがあるように思えました。
そして、直前の事で、なおが精神的に疲れているのを意識したのか、みゆき・やよいが、ならばとばかり、普段と違う闘いをした、という描き方は印象に残りました。
また、それもあって、五人が役割分担した連携プレーが見れた、というのも面白いと思いました。
このように、日常生活のみならず、戦闘においても、個人ごとおよびチームとしての成長が描かれる、というのは興味深い事です。今後が大変楽しみです。
また、主題の一つである、「なおの虫嫌い」についても、虫好きの、やよいとの対比などを随所で入れる事により、単に怖がるだけの話にしない、というのが上手いと思いました。
特に、もう一つの弱点として高所恐怖症を設定し、それは、あかねも一緒に怖がっている、という描写も印象に残りました。
あと、冒頭から、なおの虫嫌い描写は始まるのですが、その時点では、なおはそれを隠そうとしています。れいかだけは知っているわけですが、なおに気遣って、その事を明かしません。そして、なおがついに、皆の前でパニックになった時、初めてそれを明かす、という彼女の気遣いの描き方も巧いと思いました。
あと、ダンゴムシの幼虫が葉っぱを持っていく描写については、幼虫の色を黄色にすることにより、「子供らしさ」を表現するところが面白いと思いました。
次回は、キャンディの悩みにが主題で、戦闘面では敵味方とも新アイテムでパワーアップするのが見どころのようです。また、予告冒頭を見ると、れいか話でもあるようです。
それらがどのように描かれるか、これまた楽しみです。