冒頭、インフィニティとラビリンス管理システムの接続作業から始まります。インフィニティ初登場の時、接続コネクタは、かつて祈里が治療した場所か?などと冗談半分で書きましたが、本当にそのような描写だったので笑いました。
さて、あっさり接続は成功し、メビウスは早速、全パラレルワールドの征服を指令します。
一方、クローバータウンストリートでは、恒例のクリスマスツリーの飾り付けが行なわれ、母親達も手伝っています。一方、これまで毎年参加していたラブ達は、シフォンを奪われた事のショックが大きく、ラブの部屋で落ち込んでいました。
それぞれ、失敗を悔いつつ、シフォンを心配する四人ですが、いつまでも落ち込むわけにもいきません。
自らの頬をはたいたラブの声がきっかけで皆は立ち直り、まずは情報収集ということで、タルトの発案でスイーツ王国に行くことになりました。
ところが、スイーツ王国はかつてと似ても似つかないほど荒廃しています。そして、長老を見つけますが、「我がはティラミス、メビウス様が忠実なしもべ」とつぶやくばかりです。すでに、ラビリンスの征服は完了していました。やはり、インフィニティの産地(?)という事もあり、真っ先に狙われたのでしょうか。
あと、おかげで45話目にして初めて、長老の本名を覚えました。さすがは管理国家、自己紹介の方法も、極めて効率化されていると思いました。
続いて、長老と同じくラビリンスマークをつけた国王が登場。こちらも、ラビリンス式自己紹介をした後、皆をとらえようとします。
するとそこにアズキーナが登場。しかし、彼女は「自己紹介」もせずに普通に京都弁で話しています。最初、「恋のために封印された魔神を復活させ、森を荒廃させる、などという事を素でやる強烈なキャラなだけに、ラビリンスに管理された結果、人(?)並みになったのか?」とも思いましたが、長老に身を挺してかばわれ、逃げ延びたとのことでした。
一番危ない人(?)を管理下に置けないのでは、インフィニティを使った全パラレルワールド征服システムには欠陥があると言えます。やはりインフィニティを奪取した後、もう少しテストをしてから、征服システムの本番運用をすべきだったのでは、と思いました。
というわけで、情報を収集できずに四人とタルト、さらにはアズキーナはラブの部屋に戻ります。その結果、とにかくラビリンスへシフォンを奪回しに行くしかない、という結論に達します。せつなだけは当初、「故郷に戻ると、自分もまたイースに戻るかも」と心配しましたが、三人の説得で、同意しました。
ところが、その時ラブは、親に話してからにする、と言います。最終決戦という事で、万が一の事を考えたのでしょう。
そして、公園に両親さらには商店街の人々におポンチ三人組まで呼び出し、皆の目の前で変身します。そして、これから最終決戦に行くことを皆に告げます。
しかし、当然ながら、両親は猛反対します。そして、あゆみはラブとせつなの手を握り、「行かない、と言うまでこの手を離さない」と言います。その、あゆみの心を感じた二人、そして美希と祈里も変身を解きました。
そして、一度帰宅しますが、ニュースでは、パリなどがラビリンスに征服される様が映っています。それを見た両親は、「危機」が現実の物であると知ります。そして、娘達の件を相談するために、蒼乃家に行きました。出かける際、あゆみはラブの横顔を見て、複雑な表情を浮かべていました。
そこで始まった「プリキュア父母会」ですが、まず尚子の「娘の事、分かっているつもりで何も分かっていなかったんですね」という、定番的な台詞から始まります。すると、それを受けたレミが「仕方ないわ。普通、娘がプリキュアだなんて思いもしないわよ」と当然とはいえボケが入った反応をし、それを聞いた正が笑って、尚子にたしなめられる、という所から始まりました。
一方、ラブ達は、親たちの結論を待たずに闘いに出ることを決意します。美希は、会議の様子を見て、親の心配ぶりを感じ、迷いかけます。しかし、和希の励ましを受け、家を出ました。
ラブは、せつなとともに置き手紙して公園に向かいますが、途中、寄り道をします。そして、冒頭で造られていた商店街のクリスマスツリーで大輔に会います。正体を隠していた事に怒る大輔に対し、ラブは謝り、前回ラストでの「告白」の返事をしようとします。しかし、大輔は、「返事は闘いが終わってから」と回答受諾を拒否しました。
父母会のほうですが、反対意見が主流の中、正が「娘を信じてみては」と、賛成意見を出します。レミは反論しますが、ここであゆみが「ここで止めたら、あの子達は後悔するでしょう。それはさせたくない」と賛成に転じます。そして最後はレミも折れました。
四人は公園に集合し、親に隠れて行く事に後ろめたさを感じながらラビリンスに行こうとします。すると、そこに親たちが現れます。あゆみが怒ったように歩いて来たのを見て、ラブは止められると思いますが、許可を受けて驚きます。そのラブに対し、あゆみは、「条件」として、「四人みんなで帰ってくること」を約束させました。
その言葉を聞き、ラブはあゆみの胸に飛び込み、「お母さん有り難う」と涙します。それに対し、あゆみは「どういたしまして」と返します。
そして四人は変身しますが、行こうとするときに、カオルちゃんはタルトにドーナッツを渡していました。おそらく何かの伏線なのでしょう。
そして、四人とタルト・アズキーナがラビリンスへ向かう、という所で話が終わりました。
今回のシリーズでは、親の描写に力が入っており、また当初からプリキュアの存在を親や街の人々が知っているという設定がありました。その時点で、この話は構想されていたのでしょう。
それだけあって、その親たちおよび、それに対する娘達の描写は、かなり印象に残る物でした。
まずは、闘いに向かおうとするラブとせつなに対し、あゆみが手を握っていかせまいとするところ、それに対し、二人が顔を見合わせた後に変身を解く、という所が巧いと思いました。
また、そこまで強攻に反対しながら、部屋でTVを心配そうに見ているラブの表情を見たときに、あゆみはラブの心情が伝わった、という感じの表情を見せます。おそらく、その時点で、ラブ達の意思を尊重すると決めたのでしょう。
一方、レミが最後まで反対した、というのも、彼女の初期設定である「娘への依存度の強さ」をきちんと描ききっていると思いました。あと、「普通、娘がプリキュアだなんて、思うわけないじゃない」という、当然とはいえボケの香りが漂う発言も、彼女らしいと思いました。
そのレミの発言に笑ったり、最初に賛成意見を言うなど、正の位置づけも、上手かったと思いました。これまで描かれていた、彼の豪快さをよく活かしています。
そして、公園の場面では、怒った雰囲気を漂わせてラブを恐れさせるという、あゆみの歩き方が印象に残りました。そのような細かい点まで含め、本当に力を入れて描いていると思いました。
ただ、どうせならラブ達が隠れていこうとするという形でなく、両親達と話し合って、自分たちの決意を改めて伝えて納得させる、という形にしたほうが良かったのでは、と思いました。
あと、商店街の人を出すなら、その描写があっても、とも思いました。魚屋が号泣する場面は、駄菓子屋のお婆さんが、憎まれ口みたいな言い方で応援する、としたほうが良かったようにも思われます。
それらは少々残念でしたが、基本的には本作の特徴である、現実世界との接触および、親たちや街の人たちの描写をきちんと描いており、設定をしっかり消化していた良作だったと思います。
年明けになる次回は、「サウラーとウエスターの最期」との事。メビウスに用済み宣告をされた二人が、せつな・美希と最終決戦をする、という話のようです。これが、「イースの最期」と同じ意味での「最期」であり、最終的にこの二人も幸せになることを強く願っています。