Fresh第24話

 せつなが桃園家と夕食を一緒に食べ、キュアパッションに初変身し、桃園家への居候を決める話でした。
 前回、ラビリンスとの決別を宣言した物の、ラブ達の元からも去っていった、せつなが、四つ葉町を見下ろす小高い丘でたたずんでいる場面から始まります。これまでの事および、今後の事を悩んでいるのですが、その深刻そうな表情を見た、あゆみが声をかけます。
 見ず知らずである、せつなに対し、「クローバータウンは幸せをつかめる町だから来てみたら」などと言うのは、ちょっとどうかと思いました。
 ただ、この町に関する描写でよく見る、「一時代前の下町のような、他人にも気軽に声をかける、人情味のある住人達」というのが上手く出ているとは思いました。
 そして、せつなの視界なのか、俯瞰した四つ葉町の情景が描かれました。

 一方、ラブの家では、去っていった、せつなを、三人が心配しています。ラブと美希が「どこにいるんだろう」と心配するのに対し、祈里が「住むところもないのでは?」と現実的な心配をするのは、らしさを感じました。
 そして、それを聞いたラブはある決心をし、帰ってきた、あゆみに頼み事をした後、皆でせつなを探しに行きます。
 で、せつなのいそうな所、と言って、過去に一緒に行ったり会ったりした所を探すのですが、ボウリング場と病院、というのはどうかと思いました。もし、せつなが一人でボウリングをやっていたら、それはそれで面白くはありますが・・・。
 あと、一番の定番であるはずの公園に行かず、カオルちゃんも出てきませんでした。これが、何か意図してのものなのか、声優さんの都合なのかは気になるところです。
 一方、占いの館では、ウエスターが、せつなを取り戻すと怒りながら出陣します。ウエスターの前では「むしろ、せいせいした」などと冷たく言うサウラーでしたが、一人になった時には「ラビリンスの人間がラビリンス以外で生きることはできない」とつぶやいていました。
 そのまま、先ほどの丘でたたずんでいた、せつなですが、そろそろ夕刻、という時間になるとそこを離れます。
 「プリキュア」シリーズでは、「夕暮れ時の風景」に名場面が多々あります。それだけに、この、「夕暮れ時になるちょっと前に一人でいる、せつな」という描写は心に残りました。
 そして、せつなは四つ葉町を、あてもなく歩いていました。頭の中には、ラビリンスでの管理された生活やメビウスの事、さらにはイースとしてラブたちと闘った事です。そして、自ら壊したクローバーペンダントの事を思い出し、涙します。なお、この部分は白黒で描かれていたのですが、ペンダントを壊した場面の回想での、せつなの表情の哀しさが強く印象に残りました。同じ絵を白黒にしたからこうなったのか、描きなおしたのか気になるところです。
 そして、そのような過去を背負った自分が、ラブたちとプリキュアはできない、と思います。
 そのような回想をしている、せつなにとって、周りの世界は灰色で、自分の姿もイースになっています。しかし、その時、一筋の光がさして、その向こうにはラブたち三人がいました。色々考えながら歩いていたら、三人の所にたどりついた、というわけです。
 やっと、せつなを見つけたラブは、半ば強引に連れて行きます。行った先はレストランで、しばらくしたら、圭太郎とあゆみがやってきました。桃園家は月に一回外食の日があり、せつなをそこに招待したわけです。こ
 促されるまま店に入ったものの、そこで食事をしている幸せそうな家族を見ていた、せつなは、つい先日まで、自分が彼らの幸せを壊していた事にいたたまれなくなり、帰ろうとします。しかし、ラブが手を握って、引き留めました。
 そして、あゆみが気を利かせて、せつなと二人で、デザートのケーキを選びに席を立ちます。一方、ラブは圭太郎に、せつなを和ませるように気遣ってくれと頼みます。それを受けて圭太郎が言ったのは、戻ってきてケーキを三つ食べたい、と言ったあゆみに対し、「それは景気がいい」などとベタすぎかつ、現在の経済情勢を把握していないギャグでした。
 さて、料理が運ばれ、食事が始まります。ラブは美味しそうにステーキを食べ、あゆみに人参を残している事を指摘されると、逆にほうれん草を食べていない事を指摘しかえしたりします。そして、圭太郎に「残すとケーキなし」と言われ、二人して同じ表情で苦手なものを食べたりしていました。このあたりは、せつなへの気遣いでなく、地なのでしょう。
 一方、せつなは、その団らん風景を見ながら、ラビリンスでの機械的な食事風景を思いだしていました。その、食事に手をつけていない、せつなを見たラブたちは、コーンスープを勧めます。食べた、せつなは「美味しい」と言います。この時は、第7話で初めてドーナッツを食べた時と同じ表情・台詞を思い出しました。
 ラブは上機嫌で食事を平らげ、ついつい家にいる気分になって「お母さん、ご飯おかわり」と言って店内の皆を笑わせます。つられて、せつなも笑ってしまいます。心から笑ったのは、初めての事でした。
 その頃、ウエスターは駅前広場にあるモニュメントの上でスイッチオーバーし、東京駅の「銀の鈴」を思わせる装飾品をナケワメーケ化します。今回は、一切ギャグをやらなかったウエスターですが、西隼人の姿であのモニュメントによじ登る姿を考えると、少々笑えました。
 物音に気付き、ラブとせつなは店を出ます。そしてナケワメーケを見たラブは、せつなに変身を促しますが、動揺しているのを見て、一人で変身します。
 今回のナケワメーケは鈴を爆弾みたいに使うというシューティングゲームのキャラを彷彿させるものでした。その物量攻撃の前に、ラブは地面に叩きつけられます。
 ラブに駆け寄ろうとする、せつなの前にウエスターが立ちはだかり、不幸のゲージが溜まっている事を誇りつつ、ラビリンス復帰を勧めます。しかし、それがきっかけで、せつなは自分が不幸な目にあっている人々を助けたい、と思っている事に改めて気づき、自らの意思でプリキュアに変身します。変身シーンは泳いでいるような感じで、人魚姫を意識しているのだろうか、などと思いました。
 変身した、せつなは、ウエスターと拳を交えながら会話します。ウエスターにとっては残念な事に、先週のような「拳を交えながらの会話で理解し合える」という事はなく、むしろせつなの意思はより強くなります。そして、アカルンの力で得たパッションハープを用いて「ハピネスハリケーン」を発動。なお、「悪いの悪いの飛んでいけ」はありませんでした。
 闘いが終わり、あらためて、ラブたち三人は、せつなが仲間になった事を歓迎します。そして、三人で手のひらをかさねると、せつなは一瞬躊躇しますが、最後は手をあわせました。最初、ちょっと曲がっていた指を、あらためて伸ばした、という描写がなぜか印象に残りました。
 その後、ラブの両親とともに六人で帰路につきます。そしてラブは、せつなに家に来るように勧めます。それに対し、「自分は幸せになってはいけないと思う」と言う、せつなに対し、あゆみは「一つ一つやり直せばばいいじゃない」と言い、それを聞いたせつなは、あゆみに寄りかかって泣き、提案を受け入れました。
 桃園家三人は、歓迎の意味をこめて、自分たちの得意料理を話します。そして、明日の夕食は食べきれるか、と尋ねられた、せつなは「精一杯頑張るわ」と答えます。なんでも、これは彼女の決め台詞らしいですが、面白いところで初披露するものだと思いました。
 それに応じて、三人がそれぞれ決め台詞をアレンジして応じます。そして、ラブは、せつなの手をひき、「みんなで一緒に夕ご飯」と歌いながら歩きます。それに対し、せつなは、ぎこちなさが残る中、ラブに合わせて歌います。「らしくない」行動だと思いましたが、それだけ、ラブの想いに感謝しているのでしょう。
 そして最後は四つ葉町の夜景を俯瞰するという描写で終わりました。

 桃園家三人の温かさが印象に残った話でした。冒頭の、あゆみから始まり、ラブの願いを聞き入れた事、さらには食事および帰り道での言動など、至る所で上手く描かれていました。特に食事中については、かなり気遣いを見せる一方で、いざ食事が始まると、家の中にいるような、普段の姿を見せる、というのも良かったと思いました。
 そのような姿を見たことにより、せつなの心はより和んだのでしょう。
 また、ラブが四つ葉町の話を、せつなにした時、自分たちの家のみならず、商店街にある店についても自慢していました。最後の場面を含め何回か描かれた、町全体の俯瞰図とあわせ、今回の桃園家の温かさは、四つ葉町全体の気質に通じるものだと描いているのだろうと思いました。
 「イースが四人目のプリキュア」と知った時は、「仲間になるのはいいけれど、過去の敵としての言動との整合性はどうするのだろうか」と思ったものでした。それをこのような、ラブの家族との交流を通じて解決、という流れにしたのは予想外かつ巧いと思いました。今後も、ラブ達および家族はもちろんの事、四つ葉町の人々との交流を通じて、せつなの良さが描かれることを期待しています。
 次回は、サウラーが「イース」のナケワメーケで挑む、という話のようです。今回見せた、サウラーのやや屈折したイースへの想いがどのように描かれるのか、楽しみです。
 また、夢でうなされるところや、かつて第3話で自分が襲撃した少年と犬を今度は守るなど、せつなの色々な描写についても期待しています。

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