「トロピカルージュ」第29話

 ターニングポイント的な、ストーリー全体の根幹が描かれた話でした。
 合わせて、新アイテム並びに、五人協力技・協力技用コスチュームなどが披露されていました。
 設定紹介と戦闘がほとんどを占める中、ところどころに興味深い描写があった話でもありました。

 今回明らかになった設定の一つに、「後回しの魔女の前で『プリキュア』という単語を発してはいけない」というのがありました。
 言われて見れば、たしかに、バトラーは報告の際に、「プリキュア」という言葉を使っていませんでした。
 今回の話を見る限り、その理由は、かつて後回しの魔女は、今回登場した「伝説のプリキュア」と友人関係にあり、かつそれが崩壊したからのようです。
 その結果、自らの傷ついた記憶を封印し、バトラーもそれを知って、「プリキュア」を禁句にしている、という事なのでしょう。
 後回しの魔女の部屋にあった「ヒビの入った鏡」が、今回登場した新アイテムであるドレッサーと対照的に描かれていたのも興味深いと思いました。
 今後は、かつて壊れた後回しの魔女と伝説のプリキュアの友情と、夏海まなつとローラの友情が対比されるのでしょうか。
 それもあって、冒頭での夏海まなつとローラがじゃれている描写も、見ていて色々と考えさせられました。

 戦闘のほうは、バトラーが初参戦しました。
 新たに後回しの魔女が生み出した「超ゼッタイニヤラネーダ」を、あおぞら市の水路に落とし、水系全体をヤラネーダ化するという作戦でした。
 そして、トロピカる部の部室に置き去りになっていたクルルンを助けようとした夏海まなつが、いったん敗れ、変身が解除され、やる気パワーを奪われます。
 これは第10話の展開と同じですが、その時と違い、夏海まなつは、やる気パワーを奪われた状態で、闘いを止めません。
 このような形で、前回からの成長ぶりを描いたのも上手いと思いました。
 そして、皆の助けもあって、再度変身をするのですが、その時の登場がウルトラマンのパロディになっていた、というのもこのシリーズらしさが出ていました。
 戦闘場面が長かったのですが、アクションの描写にかなり力が入っていたのも印象に残りました。
 そして、ローラがくるくるラメールストームで勝利したかと思ったのですが、新の超ゼッタイニヤラネーダは別におり、闘いは終わりません。
 この時、ローラの「ビクトリー」ポーズがしばらく続き、その傍らで四人が普通に立っていた、というのも面白いと思いました。
 そして、初の五人技である「ランドビートダイナミック」は、ピンクの象を召喚して、その象が超ゼッタイニヤラネーダを蹴っ飛ばして倒す、という、これまたプリキュア史初めて、という斬新な技に仕上がっていました。
 というわけで、ラスボスの設定とか、伝説のプリキュアが出てきて、このシリーズも後半に入ったのだな、と実感させられた話になりました。
 秋だけに、寂寥感を感じたりもしました。
 次回は、ローラが生徒会長に立候補する、という話です。
 予告では風紀委員長の角田正美とのからみが目立ちました。第12話での対決の決着がつくのでしょうか。
 ちなみに、現役のプリキュアが生徒会長に立候補した結果は、一昨年の星奈ひかる、五年前の十六夜リコと二連敗中です。
 プリキュアになる前から生徒会長だった人は多々いますが、プリキュアになってから生徒会長選挙に勝ったのは、9年前の青木れいかしかいません。
 予告だけ見ると、今回も落選しそうな感じですが、果たしてどうなるのでしょうか。
 これを機に生徒会長を引退することになる白鳥百合子と、滝沢あすかとの過去がどう描かれるかも含め、楽しみにしています。