沢泉ちゆの将来選択話でした。
大会優勝、さらにはライバルである高美ツバサとのやりとりを経て、走り高跳びへの意欲が強まった沢泉ちゆが、かねてから将来像として描いていた、「旅館・沢泉のおかみ」をどうするかについて悩む、という話でした。
これまで描かれていた彼女とペギタンの話の集大成ともいう感じのいい話でした。
冒頭の沢泉家での団らんでは、第32話の「おかみ修行」で自信と意欲を持った、弟の沢泉とうじが、「自分が沢泉のおかみを継ぐから」といい、陸上への専念を促します。
無口な祖父を除く、他の家族もみな、それに賛同していました。
一方で、自分が、おかみを継がない、という事を受け入れられず、もやもやしていました。
一度は、花寺のどかと平光ひなたにも、「ハイジャンに専念する」と宣言しますが、その後の練習ではかえって調子を崩していました。
そして、帰宅して旅館の前に落ち葉があるのを見ると、仕事に着替えて掃除を始めます。
部屋にもどると、海外で活躍する高美ツバサの手紙と写真が届いていました。それを見ても、走り高跳びへの意欲が強まる一方で、やはり迷いも深まっていました。
なお、ビョーゲンズのやりとりは、「キングビョーゲンへの一途な愛」を主張するシンドイーネに対し、キングビョーゲンの上を行くと宣言するグアイワル、何も語らないダルイゼンという三者三様を描いていました。
今回の話との関わりはもちろん、最終章への伏線でもあるように感じました。
その沢泉ちゆの様子を見て、他のプリキュアとヒーリングアニマルは「会議」を始めます。
ニャトランが沢泉ちゆの心境を図解付きで分析します。それを聞いていたラテが、花寺のどかのベッドの下にしまわれていた、「限界突破」と書かれた応援旗を引っ張り出します。
これは、第8話で陸上大会に望む沢泉ちゆのため、花寺のどか・ラビリン・平光ひなた・ニャトランが協力して作ったものです。
後から来たペギタンがそこで誤字を指摘した、という逸話がありました。
その指摘したペギタンが「限界突破」という文字を見て、沢泉ちゆの悩みへの答えを発見します。
そこから戦闘に入りますが、相変わらず「キングビョーゲンへの一途な愛」を語り続けるシンドイーネを見て、沢泉ちゆは、走り高跳びと旅館のどちらも目指そうとする自分の考えに不安を持ちます。
そのとき、ペギタンは、これまで沢泉ちゆが、二つの事はもちろん、プリキュアでも頑張ってきた、と指摘します。
そして、まだ確信を持てない沢泉ちゆに対し、「勇気が足りないならボクのを分けてペェ」と、第3話で初めて変身したときに、沢泉ちゆに言われた言葉と同じことを言います。
それを聞いた沢泉ちゆは、「ペギタンに貰った勇気」で二つの道を同時に進むことを決意した、という結末になりました。
見る前から、沢泉ちゆが出す結論はわかっていました。
といっても、それは話が単純だからではありません。
これまで第3・8・17・32・34話で描かれた、彼女の思いや努力から、この結論以外はありえない、と論理的に導き出された結果でした。
過去の「沢泉ちゆ主役回」の全てを網羅して、この話を作り上げた事に、心底感心させられました。
もし、コロナ禍による9話分中止がなければ、花寺のどかと平光ひなたも、このような完璧さで描かれきってていたのだろうな、と思ったりました。
それはちょっと残念でしたが、沢泉ちゆだけでも描ききってくれた事に、心底感謝・感心しました。
この名作に出会えたことを改めて嬉しく思った話でした。
次回は、1月ならではの最終決戦突入話です。
悠木碧さんが主役の作品で、「道しるべ」が表示され、それを目印に黄色キャラが進んでいく、というのは10年前にも見ました。
プリキュアなので、そのときと同じ結末になることはありえないと分かっているのですが、少々心配しつつ、楽しみにしています。