映画プリキュア「ミラクルリープ みんなとの不思議な一日」

 春に上映予定だったのが、コロナ禍のため、秋に上映となった映画です。
 そのため、季節は春先の花見シーズンでした。
 時を戻す能力を持つ、「リフレイン」に対し、ヒーリングっどプリキュアの面々に加え、たまたま、すこやか市に来ていたスタートゥインクルプリキュア・HUGっとプリキュアの面々で闘うという設定でした。

 敵の「リフレイン」には時間を戻す能力があります。したがって、全ての人は戻る前の時間であった事を忘れます。
 しかしながら、「リフレイン」と対をなす存在である「ミラクルン」が作った「ミラクルンライト」を持っていると、巻き戻す前の記憶を維持できます。
 「ヒーリングっど」の三人だけがそのミラクルンライトを持ち、繰り返される「今日」の経験を活かして成長し、またリフレインの秘密にも気づき、それによって問題の根本も解決する、というしっかりした筋立てになっていました。

 歴代二作のプリキュアはもちろん、沢泉ちゆと平光ひなたも脇に回った感じで、「主役」を花寺のどかに絞っていました。
 最後の戦闘も、ミラクルンと合体(?)した、「アルティメットのどか」が一人でリフレインを倒す、という展開になっていました。
 実際に、「同じ日の繰り返し」は2回あります。その2回を経験した花寺のどかの「成長」の描き方が印象に残りました。
 一度目は前の記憶がないため、転んだり水たまりにハマったり、車に轢かれそうになった少年を変身して助けます。
 二度目は、まだ「繰り返し」に半信半疑なため、同じように転ぶのですが、水たまりには両足でなく、片足しか突っ込みません。
 そのさりげない違いの描き方が上手いと思いました。
 また、二回目に水たまりにハマったあと、先程の少年を思い出し、変身して助けるために現場に戻る際に、母の花寺やすこの母校の前を通りかかります。その記憶を活かし、三回目の解決に結びつけた、という展開にも感心させられました。
 そして、「三度目の朝」において、テキパキと物事を進めるキリッとした花寺のどかを見た時は、「キュウべえの正体を知って時間を遡った暁美ほむら」を思い出したりもしました。
 加えて言えば、こうやって同じ時間を繰り返したあげく、「アルティメットのどか」になったのを見た時は、「のどか…君は概念に成り果ててしまった…」などというセリフが頭をよぎったりもしました。
 それはともかく、「ヒーリングっど」の設定が固まっていない時期に作られ、たくさんのキャラがいるなか、色々分散させず、花寺のどかだけを「主役」に据えたのが成功したと思いました。

 絵のほうも、すこやか市の全景をふくめた街の各所を丁寧に描いており、感心させっれました。
 戦闘描写も、かなり凝った作りになっていました。
 ただ、プリキュアが全員集合したところがビル街の交差点なのですが、あれは、すこやか市とは違うのでは、という違和感がありました。

 ところで、自分としては 「春の映画」を見たのは6年ぶりになります。現在の「新作と過去2作の共演」という仕組みになってから見たのは初めてでした。
 「オールスター」からの伝統で、新プリキュア以外は、冒頭で再会を喜びます。その際、昨春の映画には出ていないユニはどう扱うのかと気になっていましたが、それについてはスルーされていました。
 あと、当初は「みんなでミラクルンライトを振ってプリキュアに声援」の予定が、コロナ禍で変更を余儀なくされました。
 その結果、冒頭の説明に風鈴アスミが登場しました。それは面白いと思いましたが、同時に、ボツになった冒頭説明がどうだったのか、というのが気になったりもしました。

 非常にいい作品だったと思ったのと同時に、先代と先々代はほとんど存在感がなかったな、とも思いました。
 そして、来春の映画は、「プリキュア5GoGo」との共演だそうです。
 率直に言って、「ヒーリングっど」単体でいいのでは、と思っています。
 それはともかく、久々に見たプリキュア映画が「当たり」だったので、満足できる一日を過ごせました。