前回で三人のプリキュアが揃い、「序章」が終わりました。それに続いた最初の話が、この、沢泉ちゆと平光ひなたの話でした。
ちょっと意外な展開でしたが、見終わったあとは、三人がどのような為人なのかを伝えるのに、非常に上手い方法だったと感心させられました。
このシリーズに対する期待が、さらに高まった話でした。
プリキュアの秘密とかヒーリングアニマルやビョーゲンズの設定や固有名詞を理解していない平光ひなたに対し、沢泉ちゆは不安に思い、ついついきつい対応をしてしまいます。
その結果、二人の仲がギクシャクします。それを何とかするため、花寺のどかが、三人で水族館に行くことにする、という展開になりました。
今回、感心させられたのは、授業における描写でした。
理科の授業で、教師が光合成に関する復習問題をやっているのですが、平光ひなたは、窓の外で昼寝をしているニャトランを見ており、授業に上の空です。
したがって、教師にあてられても質問自体を聞いていません。それを、花寺のどかがサポートするのですが、それでも答えられません。
一方で、真面目な沢泉ちゆはスラスラと回答していました。
この描写を見る限り、冒頭でビョーゲンズの名前を間違えるなどのボケをくりかえした彼女は、別に頭が悪いわけではなく、ちょっと集中力が散漫なだけ、という感じでした。
あと、このとき、教師が延々と光合成の説明をし、海の中の植物にも言及しています。それが、今回のエレメントである「水槽の泡」とつながっており、非常に丁寧に話を作っていると思いました。
学校で、沢泉ちゆに怒られたと思った平光ひなたが落ち込んで、花寺のどかにプリキュア引退まで発言する一方で、沢泉ちゆが花寺のどかの家に来て、自分が平光ひなたに怖がられている事を辛く思っていると相談する、という展開も面白いと思いました。
その花寺のどかの相談を受けた母親の勧めにより、三人で水族館に行くことになります。
そこで最初に、平光ひなたが、「イルカを見たい」と言いかけるも、また沢泉ちゆに怒られるかと思って発言を引っ込め、それに気づかった花寺のどかがイルカショーに行こうと言った、という描写にまず感心させられました。
その後、水槽を見た平光ひなたがダジャレの連発を始めます。それが、沢泉ちゆのツボに入ってしまい、笑いが止まらなくなってしまいます。
一方で、花寺のどかは、まったくもって無反応です。このあたりの三人の描き方も面白いと思いました。
あと、ダジャレを連発する平光ひなたを見たときは、「S☆S」の星野健太以来のダジャレキャラだな、と思い、懐かしく思いました。
ぜひ、秋の文化祭では、平光ひなたと沢泉ちゆによる漫才をやってほしいものだ、などと思ったりもしました。
そうやって二人の間の誤解や不安がなくなっていく、という描写にも感心させられました。
その後、ペギタン行方不明騒動を経て、ビョーゲンズが現れます。
ここでも、平光ひなたは先にペギタンを探すべきだと主張する一方、沢泉ちゆはビョーゲンズ退治が先と主張するなど、二人の違いがまた描かれます。
その話に入った花寺のどかが、「どっちもやろう」と言い、さらにその理由を明快に説明した、というのにも感心させられました。
それから、ペギタンを捕まえたシンドイーネが現れるのですが、パートナーである沢泉ちゆが、「話し合いましょう」と提案しているなか、平光ひなたは、シンドイーネにつかみかかって、ペギタンを奪還しようとします。
この対照的な描き方も印象に残りました。同時に、シンドイーネ単体の戦闘力が、変身前のプリキュアと同じ、という設定も面白いと思いました。
そして、連携プレイでペギタンを奪還した沢泉ちゆが怒りの表情で二人に変身をうながし、その迫力に気圧されて花寺のどかと平光ひなたが変身する、という描き方にも感心させられました。
そして闘いが終わりますが、沢泉ちゆはまた怒ったような口調で説教をします。しかし、そこで、「これからは、無茶は謹んでよね」と言うと、それを聞いた平光ひなたは嬉しそうな表情になって「これからは…」と返します。
するとそこの二人の間に、花寺のどかが飛び込んで二人の腕をとり「これからも、三人で頑張ろうね」と満面の笑顔を見せます。
それを聞いた二人が同意したところに、ニャトランガ戻ってきて「何話してたんだよ」と尋ねると、平光ひなたは「おっしえなーい」と返します。それを聞いた花寺のどかと沢泉ちゆが一緒に笑う、というところで話は終わりました。
第1話と2話で花寺のどかの人柄や過去の事をじっくり描いていました。
そして第3・4話で沢泉ちゆと平光ひなたが初変身したことに続く第5話にこの話をもってきたことには心底感心させられました。
プリキュアになる事がなければ、友達になることがなかったはずの二人が、お互いの違いに戸惑いつつ、色々なきっかけで理解し合う、という流れは、ある意味「プリキュア」の原点に戻ったような話だと思いました。
その二人の違いを様々な形で描く一方で、その二人の間に入って仲を取り持つ花寺のどかの描き方もまた心に残りました。
シリーズが開始直後に、メインのキャラがどういう人なのかを短時間で伝えるのは難しいことです。
それを、今回の話では、非常に巧く、この三人がどういうキャラで、どういう位置関係なのかを見事に描いていました。
シリーズに対する期待が一段と高まった、素晴らしい話でした。
次回は、母親である花寺やすこが仕事を再開し、ラテが寂しがって家出をする、という話のようです。
花寺家やラテについて、どのように描くのか、今から大変楽しみにしています。