なかよし2020年3月号

 「ヒーリングっどプリキュア」第1話は、花寺のどか・沢泉ちゆ・平光ひなたの三人が協力して、閉店の危機に陥った喫茶店を助ける、という話でした。
 それを通じて、花寺のどかが子供の頃から体が弱く、病院ぐらしだったこと、今でも普通の人よりは体力がない、といった基本設定を紹介していました。
 同時に、その過程で多くの人に助けられた事のお礼として、だれかの力になりたいと思っている、という心境を描いていました。

 話の主題は、「緑のカーテン」として設置したツタが繁殖しすぎて、店舗の維持が難しくなって閉店を考えた老経営者を、三人が助ける、というものでした。
 といっても、ただ、ツタを取り去ったわけではありません。
 花寺のどかがツタに「あなた達を迷惑だと思っているわけじゃないんだよ。傷つけたり捨てたりしない。ちょっとお引越しするだけ。ね、大丈夫だからね」と話しかけながら、ツタのツルを優しく建物からはがしました。
 さらに、新たな看板を設置してそこに、はがしたツタを絡ませ、ツタを傷つける事なく、建物の被害を除去しました。

 ツタも地球の構成員の一つだから、人間に迷惑をかけてもむやみに殺さず、共存する形で問題を解決する、という考え方なのでしょう。
 地球環境と健康が主題と思われるこのシリーズの第一話にふさわしく、かつ、上北ふたごさんならではの漫画ならではの良さが伝わってきた話でした。
 アニメともども、非常に楽しめる一年になりそうで、大いに期待しています。

 今回、後編が掲載された「東京ミュウミュウりたーん」ですが、やはり、キャラの出し過ぎが祟った感じでした。
 元祖ミュウミュウの五人に、「あらもーど」の白雪ベリー、さらに、「エイリアン」の三人が加わって、ユキヒョウと合体した山手線車両と戦う、という展開です。
 つまり、九人がかりで一頭の動物をやっつける、というわけで、流石に色々と無理がありました。
 「エイリアン」については、連携や協力攻撃もあったのですが、ミュウミュウ達については、ただ技を出しただけ、という感じでした。
 ちなみに、ミュウプリンの技はそのままでしたが、ミュウザクロとミュウミントの技は語尾が増えたり変わったりとマイナーチェンジしていました。さらに、ミュウレタスについては、技そのものが完全に変わっており、しかも、発動時に片ゴーグルまでつけるという変容ぶりでした。
 レタスタネットからのリボーンレタシュラッシュを放つと、なにかまずい事でもあったのだろうか、と気になりました。
 その後、ユキヒョウの憑依した山手線が鉄橋から落ち、巻き込まれたミュウイチゴを青山が助け、それを下半身スナメリ化したミュウレタスが見届ける、という展開になりました。
 下半身変身のミュウレタスも覚えてくれていた、というのは嬉しく思いました。ただし、山手線はあんな大きな川は渡らないし、必然的に鉄橋もありません。元東京在住鉄ヲタとしてはそのあたりがかなりひっかかりました。
 そして、桃宮いちごと青山のラブシーンのあと、カフェミュウミュウで打ち上げが開催されます。
 「エイリアン」の三人がカフェミュウミュウに就職する、というオチが描かれて話は終わりました。

 実質的な話の軸は、桃宮いちごとキッシュを筆頭とした「エイリアン」三人と青山です。ならば、そこに絞って、アラモードキャラはもちろん、他のミュウミュウ四人も、前編冒頭のみ出すくらいで良かったのでは、と思いました。
 全キャラを無理やり出した結果、かつてのメインキャラがちょい役や背景になっているのは、少々辛いところがありました。
 キッシュを筆頭に「エイリアン」をメインにもってきたという展開自体は非常に良かったと思います。それだけに、もっと、彼らの活躍と、桃宮いちごとの関わりをじっくり描いてほしかったのに、と勿体なさを感じました。
 あと、この作品が掲載された直後に、ユキヒョウの存続の厳しさをルポした新聞記事を見ました。新作にあたり、レッドデータアニマルをしっかり取材した、というのは嬉しく思いました。
 扉を見る限り、かなり反響があったようです。当然、再連載の話も進んでいそうな感じですが、今回の話を見ていると、「懐かしさ」の勢いが止まった瞬間にあっという間に盛り下がるのでは、と危惧しています。
 それだけに、連載するのなら、キャラの絞り込みをしっかりしてからにしてほしいものだ、と強く思っています。

 「東京ミュウミュウ おーれ」のほうですが、かなり後ろに来ていました。
 今回も、新ミュウミュウ登場ですが、相変わらず、「かっこよくてモテモテのイケメン」が出てきただけ、という感じでした。
 第1話は非常に面白かったのですが、それはやはり、日向あんずというキャラが立っていたからだったと思っています。
 メインで動くのが男ミュウミュウになるのは当然でしょうが、彼女の個性が描かれなければ、ただの「イケメン陳列」で終わってしまうのではないでしょうか。
 素材的には面白いし、今回も「オリジナル」をリスペクトする描写があり、嬉しく思ったものでした。
 ぜひ、日向あんずをもっと活躍させて、再浮上してくれることを願っています。