ミュウアニメの最大の長所といえば、第9話などの石野聡さんが作画監督をなさった話の絵の美しさ(俗に言う「神作画」)だと思っています。
次の長所と言えば、声優さんの上手さ。特にいちごの声の中島さんの元気な声はこの作品の良さを引き立たせていました。第1話は、まだキャラが少ないという事もあり、その中島さんの元気さが炸裂しています。
話のほうは、「容姿端麗・頭脳明晰・剣道部のエース格で地球環境ヲタク」の青山雅也をいちごが「レッドデータアニマルズ展」にデートに誘うところから始まります。照れて天気の話などをしながら無事会場に行ったまでは良かったのですが、なんとそこでは謎の計画が・・・。
会場に隣接する、新規開店喫茶店の「カフェミュウミュウ」地下にある謎の研究所で、若い男二人が入場者の遺伝子情報を逐一チェックしていたのです。そして条件に適合するいちごを発見した彼らは「ミュウプロジェクト」を発動。彼女にイリオモテヤマネコの遺伝子を打ち込みます。
このへん、漫画版では他の4人も偶然展示会に来ており、まとめて遺伝子を打ち込んでいるのですが、アニメでは個々に適合者を選んで遺伝子を打ち込んだようです。ただ、アニメ・漫画のいずれにせよ、行き当たりばったりな計画であるとしか言いようがありません。「動物の遺伝子を打ち込まれた5人の美少女が戦う話」という結果さえ出れば、過程はどうでもいい、という感覚なのでしょう。しかし、このような基本設定の粗さが、この作品が人気を得る事ができなかった理由ではないか、と思っています。
打ち込まれた後遺症で3時間ほど寝てしまったいちごですが、青山はそれをずっと見守っています。それってはっきり言って「やさしい」ではなく「ちょっとヘン」なのでは、と思います。
翌日から早速(?)ネコの特性が出てしまい、自分の変化に驚くいちご。そして放課後の公園で、なぜか鼠の化け物が発生。第1話では具体的に説明がありませんが、地球侵略を狙う「エイリアン」が地球上の生物に彼らが開発したクラゲ状の生物を合体させて作った「キメラアニマ」というものです。
驚くいちごの前に「ミュウプロジェクト」の主催者である白金稜が出現して、いきなり変身をうながします。後に超天才科学者である事が明らかにされる彼ですが、変身したのを見て「やった」などと喜んでいる行き当たりばったりぶりを見ると、とてもそうとは思えません。
戦いは、「心の中に浮かんだ言葉」を言うと、武器が出てきて技も出せる、という便利な展開。あっさり勝利を収めます。決め台詞は「地球の未来にご奉仕するにゃん」。はっきり言って、「エロ同人誌を作ってくれ」と言っているようにしか思えません。
確かに、かつて「なかよし」に連載されて大ヒットした作品は、「なかよし」の読者層の女の子だけはなく、男ヲタクへの絶大な人気もヒットの要素となりました。そういう意味ではこの「戦略」は正しいのかもしれません。しかし、いかんせん露骨すぎますし、本来の読者である女の子には、「謎の決め台詞」でしかないでしょう。
結局、なしくずし的に、正義のヒロイン「ミュウイチゴ」をやること、並びにカフェミュウミュウでウエイトレスをやりつつ、仲間を探す事にいちごは同意してしまいます。この「仲間探し」が最初の数話の基本目的になるのですが、いちごへの「遺伝子打ち込み」とその後の白金のを見る限り、他のミュウミュウの捕捉もたやすくできるはず。このへんにも話の骨格の構成の粗さを感じざるを得ません。
あと、第一声が「あやしい者ではありません」で、美辞麗句を並び立てる「ミュウプロジェクト」の補佐役・赤坂圭一郎。はっきり言ってあやしすぎます。
実は、これまでアニメを何度か見ていましたが、第1話を見るのは初めてでした。キャラ(の声)の可愛さと元気さという「長所」と、話の構成の雑さという「短所」がよく出ていて、そういう意味では第1話として極めてふさわしい話だな、と思った次第です。